今週末はジブリ新作!『レッドタートル ある島の物語』はこんな作品!

レッドタートル ある島の物語02

右も左もアニメといえば『君の名は』ですが、スタジオジブリの最新作『レッドタートル ある島の物語』を忘れてはいけません。同作はカンヌ国際映画祭で「ある視点部門」で特別賞を受賞した作品でもあります。

気になるストーリーは?

荒れ狂う嵐の海に投げ出された男が、奇跡的に無人島にたどり着くところから物語は始まります。食べ物はなんとかあり、生きて行くこと自体はできます。しかし男は竹や木を利用してイカダを作り、島から脱出しようとしますが、突如真下から突き上げられイカダは壊されてしまいます。イカダを作り脱出しようとします。今度は海で観察しながら漕いでいると1匹の赤い甲羅の亀がイカダに体当たりするのがわかりました。亀に抵抗するものの、再び破壊されてしまいます。何度も島へ引き戻された男のところへ一人の女性が現れ……。

レッドタートル ある島の物語03

幻想的な雰囲気の絵と音楽に注目

この映画、ほとんどセリフがありません。絵で語るものすごくアニメらしいアニメ作品でした。ある意味、古典のサイレント映画を見ているような感覚です。 それで物語が成立しているのがこの映画のすごいところ。主人公が何をしようとしているか、しっかり絵で見せてくれているから、あえて喋らせる必要もないのです。

こう書くとものすごく集中力が必要な映画?と思われるかもしれませんが、そうではありません。細かい動きではなく、ある程度距離を置いて俯瞰した場面が多く、リラックスして映画全体の動きを追えます。また音楽が素晴らしいです。セリフがないため音楽にも集中することができます。

レッドタートル ある島の物語04

想像する楽しさ、赤い亀が表すものは何か

セリフがないため、起こったことに対していろいろ想像することができます。例えば序盤で主人公は島の崖から海に落ちて、海の底の方の小さな穴から這い出てしまに戻るというシーンがあります。これは出産の暗示、つまり生まれ変わりの暗示かも、という想像ができます。

また女性が現れてから主人公の生活は一変するわけですが、それがいいことか悪いことか……。見た人によって印象もだいぶ変わることでしょう。

島から脱出しようとすると現れる赤い甲羅の亀も、きっと何かの象徴なのでしょう。もしかしたら島の形にも何かしら意味があるかもしれません。こういう想像の幅が広がるのは余計な情報がないからです。見ながらいろいろ考えられるし、見終わった後、どう思ったか、このシーンはどういう意味かなどいろいろ話したくなるのは間違いないですね。

レッドタートル ある島の物語 01

「日本の影響を受けていない」と宮崎駿も絶賛

宮崎監督は同作を見終わったあと、このスタッフを使えばまだできるかもと復帰をほのめかしたとか。それほど素晴らしい現場だったんですね。また日本アニメの影響をまったく受けてない、独自路線の映画だったことが新鮮でよかったと賞賛。カンヌ国際映画祭でもスタンディングオペレーションだったそうです。

また制作にあたり、高畑勲監督の助言をしてもらうことや日本とフランスで10年間やりとりを続けてようやく完成したそうです。なので、映画の中からジブリらしさはひしひしと伝わってきます。ジブリらしさと海外のクリエイターの起こす化学反応がどんな効果を生みだしたか、それは映画をご覧ください。

セリフがほとんどなく、映像で物語を楽しむ。確かに最近あまりないタイプの長編アニメ映画です。見終わったあと、想像し、いろいろ考察して楽しめる、見終わったあとがさらに楽しい映画といえるでしょう。独特の絵と雰囲気、音楽に魅了されましょう。

(文:波江智)

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    ライタープロフィール

    波江智

    1978年生まれ。映画ライター。シネマトゥデイややcinema Ala Carteなどに寄稿。ジョージ・ルーカスとガイ・リッチーを敬愛。ベストムービーは『ロックストック&トゥースモーキングバレルズ」。

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