2016年全米年間興行収入ランキングは『ファインディング・ドリー』が首位!

2016年 全米年間興行収入ランキング

1位:『ファインディング・ドリー』
2位:『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
3位:『ペット』(※)
4位:『ジャングル・ブック』
5位:『デッドプール』
6位:『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(※)
7位:『ズートピア』
8位:『バットマンvsスーパーマン/ジャスティスの誕生』
9位:『スーサイド・スクワッド』
10位:『ドクター・ストレンジ』(※)
(Box Office Mojo参照 ※印は現在公開中)

 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で華々しいスタートを迎えた2016年。公開された作品は720作品を超え、近年では最も多い。それでも、ヒットのひとつの基準になる1億ドルを超える興収を記録した作品の数は、この10年で最も少ない25本。そう考えると少し寂しい気もするが、3億ドルを超える作品は昨年の6本を上回る9本と、メガヒット作の活躍が目立つ形となった。

 その最大の要因は、やはり3DやIMAXなどで映画料金が上がっていることにある。チケット価格の平均が、8.6ドル。10年前は7ドルに満たなかったのが、年々上昇を遂げており、今後も上がり続ける可能性は充分にある。

 今回ベストテンに入った作品は、『デッドプール』以外が3Dコンテンツ、『ペット』以外はIMAX上映が行われるなど、それが極めて顕著となった。このいずれも行わず、通常上映のみで最上位に入ったのは、19位の『Central Intelligence』。〝ザ・ロック〟ことドウェイン・ジョンソン主演のアクションコメディである同作は、サマーシーズンに公開し、1億2000万ドル。年間1位に輝いた『ファインディング・ドリー』と同じ週のため、あまり目立つことはなかったものの、ハリウッドで最も稼ぐ男〝ザ・ロック〟の名に恥じない成績といえよう。

ファインディング・ドリー

(C)2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 さて、年間興収で堂々1位に輝いたのは『ファインディング・ドリー』。正直な話、誰もがこれほどまでにヒットするとは予測ができなかったに違いない。前作『ファインディング・ニモ』は3億ドル超の大ヒットを遂げたものの、看板シリーズ『トイ・ストーリー』以外の続編であまり大成功を収められずに、近年低下しつつあったピクサーブランドが、この一本で瞬く間に再燃した。

 最終的にはピクサー歴代1位、アニメ映画でも歴代1位。全米歴代7位というとんでもない成績を収めたのである。アカデミー賞長編アニメーション賞の受賞も噂された時期があったが、同じディズニー系列から『ズートピア』と『モアナと伝説の海』がそれぞれ高興収高評価を集め、同作のノミネートすら疑問視する声が絶えない。果たしてどういう結末を迎えるのか。その答えが出るのは間もなくだ。

 そして、来年公開となる『カーズ』の3作目と、オリジナル作品『Coco』はこの勢いを維持したまま、無事に成功を収めることができるのか注目だ。

 ベストテン作品の中にアメコミ作品は5本。今年からDCエクステンデッド・ユニバースを本格始動させたDCコミック系作品が2作共3億ドルを超えてランクインするという幸先の良さを見せた。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

(C)2016 Marvel.

 一方マーベルコミックは、昨年の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』に迫る勢いを見せた『シビル・ウォー』が同系列5作目の4億ドル突破。2017年にはX-MENシリーズのスピンオフにあたる『ウルヴァリン』最新作、『ローガン』を皮切りに、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と『スパイダーマン:ホームカミング』、『Thor : Ragnarok』と、MCU作品が相次いで公開。またしても旋風を巻き起こすことは間違いない。

 対照的に、失敗作として語られた作品にも触れておかねばならない。まずは1億6000万ドルというハイバジェットで制作されながら、全米で5000万ドルにも届かなかった『ウォークラフト』。『月に囚われた男』と『ミッション:8ミニッツ』でSF映画界に新風を巻き起こしたはずのダンカン・ジョーンズが、ファンタジーアクション映画で大失敗を遂げてしまったのだ。しかし、全米では本作の収益のわずか10%。なんと中国では歴史的大ヒットとなり、世界興収トータルで4億ドルを超える。これは失敗作と呼んでは失礼かもしれない。

 また、制作費も下がりつつあったラングドン教授シリーズの『インフェルノ』は、最終的には3400万ドルで落ち着く。こちらも世界興収では2億ドルを超えて回収はしたものの、2億ドル超の『ダ・ヴィンチ・コード』、1億ドル超の『天使と悪魔』の流れでこの成績では、期待はずれとしか言いようがない。

 他にも『キング・オブ・エジプト』、『ベン・ハー』など、フランチャイズを持たない大作アクションは相次いで失敗に終わった2016年。もう今後の大作アクション映画は、アメコミ原作や続編などのフランチャイズ作品が中心となっていくことが半ば明確になった一年となっただろう。

(文:久保田和馬)

    ライタープロフィール

    久保田和馬

    久保田和馬

    久保田 和馬 1989年生まれ。映画評論家/映画ライター/映像作家。フランス映画とアジア圏の映画をこよなく愛する。大学時代からの自主制作の延長で映像制作を行い、2013年から文筆業を開始。「図書新聞」へ映画評の寄稿、「リアルサウンド映画部」への寄稿など。

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