『青空エール』の感動が止まらない!魅力を全力で語る!

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(C)2016 映画「青空エール」製作委員会(C)河原和音/集英社

映画『青空エール』の感動が止まりません!これは少女マンガの映画化作品の中でも最高峰!隅々まで誠実に作られた、とことんまっすぐな青春映画でした!本気で多くの方に観て欲しいので、その傑作っぷりを紹介します!

1.『ちはやふる』の感動、再び!

2016年上半期、初動の記録は伸び悩んだものの、口コミにより興行成績を盛り返した、ある青春映画が公開されていました。

それは『ちはやふる 上の句』。
ちはやふる -上の句-

(C)2016 映画「ちはやふる」製作委員会(C)末次由紀/講談社

多くの人がSNSで大絶賛し、それとは違った魅力を提供した後編『下の句』もスマッシュヒットを遂げると……今年を代表する邦画として、記憶に残っている方はきっと多いことでしょう。

そして、本作『青空エール』は、あらゆる点で『ちはやふる』(2部作)と同じ魅力に溢れた傑作なのです!以下からは二つの作品に共通している魅力を、どんどん挙げてみます!

2.フレッシュな若手俳優の演技、そして魅力的なキャラクターたちを見逃すな!

本作の大きな魅力のひとつは、フレッシュな役者陣!主演の土屋太鳳さんと竹内涼真さんが素晴らしいのはもちろん、脇を固める若き才能の魅力もたっぷりなのです。

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(C)2016 映画「青空エール」製作委員会(C)河原和音/集英社

中でも出色なのは、主人公に厳しい言葉を浴びせる“水島くん”を演じた葉山奨之、頼りになる“春日先輩”を演じた小島藤子、そしてつきっきりで指導をしてくれる“森先輩”を演じた志田未来の3人。

この3人は、部活動特有の“厳しさ”を見せるものの、ところどころに“優しさ”も滲ませる、印象に残るキャラクターになっています。

厳格な顧問の先生役として『のだめカンタービレ』の上野樹里さんが出演しているのも見逃せませんね。とても「ぎゃぼー」とか「千秋しぇんぱい〜」とか言ってた人と同じとは思えません(笑)。

3.ただのラブストーリーというだけでなく、部活を舞台にした群像劇でもある!

『青空エール』で描かれているのは、吹奏楽部に入った初心者の女の子と、野球部で甲子園を目指す男の子が、ともに励まし合いながら、お互いの夢に突き進む物語です。

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(C)2016 映画「青空エール」製作委員会(C)河原和音/集英社

原作が少女漫画であるため、甘酸っぱいラブストーリーと思っている方もいるかもしれませんが、それだけではありません。本作は、登場人物それぞれにしっかりとした活躍の場があり、それぞれの“夢”への想いがはっきりとわかるという物語にもなっているのです。

三木孝浩監督は、この作品を“群像劇”にしたかったと明言しています。そう思われたのは、実際に吹奏楽のコンクールを見に行ったとき、まだ結果発表も終わっていないのに泣き出した少女の姿を見たことがきっかけなのだとか。

つまり監督は、主人公だけをクローズアップせず、部活動に勤しむ若者ひとりひとりにエールを送る作品を作りたかったのでしょう。その願いの通り、この映画は主人公の二人だけでなく、キャラクターそれぞれの人となりが、ちょっとした台詞や行動だけでわかるようになっていました。きっと、観終わってみれば、ほとんどの登場人物が大好きになっていることでしょう。

4.キリキリと胃が痛みそうな、キツい部活動の様子が描かれている。

一般的に、吹奏楽部は“ほとんど体育会系”と言われるほど、大変な練習量をこなすことがあります。少し前に、NHKの特集で一部の吹奏楽部が“ブラック部活”になっていることが話題になるくらいですから。

本作でもその練習量の多さ、部活動を頑張る彼らの辛さは、これでもかというほどに描かれていました。

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(C)2016 映画「青空エール」製作委員会(C)河原和音/集英社

主人公がはじめて部室に訪れたときの演出では、観客は(主人公と同じように)「こんなに大変そうなところに入らなければならないのか」とはっきりと思うことができるでしょう。そして、主人公が部員たちから浴びせられる言葉の数々は、聞いているこっちがとても辛い、胃がキリキリと痛みそうなものばかりなのです。

