プロフェッショナルのアツい想いとは?『99分、世界美味めぐり』&『A FILM ABOUT COFFEE』

今の日本をはじめ先進国の多くでは日々を生きるための「食」とは別に楽しむための「食」が存在しています。

選択肢が増えたために、レストランやカフェなど「食」を提供する側は生き残りをかけた激戦に日々奮闘しているようです。
向き合うべきは一般客だけでなく、ときにプロの批評家であり、同業者でもあります。

そんなめまぐるしく変化する「食」の実情を垣間見るにふさわしい映画を2作、京都で行われたイベントレポートと合わせて紹介したいと思います!

『99分、世界美味めぐり』

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世界中にある星付きレストランや、知る人ぞ知る魅力的なお店のシェフ渾身の料理がスクリーンいっぱいに見られる食好きには贅沢すぎる映画です。なかなか足を運ぶことができない世界の僻地にあるレストランから、”一見さんお断り”な店まで、一品ずつ料理の魅力を言葉を尽くして語ってくれているのが、「フーディーズ」と呼ばれる美食家たち。

劇中に登場する5人は、最高峰の美食家とも言われる傍ら、音楽業界や石油会社の重役の経歴を持っていたりと五人五様のの経歴を持っています。高級料理を食べる美食家たちはみなお金持ちかと思いきや、実家暮らしをしながら定時の仕事で得た給料のほとんどを食に費やする、という家庭環境はごく一般的な香港のフーディーズが登場するのも見どころのひとつです。

美食を求めてひとりでニューヨークへ渡り、1日数件のレストランを訪れる綿密な予定表はまさに美食に対する情熱でしかありません!フーディーズとしての経歴が浅く、ウェイターに対して必要以上に緊張してしまったり、ワインのテイストを忘れてしまう様子には共感できる人も多いのではないでしょうか。

そんなフーディーズ5人と、彼らが訪れたレストランの一流シェフは信頼のおける人間関係を築きながらも、ときに批判し、批判される関係性でもあります。フーディーズの酷評に、思わず包丁をまな板に突き刺すシェフがいたり、知識もないのに批評をするな、と挑発的な考えを持っているシェフがいたり。多くの人が、美しい料理をスクリーンいっぱいに楽しめる満腹感と、シェフ渾身の一皿に対する棘のある批評の消化不良な違和の両方を感じることができる作品になっているのではないでしょうか。

そんな感想を持った私は、「ごく普通の食生活だな」と再認識してしまったわけですが、作品で取り上げられているレストランは高級料理店ばかり。一生かかっても、金銭的に(?)、精神的に(?)、手が届かないようなお店も多数ありました。

そんなお店に足繁く通うフーディーズを遠い存在と感じながらも、食には一人ひとりの好みやそれぞれにとっての美食があり、その違いは問題ではないということに気付かされます。日々口にしている食事や、その美味しさ、美しさを改めて考える機会になるはずです。

『A FILM ABOUT COFFEE』

続いてはコーヒーのプロフェッショナルを描いた作品『A FILM ABOUT COFFEE』。「究極のコーヒーは何か」を自問しながらコーヒーカルチャーに関わるプロフェッショナルの仕事や哲学を追うドキュメンタリー映画です。

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京都の立誠シネマでは、作品上映に合わせてコーヒーの飲み比べイベントが行われていたので、行ってみました!

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作品では、飲み物としてコーヒーが消費者に届くまでに関わる人々を紹介しています。コーヒーを栽培するところから始まり、果実をなんども洗い、果実からコーヒー豆を取り出すまでの産地での作業は、ほとんど手作業で行われていることに驚きます。

果実を洗うために、大きな樽に入って、足で踏み洗いをしながら、不良な果実を選別する手慣れた作業に感服です。多くの人の手が加わってコーヒーが出荷されていることがわかり、コーヒーのありがたみにも気付かされます。そこから、豆の焙煎や独自の淹れ方はまさにプロフェッショナルの仕事。毎年行われるラテの大会で語られる、プロたちの哲学は理解しがたいほどコーヒーに情熱を注いでいることがわかります。

コンビニやファーストフード店でも気軽に安価で飲むことができるコーヒーですが、どんな経緯を辿っているか知り、またそこにかける情熱を知ると、おいしいコーヒーが飲みたくてたまらなくなります。

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東京や大阪から、普段は店頭販売していないコーヒーも楽しむことができました!5種類のコーヒーを飲み比べできるコーヒー券で、それぞれのお店の味わいや豆の種類を堪能しました。

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イベントには溢れるほどの人が訪れており(当日の映画上映は立ち見の方も・・・)、イベントの様子が撮影できなかったのが残念ですが、店員さんから直接コーヒーのこだわりを聞いたり、おすすめの飲み方を聞いたりして、新しい知識もたくさん教えていただきました。

5種類を飲み比べて、同じ豆の種類でも、焙煎の度合い(深煎り、浅煎りなど)や淹れ方で全く違う味わいになることがオドロキです。当日は、5杯ともブラックで飲み干しましたが、ミルクと合わせてオレにしたり、ドリップの濃さを変えてみることで同じ豆でも違う味わいがあると知り、コーヒーの楽しみ方が広がりました。

取材後記

おいしい食べ物や飲み物は私たちに感動や幸せを与えてくれます。しかし、どのようにして作られたものか、完成するまでにどれほどの人が関わったかということまで考える機会は少ないように思います。そこに至るまでの時間や人に少しだけ想いを馳せてみると、それもまた違った味わいがあるものです。

食にこだわりがある人にも、そうでない人にも見て欲しい2作品、どうぞ、召し上がれ〜!

(取材・文:kamito努)

    ライタープロフィール

    kamito努

    kamito努

    1995年生まれ、現役大学生。京都在住で、フリーランスライターです。 もともと邦画が好きで、話題作はもちろん、ミニシアターへも足を運んでいますが、 最近は洋画も多数鑑賞します。ともに音楽系の映画が好きです! かなりミーハーなので王道は欠かさずチェックしています!

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