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2015年10月10日

ネズミ版『七人の侍』としての 3DCGアニメ映画『GAMBA ガンバと仲間たち』

ネズミ版『七人の侍』としての 3DCGアニメ映画『GAMBA ガンバと仲間たち』

■「キネマニア共和国」

“ガンバ”と聞くと、1970年代に少年少女だった世代は、出﨑統監督の傑作TVアニメ・シリーズ『ガンバの冒険』(75/全26話)を思い起こすことでしょうが、これは斎藤惇夫が72年に記した児童小説『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』を原作としたものでした……。

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街 vol.39》

今度は同じ小説を原作に、3DCGアニメ『GAMBA ガンバと仲間たち』として映画化されました!
GAMBA ガンバと仲間たち ポスター


原作、TVアニメ、そして3DCG映画版へ


小説『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』も、TVアニメ『ガンバの冒険』も、そして今回の映画『GAMBA ガンバと仲間たち』も、そして76年に『冒険者たち ガンバとその仲間』として初演、その後『ガンバの大冒険』と改題して全国で上演され続けたミュージカルも、基本ストーリーは同じです。

街ネズミのガンバのもとに、ある日島ネズミの忠太が現れ、イタチによって全滅寸前の島ネズミたちを救うべく、ガンバは仲間のネズミたちと島へ赴き、白く凶暴なイタチのボス・ノロイらと戦うことになるのです。

ただし、原作はタイトル通りガンバと15匹の仲間が登場するのに対し、アニメ版と映画版はガンバを含めて7匹、そしてアニメ版はシジン、映画版はマンプクと、それぞれキャラクターが1匹だけ異なっています。

今回の脚本は『ALWAYS 三丁目の夕日』(05)の古沢良太。
ここで彼はTVアニメ版を意識するのではなく、むしろ原作の精神に立ち返って、あくまでも3DCGアニメ映画としての『GAMBA』の構築に腐心しています。

シジンとマンプク(原作には両方出てきます)、登場するキャラの相違が、そのままTVアニメ版と3DCGアニメ映画版との違いを象徴しているといってもいいでしょう。

そもそも本作は『ALWAYS』や『STAND BY ME ドラえもん』(14)で知られる映像制作会社・白組が、構想15年、製作期間10年、総製作費20億円をかけて取り組んだビッグ・プロジェクトであり、エグゼクティヴ・プロデューサーに『アイアンマン』(08)などのアヴィ・ブラッド、音楽にもベンジャミン・ウォルフィッシュといった海外スタッフを招き、また日本が誇るアートディレクター森本千絵をコミュニケーション・ディレクターとして宣伝ヴィジュアルのディレクションやエンドロールの演出などを任せています。

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