そして、物語は彼らの夢の困難さを丹念に描いていきます。“こんなに頑張っているのにうまくいかないのか”、“どこまで努力しなければいけんないんだ”と思うほどに……。

しかし、この“辛さ”こそが作品に重要でした。彼らは確かに辛いけれども、“それだけではない”、尊い感情を持っています。水島くんが、心ない教師の言葉に対して言った“あること”で、そのことがよりくっきりするでしょう。

また、主演の土屋太鳳さんも「(部活に入ると)大体“苦しいな”や“なんでこんな部活入っちゃったんだろう”とか思ってしまいますが、今思うとそういう時が青春なんですね」と、本作を振り返っています。

その通りです。辛くても、いや辛いからでこそ、部活動はかけがえのない青春の記憶となるのでしょう。もちろんブラック部活になってしまうことはいけませんが、自分の意思で努力しているからでこそ、感動できる青春があるのですから。

個人的に感動したのは、“怒ってくれる”ことに感謝を告げるシーンでした。怒るということはとてもエネルギーを使い、ともすれば人間関係が悪くなってしまうかもしれないのに……。部活動に限らず、怒ってくれることがいかにありがたいか、それを再認識できるでしょう。

5.“最善”の原作からの再構築があった!

自分は『ちはやふる』(2部作)において、映画としてカタルシスが得られるよう、原作漫画のエピソードの順番入れ替えるなどして、うまく“再構築”ができていることに感動していました。

『青空エール』でもそれは同様、いやそれ以上でした。自分は映画の鑑賞後に原作漫画を読んだのですが、「ここまで“最善”を選べているとは!」と驚けたのです。

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(C)2016 映画「青空エール」製作委員会(C)河原和音/集英社

例えば、水島くんが、はじめて主人公に言ったキツい言葉は、原作ではすぐに“こういうことだったんだったんだ”という伏線の回収が行われています。しかし、映画ではこの言葉が2時間の映画の最後の方に、自然な形で意味を持つような工夫がされているのです。

何より感動したのは、原作とはまったく違う、中盤の“青空”の使い方。これはネタバレになるので具体的には書けないのですが、「青空エール」というタイトルに、このような形で答える画を用意してくれるなんて!

さらに、映画で多くの人が印象に残るであろう、あの“病院のシーン”も原作にはありません!原作ではこの前のエピソードで、論理的に“そうすることができなかった”理由が描かれているのですが、映画ではその前のエピソードを少し変更することで、感動的なシーンをつくることに成功しているのです!

まとめ.たったの2時間で、一度きりの青春を体験しよう

本作は良い意味で“二度と観たくない”と思いました。なぜなら、前述したように部活経験者には胃がキリキリと痛みそうなシーンが多いことだけでなく、“この映画で体験した青春は一度きりでいい”と思ったからです。青春とは、二度と帰ってこない大切なもの。それを、たったの2時間で体感できるこの映画はどれほど素晴らしいことでしょうか!

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(C)2016 映画「青空エール」製作委員会(C)河原和音/集英社

本作のセリフに “青臭さ”、“気恥ずかしさ”を覚える人も多いでしょう。しかし、自分はこれも本作の魅力であると全肯定します。“キレイゴト”で片付けない、ありとあらゆる“正論”がぶつかり合う様は、どこまでもまっすぐで誠実なものだと思えたのですから。

そうそう、この映画は出てくる男の子が、中身を含めて(むしろ中身こそが)イケメンということも素晴らしかった! 大介くん(竹内涼真)は太陽のようにキラッキラしている男の子だし、その親友の城戸くん(堀井新太)はひょうひょうとしながらも頼りになる男だし、碓井先輩(山田裕貴)が後輩に告げたあの言葉は何よりも尊かった!男の自分が観ても「惚れてまうやろー!」な要素が盛りだくさんだったんだから、女子にはもうたまらんのではないでしょうか!

なお、三木孝浩監督は、昨年にも『くちびるに歌を』という青春音楽映画の傑作を撮っていました。こちらもぜひ合わせてご覧ください!

(文:ヒナタカ)

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