SEXする度に地獄へ一歩ずつ近づいていく映画

タイトルが大げさに見えつつ本当にその通りの映画、それが「SHAME -シェイム-」です。

SHAME-シェイム- 劇場公開版 ※R18版  (字幕版)

ストーリー

ニューヨークに暮らすビジネスマンのブランドン(マイケル・ファスベンダー)は、プライベートのすべてをセックスに費やしているほどのセックス中毒状態。そんなある日、ブランドンのアパートに妹のシシー(キャリー・マリガン)が転がりこんでくる。恋愛依存症でリストカット癖のあるシシーとの生活で、二人は激しくぶつかるようになり……。

性依存症に真面目にスポットを当てている

包み隠さずに言えば本作はSEXシーン満載です。主演のマイケル・ファスベンダーの自慰シーンもあり、R18対応版はぼかしも無くなかなかヘヴィーな作品です。ビジュアル的にとても刺激がありつつも、性依存症に真面目にスポットを当てている作品であり、俗に言う「エロさ」は感じない硬派な作品でもあります。

そもそも性依存症(SEX依存症)の兄、恋愛依存症でリスカ症でもある妹。この二人が一緒に暮らし始める物語なわけですから、重苦しい空気感は見ていない方にも容易に想像が付くことでしょう。

本作の主人公ブランドンはイケメンで、仕事が出来て、高級マンションに住んでいる。女性を誘うのに苦労しない人間なのです。言うならばSEXする相手には困らないのです。

そうなると「性依存症(SEX依存症)でもまあ満たされるし、性犯罪しないし、悪いことではないんじゃない?」とも思われるかもしれません。しかし、性依存症は”依存症”であり病気なわけです。毎日女性とSEXが出来ても、それでも足りずに自慰行為に走る様、見ていて相当苦しいのだろうなと感じます。何かに取り憑かれているような印象ですね。ホラーとすら感じるほど。

前述の妹との共同生活も相まって徐々に徐々に、音は聞こえなくても聞こえるかのように、地獄へと進んでいく映画となっているわけです。

それくらい容赦なく描くことで、身体と心の崩壊、この病気の恐ろしさを伝えてくれる作品なのです。タイトルの意味は是非映画を見て痛感して頂ければと思います。

ただしここまで書き進めている通り、性依存症(SEX依存症)の映画ではあるので、どなたと見られるかは慎重にご判断頂ければと思います。

「ビューティフル・マインド」も病気を知ることができる

別の病気ですが、病気を理解するのに最適な映画としてオススメなのが「ビューティフル・マインド」。

ビューティフル・マインド (字幕版)

ストーリー

1947年9月、プリンストン大学院の数学科に入学を果たしたジョン・ナッシュ。彼の頭にあるのは「この世のすべてを支配する真理を見つけ出したい」という欲求のみ。ひとり研究に没頭するナッシュは次第にクラスメートからも好奇の目で見られるようになる。しかし、ナッシュはついに画期的な“ゲーム理論”を発見する。やがて希望するMITのウィーラー研究所に採用され、愛する人と結婚もしたナッシュ。しかし、米ソ冷戦下、彼の類い希な頭脳が暗号解読という極秘任務に利用され、彼の精神は次第に大きなプレッシャーに追いつめられていく……。

2001年度のアカデミー賞作品賞受賞作でもあり、酷評をほとんど聞かない万人向け傑作とも言えます。

この映画で描かれる病気は「SHAME-シェイム-」の病気とは全く異なります。しかしこの映画を見ると、ふと街中でそれらしき病気の人を見た際に見方が変わります。
※この映画は何の病気か知らないで見た方が映画としての衝撃度が上がるので未見の方は是非前情報無しでご覧ください。 

「ビューティフル・マインド」で描かれる病気もなかなか重いものですが、こちらは厳密には「これ以上ないラブストーリー」「これ以上ない伝記映画」と言える作品でして感動作でもあります。

ラッセル・クロウとジェニファー・コネリーの夫婦演技が素晴らしく、国防総省の謎の男を演じるエド・ハリスの怪演も光ります。スパイ映画さながらのかなり驚きの展開となっていく映画ですが、最後は本当に素敵な結末を迎えます。こちらはどなたでも、どなたとでも安心して見れる作品と言えます。

まずは「SHAME-シェイム-」をご覧頂いて、それから是非「ビューティフル・マインド」もご覧頂ければと思います。

(文:柳下修平

    ライタープロフィール

    柳下修平

    柳下修平

    シネマズby松竹編集長、1986年生まれ、今年で30歳。個人ブログ「Cinema A La Carte」も運営。映画イベント「映画の食事会」主催や幻冬舎「Ginger」及び「Spark Ginger」で映画コラム連載も。ブロガーメルマガEdge Rank執筆メンバー。映画以外ではカメラと旅行が趣味。

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