『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミワールド大突撃』はここ数年のシリーズの大ケッ作!

映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミ―ワールド大突撃

(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2016

早いもので、『映画クレヨンしんちゃん』シリーズは今回の『爆睡!ユメミワールド大突撃』で24作目となります。

特にここ数年はSF『ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』(14)や意外にもモンスターホラーだった『オラの引越し物語~サボテン大襲撃~』(15)と快作が続いており、毎年4月が楽しみでならない次第だったのですが……

キネマニア共和国~レインボー通りの映画街~vol.121

『爆睡!ユメミワールド大突撃』は、その中でも特に傑作の部類に入る面白さなのでした!

今回の舞台は、楽しい夢を
悪夢に変えてしまうユメミーランド

今回のお話は、夢がテーマ。毎夜、楽しい夢が見られる“ユメミワールド”に入り込んでいくしんちゃんたちですが、あるとき突然、楽しい夢を悪夢へと強制的に変えられてしまう人々が急増していきます。

と同じころ、春日部の町に謎の少女サキがやってきました。

最初は誰とも仲良くなろうとしないサキでしたが、例によってしんちゃんらカスカベ防衛隊の面々に翻弄されていくちに、少しずつ心を開き始めていきます。

しかし、彼女こそユメミワールドの秘密のカギを握る存在なのでした!

夢をモチーフとするファンタジック・アニメーション映画としては、押井守監督の大傑作『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を思い起こす方も多いことでしょうが、今回のしんちゃんも負けていません。

カラフル&ポップな夢の世界の中に潜むどこか不気味な世界観の構築に怠りはなく、特に人の夢を喰らうバクの造型もお見事です。

カスカベ防衛隊とみさえさんが
今回は大活躍!

またここ最近は野原家の人々の活躍をメインとすることが多かったのですが、今回は『バカうまっ!B級グルメサバイバル』(13)以来久々にカスカベ防衛隊のガキ、いやお子さまたちも大活躍で、野原家とのバランスも巧みに取れています。

さらに最近は『ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』のようにとーちゃんが目立つことが多かった野原家ですが、今回はかーちゃん=みさえさんがとーちゃんを尻に敷きながら抱腹絶倒の大奮闘で、しかもクライマックスは母ならではの感動を見る者にもたらしてくれています。

声のゲスト出演も、今や不良中年的個性で大人気の安田顕が夢を研究しているサキの父親に扮し、なかなかのそな時間を披露。母親にはびゅ~ていふるな吉瀬美智子が扮しています。あ、とにかく明るい安村も、実に気持ちの悪いテイスト(?)で登場してきますのでお楽しみに⁉

今回は脚本をお笑い芸人のみならずマルチな活動で人気の劇団ひとりが『ガチンコ! 逆襲のロボとーちゃん』の高橋渉監督と共同で記していますが、しんちゃんワールドの機微を上手くつかんだ内容に仕上がっており、その才能には改めて唸らされた次第。

いつも以上にオバカながらも、どこか感動的なファンタジックなアドベンチャー活劇な『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミワールド大突撃』、ファンタジー好きな映画ファンは特に必見! と強くお勧めしておきます。

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(文:増當竜也

    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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