アメコミ好きも必見!実はアベンジャーズ?な『超高速!参勤交代 リターンズ』!

超高速!参勤交代リターンズ メイン2

(C)2016「超高速!参勤交代 リターンズ」製作委員会

2014年に公開され、興業収入15億円のヒットとなった時代劇コメディ「超高速!参勤交代」。

本作「超高速!参勤交代リターンズ」は、その待望の続編だ。前作に引き続き、本木克英監督がメガホンを取り、主演の佐々木蔵之介、深田恭子ら前作の主要キャストに加え、古田新太、渡辺裕之らが新たに加入!因縁の宿敵である老中・松平信祝の巨大な陰謀を、果たして主人公、湯長谷藩藩主・内藤政醇と家臣たちは阻止できるのか?予告編を観た人たちの間でも評判は上々、公開前から期待度も高かった本作だが、果たしてその出来栄えは!

ストーリー

前作「超高速!参勤交代」で、老中・松平信祝(陣内孝則)の差し金により、幕府から突然の参勤交代を命じられた磐城国の湯長谷藩藩主の内藤政醇(佐々木蔵之介)と家臣ら一行。貧乏藩のため金も時間も人手もない中、知恵と工夫そして周囲の人々の協力により、見事に江戸への参勤を成功させる。

そして藩に戻る交代の帰路につくが、その途中、湯長谷で一揆が起きた!との知らせが伝えられる。実は宿敵である老中・松平信祝が、さらに大きな権力と最強の刺客を使って、湯長谷藩への逆襲に出たのだった。
一揆を収めるためには、参勤の時の倍の早さである2日以内で藩に戻らねばならず、また、交代であるからには大名行列も必要に。政醇ら一行は、不眠不休で行きの倍の速さで走りに走り、どうにか故郷へ帰り着く。宿場役人の目をごまかしながら、なんとか湯長谷にたどり着いたものの、すでに田畑は踏み荒らされ、城も裏柳生に乗っ取られた後だった。おびただしい数の幕府軍が取り巻いている城の中には、人質となった家族と領民達が捕われており、助け出そうにも藩主らはたったの7人。湯長谷藩は、果たしてこの絶体絶命の危機を切り抜けることが出来るのか?

実は今回、この続編を鑑賞後、もう一度前作「超高速!参勤交代」を見返してみたのだが、前作での不満や疑問点が見事に改善されており、新たな登場人物も作品世界に違和感無く溶け込んでいて、改めて「いや、良く出来てる!」と思った。

前作は、結局主人公だけ別行動で先回りしていたり、仲間も途中で別行動になったり、意外と参勤交代に出発するまでの時間が長いなど、公開当時は気付かなかったのだが、こうして続編と見比べてみると、その差は明らかだ。もちろん、前作でキャラクターや状況の紹介が済んでいるため、本作では説明部分を飛ばしてストーリー展開出来るという点はあるのだが、それにしてもこの続編では、観客を楽しませるための様々な工夫が為されている。

こうした点こそが、本作成功の大きな要因と言えるだろう。

鑑賞後の満足感と爽快感は、まさに前作以上!もちろん前作を未見の方でも、「超高速!参勤交代リターンズ」単体として十分に楽しめるのだが、前作を観ていると更に楽しめるシーンも多いので、未見の方は鑑賞後にでも、是非前作をチェックして頂ければと思う。

続編成功の難しさを、見事にクリア!

一般的に続編映画が失敗する理由、それは前作で既に主人公たちが目的を達成してしまっている場合、続編でそれ以上の新たなモチベーションを持たせるのが難しいことと、そのためだけに、前作でちゃんと着いた結末をひっくり返してなかったことにして、また前作と同じようなことを描こうとするからだ。

その点本作は、「行って帰ってくる」という、映画の王道の後半「帰りの道のり」を描くのだが、実はこの部分は映画の前半で終了。映画の中盤〜後半では、更に「帰るべき土地の喪失」からの「土地の奪還」、そして前作で未清算に終わった宿敵との対決という、まさにサービス満点の内容が繰り広げられる!

更には、前作からお馴染みの登場人物たちの、その後の成長と大活躍も描かれるという、正に観客への大、大、大サービスっぷり!ここまで工夫を凝らして観客のために作られた映画だからこそ、続編にも関わらずこうして前作を越えることに成功したのだろう。

コメディと思わせて、実はアクションが凄い!

