映画と異例のコラボ―業界の異端児・コンドルタクシーが挑戦を続ける理由

超高速!参勤交代リターンズ メイン1
(C)2016「超高速!参勤交代 リターンズ」製作委員会

前作超えての大ヒット!映画『超高速!参勤交代 リターンズ』が現在、絶賛公開中だ。シネマズでは、映画の内容に併せて、舞台となった湯長谷藩がある、福島県いわき市に東京からタクシーで行くと「どれだけの費用と時間がかかるのか?」というタイアップ記事を公開した。

この記事でコラボしたコンドルタクシーは、過去にも様々な企業とコラボしたラッピングカーの運行をはじめ、積極的に広告戦略を行なっている。

しかし、ラッピングカーは、タクシー業界にとって“異例な取り組み”だという。そこで、コンドルタクシーは、なぜこうした広告戦略を積極的に行なっているのか、直接話を聞いた。記事の最後には、コンドルタクシーからのプレゼントのお知らせもあるので、最後までお見逃しなく。※プレゼント応募は終了しました

コンドルタクシーが異例な広告戦略に取り組む理由とは?

コンドルタクシー 超高速!参勤交代 リターンズ ラッピング広告

今回話を伺ったのは、東京都杉並区高円寺に本社を構えるタクシー会社・コンドルタクシーの岩田将克さん。岩田さんは同社で常務取締役として、乗務員の業務向上や、今回のタイアップ記事のような広告戦略などを行なっている人物だ。

――タクシー会社にとって、ラッピング広告はとてもめずらしい取り組みだとのことですが。

そもそも論で、タクシー会社は、基本的に広告全般をあまり積極的にやりたがらないんです。1つは、電車や飛行機と違い、一般の道路を走ります。バスは専用レーンもありますが、タクシーは常に他の車と同じ道を走りますし、狭い住宅街にも入るわけで、事故の危険性が高い。もし事故を起こせば、乗務員1人の問題ではなく、会社全体のイメージダウンに繋がる。派手に広告を打っていた時、事故を起こせば、広告自体にも批判が集まりやすくなる。だから、あまり目立つことはしたくないんです。

――他にはどういった理由が?

もうひとつは、広告を出してた会社の競合先の人に、乗ってもらえなくなるのではないかという不安です。今回は松竹とコラボしましたが、他の映画会社の社員の方が、コンドルタクシーを選んでもらえないかもしれない。そうなると、乗務員にとっては死活問題になりかねません。ですから、タクシー会社の経営者も、労働者も広告にはあまり積極的じゃないんですね。

コンドルタクシー 岩田将克常務 インタビュー4

――つまり広告を打つこと自体にメリットがないということですか?

実はそんなこともないんです。映画『超高速!参勤交代 リターンズ』のラッピングカーをしていますが、ラッピング広告はこれで9件目です。これまでやってきて分かったことは、乗務員の“意識向上”に繋がったということです。

――ラッピングカーが乗務員の意識向上に繋がる?

車全体が広告と考えると、クライアントの看板を、乗務員が背負うことになるわけです。車内は常に清潔に保たないといけないし、乗務員自体もいつもより見た目を意識します。お客さまを乗せていない時も、通行人の方に注目されて、背筋が伸びるわけです。

――それは気が抜けないですね。では逆に乗務員は嫌がるのではないですか?

最初はそうだと思っていたんです。ところが、それでも自ら乗りたいと言ってくれる乗務員も増えてきました。志願する乗務員は、安全への意識も高く事故がほとんどないんです。誰かに言われるわけでもなく、自分たちで清潔・安全をより意識して、その結果、全体的に意識の向上になりました。これは良い誤算でした。

コンドルタクシー 超高速!参勤交代 リターンズ ラッピング広告1
映画『超高速!参勤交代 リターンズ』のラッピング広告カー

――目立つことが良い結果になった。しかし、どうして業界では積極的ではない広告に、敢えて取り組みはじめたのですか?

タクシーは、サービス業の中では特殊な存在で、「うしろ向きのサービス業」なんです。お金を払ってもらっているお客さんに対して、常に背中を向けている。

――正面を向いて話すことは、あまりありませんね。

私も2年間の乗務員経験があるのですが、不特定多数の接客はとても難しい。例えば、野球の話をしたとします。阪神ファンの人に読売の話をすると怒られることもある。全く喋らずに静かにしていると「機嫌が悪そうで怖かった」というクレームをもらうこともあるんです。

――移動手段としての面だけでなく、サービス面も求められる難しさですね。

しかし、タクシーはまだまだサービス業としての可能性があると思います。例えば、ライザップとコラボしたラッピングカーでは、乗務員がライザップのトレーナーが来ているポロシャツを着て運転しています。

――それは、お客さんは乗った瞬間に驚きますね!

