「逃げ恥」のルーツはこれ!「ブリジットジョーンズの日記」ついに完結!

ブリジット・ジョーンズ ダメな私の最後のモテ期 ポスター

(C)Universal Pictures.

長年、全女性の「恋のバイブル」として愛されてきた、大人気映画シリーズ「ブリジット・ジョーンズの日記」。
前作「きれそうなわたしの12か月」の日本公開以来、実に11年ぶりの新作にして完結編、それがこの「ブリジット・ジョーンズ・ダメな私の最後のモテ期」だ。

ちなみに英語タイトルは「Bridget Jones’s Baby」!この原題ですでに激しくネタバレしているものの、久々の続編、しかも完結編とあって、公開前から女性を中心に話題となっていた本作。

今回は、主人公のブリジットもついに43歳を迎え、新たなキャリアを築いて充実した日々を送っていたが、何故か前作のラストでプロポーズされた恋人のマークとは分かれることに!

前作のラストが、遂に二人が結婚へという、まさしく観客が観たかったハッピーエンディングだったにも関わらず、今回のこの意外な展開!
きっとファンの間では、てっきり二人の新婚生活が描かれるものだと思っていた方も多いのでは?

思えばあれから11年、果たして二人の間にはいったい何があったのだろう?それを確かめるために、今回さっそく男一人で劇場へ足を運んでみた。劇場の観客層を見たところ、想像以上に女性一人での鑑賞が多かったのだが、予想通り男一人の来場は自分だけだった。完全アウェイな環境で見た本作だが、果たしてその出来はどうだったのだろうか?

ストーリー

前作で恋人のマークからプロポーズされたブリジットだったが、なぜか43歳の誕生日を一人で迎えていた。
5年前に別れた元カレのマークは他の女性と結婚し、ブリジットはテレビ局の敏腕プロデューサーとして活躍していたが、私生活では未だ独身のまま。もう一人の元カレであるダニエルは、なんと飛行機事故で亡くなってしまっていた。
ある日、同僚の女性キャスターと共に出かけた音楽フェスで、ブリジットはハンサムで性格も良い、IT企業の社長ジャックと運命的な出会いを果たす。一夜を共にしてしまったものの、お互いの名前も知らずに分かれたブリジットだったが、ダニエルの葬式でなんとマークとも再会!ブリジットは二人の男性とほぼ同時期に関係を持ってしまうことに。やがて体調の変化を感じたブリジットが妊娠検査薬で調べてみると、結果は見事に陽性!しかも、時期的に二人とも父親の可能性がある!果たして二人のうち、どちらがお腹の子供の父親なのか?ブリジットの心は、2人の男性の間で揺れ動く。

予告編

ちなみにマークの前の奥さんは日本人だった!
ここでちょっと過去作を振り返ってみよう。

ブリジット・ジョーンズ ダメな私の最後のモテ期 場面2

(C)Universal Pictures.

ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」を元に書かれた小説だけに、主人公ブリジットが幼馴染のマークとの出会いによって、お互いの偏見を見直し、相違点を理解して結ばれるまでを描くのがテーマとなっていたこのシリーズ。

一作目で随所に登場した相当に際どいSEXネタは、この「ダメな私の最後のモテ期」でも随所に現れているのだが、やはりこれは監督であるシャロン・マグアイアによるところが大きいようだ。

過去作を良く見ると、実はブリジットの母親も娘に負けない行動派であり、ブリジットの両親の描写が将来の彼女とマークの姿を暗示している点など、女性監督ならではの細かい積み重ねと丁寧な作りが良く判る。

ちなみに、一作目でダニエルの浮気が発覚した直後、ブリジットがテレビで「危険な情事」を観ている描写などは、主演のマイケル・ダグラスが、後年実は自分がSEX中毒だったことをカミングアウトしたことを考えると、実に意味深だったりするので、ここも要チェックだ。

それにしても、、今では信じられない程、登場人物たちが頻繁にタバコを吸うし、かなり際どいSEX描写が多く含まれているのには驚いた。
そのためか、現在この作品がCSなどで放送される際は、「過激な描写が含まれておりますので、ご鑑賞の際は保護者の方の適切なご配慮をお願いいたします」との字幕が出るくらいだ。

この一作目で確立した、ブリジットの理想の姿やモノローグで語られる内容が、現実では真逆のドジな行動や失敗となる対比の面白さは、現在大人気のTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のルーツだとも言えるだろう。それにしても、この1作目のラストでの、新しい日記帳=二人の新しい未来、という結末は、今観ても最高だ。

ところが、二作目の「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月」では、監督がビーバン・キドロンに交代。
そのためか、前作のテイストとはかなり違ったものとなってしまい、非常に無理な展開が目立つ上に、恋愛よりもコメディに比重が移り、全体の雰囲気が「ハング・オーバー」シリーズの様になってしまっているのが残念だ。

例えば、あのダニエルがなんとテレビ番組の司会者になっているとか、特に同性愛者や特定の国への偏見と配慮の無さは、今見返すとちょっと・・・。それに主演のレニー・ゼルウィガーも1作目より更にオーバーウエイト気味であり、内容も前作のラストでせっかく上手くいったのに、また二人の関係に暗雲が立ち込めて一からやり直しでは、観客の貴重な思い出が台無しにされるというものだ。

