ゲーム原案映画『アングリー・バード』が成し遂げた”前例のない快挙”とは?

全米興収ランキング(5/20〜5/22付)

1『アングリー・バード』(New)
2『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(→)
3『Neighbors 2 : Sorority Rising』(New)
4『The Nice Guys』(New)
5『ジャングル・ブック』(↓)
6『マネー・モンスター』(↓)
7『The Darkness』(↓)
8『ズートピア』(↓)
9『スノーホワイト/氷の王国』(↓)
10『Mother’s Day』(↓)
(速報値/Box Office Mojo参照)

3週目にして『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』が首位陥落。変わって今週首位に立ったのは、人気アプリゲームの映画化である『アングリー・バード』だ。

アングリーバード

ゲームの映画化といえば、実写・アニメ問わずここ数年で急速に増加してきているが、まったくストーリー性のないゲーム(しかも携帯アプリ)に新たに筋書きを加えて映画化するというのは、おそらく前例がないことだろう。そういえば、往年の名作パズルゲーム、「テトリス」を映画化するという話が以前から持ち上がっているが、昨年公開された『ピクセル』みたいな感じになるのだろうか。

それはさておき、『アングリー・バード』の初週末3900万ドルというのは、決して褒められた数字ではないが、すでに海外セールスで1億ドルを超えており、国内興収でも何とか制作費の回収は叶うはずだろう。

同じソニーピクチャーズが手がけたアニメーション作品と比較してみても、2006年に公開された『モンスター・ハウス』(初週末2200万ドル・最終興収7360万ドル)や2007年の『サーフズ・アップ』(初週末1760万ドル・最終興収5880万ドル)を大きく上回っているだけでなく、何よりも今年最大のブロックバスター映画である『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を下して1位スタートとなったことが讃えられるにちがいない。

その『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』だが、3週目で2位陥落といえども、『アングリー・バード』との差はそれほど大きなものではない。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
(C)2016 Marvel.


3年前の同じ時期に公開されていた『アイアンマン3』も、3週目で『スター・トレック/イントゥ・ダークネス』に惨敗を喫して2位に転落をした。この時点でのトータル興収ではわずかながらにそれを上回っていることを考えると、4億ドル突破も充分考えられるだろう。あとは来週公開の超大作の勢い次第というところか。

それでも、世界興収は2016年公開作で初めて大台である10億ドルを超えてきたのだから、『デッドプール』を超え、全米国内でも今年最大のヒット作となるのも時間の問題だろう。そうなればもう怖いものなしだ。

第3位に初登場した『Neighbors 2 :Sorority Rising』は、前作『ネイバーズ』を上回るシアター数でスタートするも、オープニング興収は前作の半分以下。制作費の回収は問題ないだろうが、最終的に1億5000万ドルを記録した前作を超えることは到底無理だろう。批評と興収ともに凡庸な成績になりそうである。

一方、シェーン・ブラック監督のキャリア3作目で、ラッセル・クロウ久々のコメディ作品となった『The Nice Guys』は、上々な批評とは裏腹に厳しいスタートとなった。小規模公開となった監督の出世作『キス・キス・バン・バン』や、メガヒット作『アイアンマン3』とは比較のしようがないのだが、2800館規模のシアター数で、かろうじて1000万ドルを超えたというのは何とも苦しいところだ。5位に付けた『ジャングル・ブック』に、確定値で抜かれる可能性も有り得る。

いよいよ来週からサマーシーズンが本格的に稼働する。その第一陣となる、『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』は絶好調の続くディズニーが満を持してサマーシーズンにぶつけてきた超大作で、前作は3億ドルを超える成績を残している。

アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅 ネタバレ
(C)2016 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.


今回は監督がティム・バートンから『ザ・マペッツ』のジェームズ・ボビンに変わったことで、辛辣な批評が目立っているが、日本をはじめ世界中で愛されている物語なだけに、どのような成績を残すのか注目したい。

また、新シリーズ3作目となる『X-MEN : アポカリプス』も同日に公開。これまでのシリーズ2作はどちらも爆発的な大ヒットとまではいかなかったにしろ、今年は同作のスピンオフである『デッドプール』が大ヒットしていることもあって、かなりのジャンプアップが見込めるだろう。配給元の20世紀フォックスは今作の出来栄えにかなりの自信をもっているとのこと。批評自体はこちらも伸び悩んでいるが、果たしてどうなるのだろうか。

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(文:久保田和馬

    ライタープロフィール

    久保田和馬

    久保田和馬

    久保田 和馬 1989年生まれ。映画評論家/映画ライター/映像作家。フランス映画とアジア圏の映画をこよなく愛する。大学時代からの自主制作の延長で映像制作を行い、2013年から文筆業を開始。「図書新聞」へ映画評の寄稿、「リアルサウンド映画部」への寄稿など。

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