『ゴーストバスターズ』はまずまずのヒットになることは間違いない

ゴーストバスターズ


全米興収ランキング(7/15〜7/17付)


1『ペット』(→)
2『ゴーストバスターズ』(New)
3『ターザン:REBORN』(↓)
4『ファインディング・ドリー』(↓)
5『Mike and Dave Need Wedding Dates』(↓)
6『The Purge : Election Year』(↓)
7『Central Intelligence』(↓)
8『The Infiltrator』(New)
9『BFG :ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(↓)
10『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』(↓)
(速報値/Box Office Mojo参照)

 27年ぶりの続編となった『ゴーストバスターズ』が4600万ドルの売り上げで2位スタート。過去の2作はともに1億ドル超のヒット作。とくに、1984年の第1作目は、当時のレートで2億4000万ドル。これを現在の貨幣価値に直すと6億ドル超となるのだから、さすがにこれを超えることは至難の技であろう。
 とはいえ、初週2位発進をした作品の歴代では13位という極めて高い水準なのだ(拡大公開のオープニングで2位となった『アナと雪の女王』を含めればひとつランクは下がるが)。

上位にいる12本は、きれいに二分され、片や大ヒット作の2週目とぶつかってしまい惜敗。もう片方は同じ週に公開された作品に競り負けるケースだ。
 今回の『ゴーストバスターズ』はまさに前者のパターン。
これまで、同じような目に遭遇してきた作品といえば、
『シュレック2』に『デイ・アフター・トゥモロー』、
『スターウォーズEP3』に『ロンゲスト・ヤード』、
『アバター』に『シャーロック・ホームズ』、
『ハリーポッターと死の秘宝PART1』に『塔の上のラプンツェル』、
『アイアンマン3』に『華麗なるギャツビー』、
そして昨年『ジュラシック・ワールド』に『インサイド・ヘッド』と、2週目でも強力な新作を封じ込める力を持った作品はどれも3億ドル級のメガヒット作となっている。例によって、先日も『ファインディング・ドリー』が『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』を封じ込めたように、『ペット』もさらに1億ドル近い上積みがあることを予感させるデータなのである。

 もちろん、敗れている作品は、どれも安定して1億ドルを超えてきている。同週の作品と競り負けるケースよりもヒットの可能性は充分高く、そう考えると、『ゴーストバスターズ』はまずまずのヒットになることは間違いないだろう。制作費の1億4000万ドルを国内だけで回収できるかどうか、というラインが最終到達点のようには見える。比較的高めの制作費が仇となり、これ以上の続編の可能性はやや遠のいたのではないだろうか。

 『ペット』は今週も5000万ドルを稼ぎ、2週連続の1位で2億ドル突破を果たした。昨年の『ミニオンズ』の2週目での興収よりも1500万ドルほど下回っているので、やはり3億ドルに乗るかどうかが今後の鍵となるだろう。
ペット


(C)Universal Studios.

 そんな新進アニメーションスタジオの健闘を眺めながら、ピクサーの『ファインディング・ドリー』は無事に公開30日目で『シュレック2』を超えてアニメーション史上1位の作品となった。次の目標は、アメリカ国内興収ランキングで上位にいる10作品をどこまで超えていくことができるかだろう。

ファインディング・ドリー


(C)2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 まずは、『ダークナイト・ライジング』があと300万ドルのところにいるので、今週中には第10位にのし上がることだろう。その上にいる『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』『スターウォーズ』『スターウォーズEP1/ファントム・メナス』までは、3000万ドル圏内なのでまだまだ可能性十分といったところだろう。目標は、現在第6位に鎮座する、『ダークナイト』の5億3000万ドルにどこまで迫ることができるか、といったところか。

 今週はほかにも、『ターザン:REBORN』と、『死霊館/エンフィールド事件』が1億ドルを突破。後者の方は前作の『死霊館』とほぼ同じ推移で来ているので、あわよくば前作以上のヒットを見込めるだろう。

 初登場作品では、今年のアカデミー賞で主演男優賞にノミネートされたブライアン・クランストンの主演作『The Infiltrator』が8位に登場。これまでの彼のキャリアを考えると、今後着実に主演作が増えていく中では、この公開規模でベストテンに入っただけでも大きな一歩となる。

 驚くべきは、18位に限定公開作『Café Society』がランクインしたウディ・アレンである。毎度限定公開からの拡大公開となる彼の作品は、特別大ヒットをするわけではないが、安定した人気を保っている。今回の新作は5館で35万ドル。1館アベレージが7万ドルを超えてきたので、『ミッドナイト・イン・パリ』が大ヒットした直後の『ローマでアモーレ』とほぼ同じ数字となったのである。近2作が不調だったことを考えると、まだまだ彼の人気は衰えることがないという確かな証明となった。例によって、日本公開は1年位先だろうか。
 
 まだまだサマーシーズンの注目作は続く。来週は人気シリーズ5作目の『Ice Age: Collision Course』、そして『スター・トレックBEYOND』が超拡大公開。また、ヒットメイカーのジェイムズ・ワンのプロデュースによるホラー映画『ライト/オフ』も拡大公開となる。強力なアニメ作品にどこまで対抗できるか、楽しみである。

(文:久保田和馬)

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