映画コラム

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2016年12月30日

間もなく箱根駅伝!映画で描かれている4つの設定と照らし合わせてみる

間もなく箱根駅伝!映画で描かれている4つの設定と照らし合わせてみる

風が強く吹いている メイン


(C)2009「風が強く吹いている」製作委員会



2009年に公開された『風が強く吹いている』。過去に駅伝部の監督を殴ってしまった問題児や、怪我を抱えた元エリートランナー、ヘビースモーカー、漫画オタクたちなど、成り行きで走ることになった寄せ集めの陸上部員たちが箱根駅伝を目指す熱い青春映画です。

毎年箱根駅伝を楽しみにしている方は、これまでの箱根駅伝の数々の名シーンなどが想起されたり、細かいところで「おっ!」と思う細かいこだわりがたくさん散りばめられていて楽しんで頂けます。

1:主人公、藤原「走 (カケル)」みたいに走るために生まれたような名前の選手いる!?


風が強く吹いている01


(C)2009「風が強く吹いている」製作委員会



同名小説を書いた直木賞作家の三浦しをんは、「舟を編む」や「まほろ駅前多田便利軒」などの作者でもあり、映画化されている作品が多数。

高校2年生で5000mを13分50秒台という驚異的な速さで走る天才ランナーの主人公の名前は「走(カケル)」で、映画の中でも、9区を藤原走が走る際には、「その名の通り、走るために生まれてきたのかもしれません」と実況されます。

実際にこんな名前の選手いる!?と思われるかもしれませんが…いるんです!

東海大学の駅伝部に所属をしていた際に、1年から4年まで連続で箱根駅伝を走り、4年間シード権を守り抜くことに貢献した、両角速(ハヤシ)さん。現在は同大学で駅伝部監督を務めています。その前は上述の長野県佐久長聖高校の駅伝部で監督を務め、日本最高記録を打ち立てました。

ちなみに、息子さんは両角駿(シュン)さんで、お父さんと同じく「はやい」という意味も込められた名前で、高校時代トップ級のランナーでした。

そして、今年両角監督率いる東海大学のルーキーで注目されているのが關颯人(ハヤト)選手です。これを考えると、自分の子供を、走るのを得意にしたい場合、命名が左右するのかも!?

2:城次郎、城太郎のように同じ駅伝部で活躍している双子なんている!?


風が強く吹いている03


(C)2009「風が強く吹いている」製作委員会



映画の中では斉藤祥太、慶太が演じている、双子の城太郎、城次郎。実際にもいるんです!双子で活躍をしていた駅伝部の選手が。

東洋大学卒の、設楽啓太さん、悠太さんは2014年では、2人揃って区間賞を取る力走を見せました。

その他にも、順天堂大学卒の村松優樹さん、和樹さんや、大東文化大学卒の市田孝さん、宏さんなど、映画の中だけの話ではなく、双子で同じ学校の駅伝部で活躍をした選手は意外とたくさんいます。双子や兄弟の場合、強い結び付きやパワー、そしてお互いに負けられない!という強いライバル心が生まれ切磋琢磨するのかもしれませんね。

3:駅伝部の寮ってどんな感じ!?


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(C)2009「風が強く吹いている」製作委員会



映画の中で、メンバーが集まり、仲を深め、生活をする竹青寮。駅伝部主将を務める清瀬灰次が、「寮母」さんも兼任をして食事を作ったり、選手たちを朝起こしたり、掃除をしたりしていますが、実際はさすがに選手と寮母さんを兼任することはなかなか難しいですね。選手の体調を管理するために、栄養のある食事を適正な量提供する必要があります。

2年連続で箱根駅伝で優勝をしている青山学院大学はどんな寮でしょうか。食事に関しては、一緒に寮で生活をしている駅伝部原監督の奥様が作ってるようです。

現在、青学の校門駅伝の写真が掲載されており、そこには以下のようなメッセージが書かれています。

「トップランナーたちが認める一番の寮食は、監督の奥さんの手料理だ。」


そして、もう一つ気になるフレーズが。

「1寮と2寮。2つのシビアな差がチームの底上げをする。」


1寮は、主力と1年生、2寮は実力がない選手や故障をしている選手が生活をしていおり、半期に1回選手の入れ替えがあるようです。環境や待遇面などでも両者には違いがあり、この差があることで、競争意識が高まり、チームの強さの秘訣になっていそうです。ここの点は映画の「竹青寮」とは違いそうですね。

4:上下関係って本当にないの!?


風が強く吹いている02


(C)2009「風が強く吹いている」製作委員会



映画の中では、ご飯の配膳や掃除、そして学年関係なく意見する姿などを見ると、高校野球などの厳しい上下関係はなさそうに感じます。

同じく掲載されていた写真には以下のメッセージが書かれていました。

「1年生が4年生にダメ出しできる場が青学にはある。」


「OBからの重圧は0。」


映画の中でも「駅伝のおもしろさは、選手のベスト記録を単純に足して最もよいチームがいつも勝つとは限りません。それが駅伝の難しさでもあり、チーム競技としての面白さでもあります。」とありましたが、朝から晩まで寝食をともにし、尊敬や信頼の気持ちやつながりがあれば、厳しい上下関係がなくても一つに団結ができ、それがパワーになっていくのかもしれません。

コアなチェックポイント!


最後に、箱根駅伝を観ないと1年が始まらない!というコアな方にチェックしてほしいポイントをまとめてみます。

・部員が飲むビールはやっぱりサッポロの黒ラベル

・部員たちのユニフォームは、上武大学の黒のユニフォームに似ている

・関東学生陸上競技連盟の靑葉昌幸さんや日隈広至さんがどこかに出演

・ケニア人留学生の活躍で駅伝強豪校になった山梨学院大学が、「甲府学院大学」、等学校の名前が少しずつ変わっている

・実際に走った選手が、電車でラジオや携帯テレビを観ながら大手町や横浜などに移動をする姿


まとめ


駅伝部主将 清瀬灰次が、

「長距離ランナーに求められるのは、“速さ”ではなく、“強さ”だと思う」

「短距離は先天的な筋肉の質によってほぼ実力が決まる。長距離は日々の練習がものを言う。長距離ほど才能と努力の天秤が、努力に傾いている種目は他にない」

と部員に対して話す印象的なシーンがあります。

この映画は、「走るとは何か?」そして、ひいては「生きるとは何か?」と考えさせられる作品です。2016年の締めくくりに、もしくは何かを成し遂げたい2017年のスタートに、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

[この映画を見れる動画配信サイト](2016年12月30日現在配信中)
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(文:hosohana)

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