それだけで、いつもとは違う“不思議な空間”が車内に広がるんです。お客さんにとっては「ライザップのタクシーに乗ったよ」と友だちとの話題にもなるし、車内でも「ライザップで鍛えてるんですか?」と聞かれて、わずかな移動時間にも、ちょっとした会話が生まれるんです。

エンタメの世界に触れて感じた変化の重要性

――ライザップのラッピングカーは、車体が黒でしたよね?コンドルタクシーの車体は本来シルバーにレインボーのアクセント。これもかなり特殊なことだったのでは?

ライザップ側は、黒いタクシーでラッピング広告をやりたいと考えたんです。しかし、東京の黒いタクシーは「ハイヤー」を意識している。他の会社はどこもラッピング広告に、YESを出さなかったようなんですが、弊社はすぐにウェルカムだったんです。

――しかし、車体を黒に塗装することに、抵抗はなかったのですか?

コンドルタクシー 岩田将克常務 インタビュー5

これまで様々なエンターテイメントの世界の人に触れる機会がありました。特に最近は、映画やドラマなどで、タクシーのシーンで乗務員役として、出演させてもらうことも増えてきまして。

――え!岩田さんが出演しているんですか?

本来はカースタントの方がされる仕事なんです。映像内での車の運転は、通常は普通二種運転免許を持っている人がおこないます。しかしタクシーに乗るだけなら、通常は激しいアクションもありません。そこで、タクシー会社の乗務員は普通二種免許も持っているからと、時々依頼があるんです。先日もドラマ「ゆとりですがなにか」に私自身が出演しました。

――俳優のお仕事もされているわけですね……!

いやいや、俳優といってしまうのは、プロの方に失礼ですよ(笑)

そういった現場で、俳優さんをはじめとする芸能の方たちが、エンターテイナーとして、「お客さんを楽しませるために、どんなことにもチャレンジする」姿勢に触れ、我々ももっと挑戦をしていかないといけないと思ったんです。俳優さんは、清純派のイメージがついたかと思ったら悪女をやったり、二枚目の人が三枚目に挑戦したり。自分の色は自分で決めるんじゃなく、求められるところに併せて変えていく。タクシーだってそうあるべきだと思ったんです。

――今回、シネマズでもタイアップ記事を出していただけましたよね。これはどうしてですか?

タクシーの車内に、独自に開発した動画再生できるモニター画面を設置することに決めたんですが、ただ広告を流していても面白く無いなと思ったんです。

――エンターテイメント性が足りない?

そうですね。松竹とは『引き出しの中のラブレター』という作品でコラボしたのが最初です。フットボールアワーの岩尾さんがタクシー乗務員役だったんですが、コンドルタクシーが協力させていただいたんです。その時からのお付き合いがあったので、「映像を使った広告で何か出来ないか?」となった時に、シネマズの存在を知りまして。「映画と絡めて、面白い企画をやるのはどうか?」と打診をもらったときに、面白いならお任せしますとなったわけです。

――実は、僕がディレクターとして参加させてもらっているのですが、本当に「ああしてくれ、こうしてくれ」というのが無かったですよね。

先ほどのお話に繋がるのですが、エンターテイメントのプロの方なら、どうやって楽しませるかを真剣に考えていると思うんです。タクシーで言うならお客さんが「こうハンドルを切れ」「ブレーキのタイミングはこうだ」とか、言ってしまう感じですよね。プロの人に頼むなら、プロに任せるべきだと思うんです。

――公開してから少し時間が経ちましたが、反響はいかがですか?

映像で出演している、弊社の乗務員・黒須が人気者になっています(笑)

コンドルタクシー 超高速!参勤交代リターンズ8
右がコンドルタクシー・黒須さん(タイアップ記事より)

若い女性のお客さんから「一緒に写真お願いします!」とか、常連のお客さんからは「運転手は黒須さん指名で」とか言われたり、他の乗務員も車内で「黒須さんってどんな人?」といった感じで盛り上がったりしているようです。

――それは作った側としても嬉しい話ですね。

これからの広告は一方通行で宣伝するだけじゃなく、こうして“人と人をつなぐエンターテイメント”の側面がより重要になってくると思います。そして、タクシー自体もただ移動する車というだけじゃなく、そこでの居心地の良さや、乗ることで楽しいと思える空間にしていくこと。まだまだ我々は追求できることは無限大にあると思います。これからも前向きに挑戦し続けていきたいです。

コンドルタクシー 岩田将克常務 インタビュー1

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