『ザ・ギフト』は超イヤな気分になれる秀作スリラー!その5つの魅力とは?

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(C) 2015 STX Productions, LLC and Blumhouse Productions, LLC. All Rights Reserved.

10月28日(金)より公開される映画『ザ・ギフト』は全米で4週連続トップ10入りのスマッシュヒットを飛ばし、映画批評サイトのRotten Tomatoesで満足度93%という極めて高い支持を獲得した注目作です。本作の魅力がどこにあるのか?大きなネタバレのない範囲で、その魅力を紹介します。

1.贈りものは、実は怖い!

“贈りもの”とは、誕生日や結婚や出産などの人生の節目に、日頃の感謝のしるしとして届けられるもの……なのですが、一方であまりなじみのない相手から、急に何かを贈られたとしたら……?きっと、“うれしい”というより、“気味が悪い”“怖い”という気持ちのほうが先立ってしまうのではないでしょうか。

『ザ・ギフト』で描かれるのは(少なくとも序盤は)そんな困惑と、恐怖。主人公の高校時代のクラスメイトと名乗る男が、初めは赤ワイン、2つめは鯉、そして3つ、4つ、5つと……どんどん贈りものをしてくるのです。

その贈りものの内容だけでも怖いのですが……それよりも恐ろしいのは、その贈りものを届ける男がたびたび家まで来ていることと、贈りものを受け取る妻が“贈りものを無下にはできない”心理に陥っていること。確かに一般的に考えれば、贈りものは“善意”の証でもあるので、受け取りを拒否しにくいところがあるのでしょう。

この物語のミソはここです。“贈りものは(簡単には)断れない”。だからでこそ、終盤で明かされる真実が、より重くのしかかってくるのです。

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2.怖い?それとも同情する?ジョエル・エドガートンの演技にも注目!

本作はオーストラリアの実力派俳優、ジョエル・エドガートンの長編監督デビュー作。巧みな演出もさることながら、ジョエル自身が書いた、“ほんの小さな出来事が重要になってくる”“ちょっとした言葉や行動からその人の性格がわかる”という、脚本の上手さも特筆すべきものがあります。1つとして無駄なセリフはなく、後から“じわじわと効いてくる”のですから……。

しかも、“贈りもの”をする男を演じていているのも、ジョエル自身だったりします。彼は得体の知れない男のように思えて、どこか同情して“しまう”ような、ある意味での“親しみやすさ”もあったりします。ジョエルは『ブラック・スキャンダル』では出世に目が眩んだ中年男を演じていましたが……『ザ・ギフト』では、それとは正反対のキャラクターを見事に演じていることにも驚きました。

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(C) 2015 STX Productions, LLC and Blumhouse Productions, LLC. All Rights Reserved.

3.描いているのは、普遍的な“あの”問題

ネタバレになるので明確には書きませんが、本作のテーマとなっているのは、人間であれば誰もが経験するか、または見かけるであろう“あの”問題です(途中でそのことに気づける人もいるでしょう)。ジョエル監督も、自身が“経験者”であるからこそ、この物語に着手したのだそうです。

ジョエル監督は、このテーマについて「こういう類の痛みが持つ余波が気になった。過去を引っ掻き回すことがいいことなのか、それとも、悪いことだったのか。これこそが、物語の始まりだった」と語っています。

大人になって、旧友のことが気になって連絡を取ってみたり、風の便りに古い知り合いの噂を聞くことはよくあるでしょう。この映画では“再会から起こる出来事”と“過去にあった出来事”の2つに焦点を絞り、身もよだつような、しかも普遍的に誰にでもある“人生の過失”や“因果関係”を描ききっていました。

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4.とにかく超イヤな気分になるエンターテインメントだ!

2016年は、“いい意味で超イヤな気分になれる映画”が秀作揃いの年でもありました。

『マジカル・ガール』……余命わずかな少女が日本アニメの魔法少女に憧れたせいでひどいことになる。
『ヒメアノ〜ル』……息を吸うように次々に殺人をしていく男の顛末を描く。
『葛城事件』……次男が通り魔事件を起こしてしまった家族の地獄を描く。
『淵に立つ』……とある来訪者の登場により家族が崩壊していく。

どれもこれも心の底からゲンナリしてしまう、「そんなイヤなことを見せないでよ!」と思ってしまう(褒めています)映画でしたが、この『ザ・ギフト』もそういう作品。「なんでわざわざイヤな気分にならないといけないの!?」と思う方もいるかもしれませんが……こうした“負”の感情を体験することで、現実で起こる不幸や、何かの問題へ対応できる“準備”ができると思うのです。

何より、こうした人間が抱えた“不幸”や“軋轢”や“業”は、やはり“おもしろい”と思ってしまうもの。『ザ・ギフト』はメインの登場人物はわずか3人、派手なCGもない低予算の映画ではありますが、イヤすぎる展開や人間関係がこれでもか、これでもかと描かれるため、スクリーンに目が釘付けになってしまうのです。

ドキドキするエンターテインメントとしての魅力を期待しても、まったく裏切られないでしょう。こんな超イヤな話で“おもしろい”と思ってしまうなんて……まったく、人間って悪趣味です。

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5.観終わった後、語りたくなる魅力がある!

『ザ・ギフト』は“観る前のネタバレは厳禁!”な作品です。なるべく予備知識なく、「何が起こるんだ!?」とワクワクしながら観てみるのがいいでしょう。

しかし、ぜひ観終わった後は、一緒に観た人や、すでに観た人と「最後のアレはどういう意味?」「あそこはこうだったよな!」「ここでは◯◯と言っているぞ!」などと、ネタバレ全開で語ってみてほしいです。きっと、どれだけ脚本が緻密に計算されているか……そのすごさに気づけるでしょうから。

これから観るのであれば、すべてのセリフに注意しながら観ることをおすすめします。“あのラスト”につながる伏線が、いくつも、いくつも仕込まれているますよ!

(文:ヒナタカ)

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