確かにドラマ部分の面白さと、出演者たちの軽妙な演技が魅力の本作なのだが、今回更に注目なのが、その合間に絶妙のタイミングで挿入される、本格的なアクションだ!前作でもアクションシーンのキレと迫力には驚かされたのだが、続編の「超高速!参勤交代リターンズ」では、更にアクションがスケールアップ!
それまでの軽妙で親しみのあるキャラクターたちが、いざという時には凄腕の武士として役に立つというギャップ。この緩急の絶妙なバランスこそが、このシリーズのもう一つの魅力と言えるだろう。

前作では江戸到達までの障害を越えるためのアクションが描かれたが、今回は帰還までの道のりに加えて、帰ってからの領地奪還、更に人質救出のための城攻め、ラストの宿敵老中・松平信祝との最終決戦まで、これでもかという観客への大サービスっぷり!是非劇場で全てを味わって頂ければと思う。

超高速!参勤交代 リターンズ

(C)2016「超高速!参勤交代 リターンズ」製作委員会

若い観客層も大満足!もう一つの「不気味の谷を越えた」映画!

最近のCGアニメを表す言葉として、「不気味の谷を越えた」というのがある。過去のCG映画で目立った、登場人物の「のっぺりとした硬い表情とギクシャクした動き」が、非常に違和感があって不気味な印象だったものが、最近は飛躍的に改善され、ついに生身の人間とCGキャラの間にあった最大の違和感である「不気味の谷」が、解消されたということを指す言葉だ。事実、今年公開された「ファイナルファンタジー」などは、まるで実写か生身の人間にしか見えないほどのクオリティであり、劇場でも大きな話題を呼び、観た人の口コミによるヒットに繋がっている。

この「超高速!参勤交代リターンズ」においては、時代劇が持つもう一つの「不気味の谷」が見事に解消されており、この点も多くの幅広い観客層の支持を得ている点に繋がっているのではないだろうか。

若い観客層にとっては、どうしても「チョンマゲ」と「着物や時代がかった話し方」という部分で、時代劇にたいする違和感や、重苦しい・古臭いという先入観が拭えなかったものを、本作では見事に幅広い層が楽しめる映画として成立させているのは流石だ。ほっかむりや顔を汚す、などして前半〜中盤は出来るだけチョンマゲ要素を押さえ、ラストの決戦で観客が十分に登場人物たちに感情移入した時点で、本格的に時代劇のビジュアルを前面に出してくる。

更には、前述した時代劇特有のセリフ回しも、湯長谷藩の地方なまりによってかなり違和感が中和され、逆にコミカルな味を出すことに大きく貢献している。
この辺は細かい計算だが、実に観客のことを考えて作られている証拠だと言える。

アメコミファンにもオススメ、実はアベンジャーズだった!?

実は今回劇場で鑑賞中、「あれ、これってまるでアベンジャーズじゃないか、妙にアメコミ映画っぽいな?」との感じが、ずっと頭の中にあった。

その原因は、ズバリ、家臣の一人で弓矢の名手である、鈴木吉之丞(演じるのは、Hey!Say!Jump!の知念侑李)の活躍!前作でも障害物に隠れた敵を、急カーブを描いて曲がる特殊な矢で倒す!という名シーンがあったが、今回は彼の活躍が更にパワーアップ!まるでアベンジャーズのホークアイ並みの活躍を見せる上に、なんと「ランボー怒りの脱出」オマージュまで飛び出すサービスっぷり!主人公の内藤政醇を中心に、押し寄せる大群を次々に倒す家臣たちの姿は、正に「時代劇版アベンジャーズ」と呼ぶに相応しい。個人的には、内藤政醇=アイアンマン、参謀役の相馬兼嗣=ジャービスと思って見てたのだが、この辺は見た人によって好みが分かれるところだろう。(あ、ちゃんとラストは打ち上げシーンで終わります。)

更には、ラストで登場する宿敵老中・松平信祝(陣内孝則)の姿に注目!衣装といい、そのセリフ内容といい、まるで「Xメン」のマグニートーにしか見えないので、アメコミファンの方は、是非劇場でご確認を!(これは、あくまでも個人の見解です、念のため)

最後に

前作では、敵役の老中・松平信祝との決着が、完全には着かずに終わったので、今回こそは完全決着するのだろう、と期待して観にいったファンの間では、本作ラストでの決着の着け方に、拍子抜けされた方もおられるようだ。しかし、ラストで主人公・内藤政醇が宿敵の松平信祝に向かって放つセリフに、ぜひ注目して頂きたい。実はこのセリフこそが本作の大事なテーマであり、「うん、確かにこの主人公なら、戦いよりもこう行動するよな」、と納得出来る上に、主人公、内藤政醇が前作よりも数倍魅力的な男として見えるので、個人的にこの展開は大成功だったと思う。

前作でも印象的に使われ、本作にも出て来る、「人間は生まれではない」の様に、「超高速!参勤交代」シリーズには人生の指標となる名言が、数々散りばめられているので、是非劇場に足を運んで、自分だけのお気に入りのセリフを見つけてはいかがだろうか?

(文:滝口アキラ)

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    滝口アキラ

    滝口アキラ

    滝口アキラ 映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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