ただ、映画的な盛り上げ方と言うか、特にOPタイトルでの「007私を愛したスパイ」のパロディや、誰もが知ってるヒット曲に乗せてブリジットの心情や置かれた状況を説明するなどの、前作以上の観客へのサービス振りは評価出来る。

今までの孤独感から開放されて、つい恋に頑張って空回りしてしまうブリジットの姿が、全女性の共感を呼んだのも納得だと言えるし、「ダメな私の最後のモテ期」で扱われる、「妊娠」のテーマが本作で既に登場しているのも、今見返すと非常に興味深いものがある。二人の子育てに対する意見の相違が結果的に破局を呼ぶ展開は、「ダメな私の最後のモテ期」をより楽しむための予備知識として、かなり役立つはずだ。

お馴染みの登場人物たちとの再開、
そしてあの男に一体何が?

ブリジット・ジョーンズ ダメな私の最後のモテ期 場面3

(C)Universal Pictures.

11年振りの続編ともなると、ブリジットの友人達にも家庭や子供があったりして、そうそう彼女に付き合ってもいられない。本作では同僚のニュースキャスターや番組のメイクさんなどが、彼女の女子仲間として登場するのだが、なにせ皆彼女よりも年下なので、ブリジットとの世代ギャップが笑いのネタとなっている。

彼女の周りの環境の変化と、変わらないブリジットの日常とのギャップが、更に彼女の孤独を印象付ける。コメディ的な場面の次に静かな場面が続くなど、この辺りの緩急の付け方は、さすが一作目の監督ならではの手腕だと言えるだろう。

ただ、本作での一番の問題点は、今回のブリジットのお相手二人が、実は二人とも善良な人物として描かれている点だろう。

今回、ダニエル役のヒュー・グラントが、脚本の出来に不満で出演を断ったので、仕方がないと言えば仕方がないのだが、そのため、前2作におけるダニエル的役割を、どうしてもマークに割り振らなければならないという、非常に苦しい事情が発生してしまうのだ。一作目でブリジットがダニエルに騙された展開を、本作ではマークが恋のライバルであるジャック騙すという、シリーズのファンにとっては「えっ?」という展開に乗れるかどうかが、この作品を楽しめるかの鍵だと言える。

加えて、前2作までにあった「理想の相手との出会いと恋愛」という、全女性が共感できる夢とロマンス的内容とは違い、本作で描かれるのは「43歳のブリジットの妊娠と出産」!

そのため、今までの様に幅広い層の女性に共感できる、万人向けの作品とはいい難いのも確かだ。あくまでも前2作のファンで、ブリジットと共に年輪を重ねてきた女性たちのための最後のプレゼント!という側面が強い作品であるのは間違いないだろう。
前述したように、細かい部分で1作目の展開を踏襲しているので、最低1作目だけは見返してから鑑賞すると、楽しみが倍増するのでお忘れなく!

まさか、43歳未婚のプロとなっていたブリジット!
なぜマークと結ばれなかったの?

ブリジット・ジョーンズ ダメな私の最後のモテ期 場面1

(C)Universal Pictures.

前作のラストでついにプロポーズ!やっと二人は結ばれたと、観客誰もが思っていたのだが・・・。

なんと本作では、マークが別の女性と結婚していたことに!どうやら本編中で説明されるように、ブリジットとマークは5年前に分かれたことになっているようだ。破局の原因は明確には語られないのだが、ブリジットがテレビのレポーターからニュース番組の敏腕プロデューサーとなっていることを考えると、恐らく仕事上の昇進や転勤で分かれたのではないだろうか。あるいは一作目のように、マークの方が海外の法律事務所に移動になったのかも?

後の展開でマークが離婚調停中だと判明するのだが、まさかあの前作のラストから、ブリジットが「未婚のプロ」状態になっていたとは・・・。ファンにとってはそんな思いで一杯なのではないだろうか。

最後に

ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期 本予告 ネタバレ

(C)Universal Pictures.

このシリーズ通して最大の恋のライバルにして一種の悪役と言えば、そう、ヒュー・グラント演じるダニエルだ。なぜか魅力的で憎めない彼目当てのファンの方、ご安心下さい!本作でも彼は堂々と登場する、但し意外な姿で。
更には、ラストでも彼の意外な登場?があるのだが、ひょっとしてこれは更なる続編への布石かも?

もちろん、本作で登場する新キャラにしてブリジットの新しい恋のお相手、パトリック・デンプシー演じるIT企業の社長ジャックも、マークに負けず劣らずの誠実な理想のカレ氏像なので、「いい男を愛でる」という点では、非常に楽しめる映画だと言えるだろう。

果たしてブリジットは、人生最大のイベント「出産」を経て、もう一つの大イベント「結婚」へと進むことが出来るのか?そして、二人の理想的なカレ氏のどちらを選択するのか?子供の父親はどちらなのか?その結末は是非劇場で!

(文:滝口アキラ)

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    滝口アキラ

    滝口アキラ

    滝口アキラ 映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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