ディズニーアニメとピクサーアニメの違い


(C)2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.


7月16日に公開となったピクサー最新作『ファインディング・ドリー』。全国511スクリーンで公開となったこの作品は、海の日までの連休3日間で、92万人以上の動員数と、今年公開となった洋画のオープニングNo.1の成績となりました。

次々とヒット作を世に送り出すピクサー。2006年にディズニーの子会社になってからは、CGアニメーションの波に乗り切れていなかったディズニーにも『アナと雪の女王』や『ズートピア』などのヒット作をもたらしています。

ところでディズニー映画とピクサー映画の違いは…?

どのように両社の中で棲み分けをしているのでしょうか?その違いを見ていきたいと思います。

「ディズニーランドの世界」と「反骨精神」


ジョン・ラセターはあるインタビューにて、こう答えていました。
「ディズニーのアニメ作品は、物語もキャラクターも主題歌もディズニーランドの世界にしっくりと当てはまる。ファンタジーランド、トゥモローランド、などみんなディズニーランドの世界。バズやウッディなど、一部ディズニーランドにしっくりとくるものもあるが、ピクサー作品の全てがそういうわけではない。ピクサーは反骨精神にあふれてる」

これに当てはまるか、それぞれの作品をいくつか例にとって考えてみたいと思います。

まずは、ディズニー映画から


『アナと雪の女王』







多くの方がご存知の通り、最終的には、愛が、お姫様と王子様の間だけのことではなく、姉妹の愛、家族愛、などがある、ということが教訓とされ、悪事を働こうとしていた人以外は全員ハッピーエンドを迎えます。

『ズートピア』


ズートピア 日本版ポスター 隠れミッキー


人権、ダイバーシティなど、多くの深い問題に切り込んだこの作品も、基本的には全ての動物たちが擬人化され、彼らの文明が発達し、最終的には勧善懲悪、そして詐欺師だったニックも警察官になる、という完璧なエンディングとなります。ジュディがiPodで再生すると流れてくる劇中歌(「Try Everything」)も、子どもたちが口ずさみやすい明るくディズニーらしい曲です。

そして、ピクサー映画では?


『モンスターズ・ユニバーシティ』






マイクは「ルックスが可愛い、怖くない」、というハンデを抱えながらも、反骨精神旺盛に怖がらせ学部トップになろうと邁進します。ストーリーの中で一瞬怖がらせ大会「優勝!!」と思わせ、完全なサクセス・ストーリーかと思わせながらも実は、サリーがズルをしていたり、ストーリーの一番最後でも結局退学になったことは取り消されなかったり、ただのおとぎ話のような完全なハッピーエンドにはなっていません。

『トイ・ストーリー3』






おもちゃが、いっときは主人に可愛がられるものの、もし壊れたりなくなった場合には代替がきく、ということからくるロッツォ・ハグベアたちなどの心の歪みなど、子どもたちが知るにしては、世知辛い世の中が描かれています。

このように考えてみると、両社の作品の違いが見えてきますね。

ジョン・ラセターが考えるヒット映画の三原則


もちろん、ジョン・ラセターにとっては、ディズニーでの仕事よりも、ピクサーでの仕事の方が制約が少なく、好きなようにできるように思いますが、例えばディズニー映画の「ベイマックス」のエンディングソングが、Fall out boyの「Immortals」だったり、「ここまでだったらディズニーでもできるかな」というところを探っているのかもしれません。




どちらから出す作品にしても、彼が考えるヒット映画の三原則は忠実に守られています。

(1)観客が夢中になるような予測のつかない物語を作り上げる
(2)登場人物が魅力的である 悪役であっても魅力的に
(3)ストーリーもキャラクターも真実味があること

再来年には、ジョン・ラセター自身が監督を務めるトイ・ストーリーさらなる続編も公開される予定になっており、今後も目が離せません。

(文:hosohana)

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