インタビュー

2015年08月15日

山田洋次監督、吉永小百合が語る平和への思い…『母と暮せば』クランクアップ会見レポート

山田洋次監督、吉永小百合が語る平和への思い…『母と暮せば』クランクアップ会見レポート



井上ひさしさんの思いを形に


『母と暮せば』は、作家・井上ひさしさんが、広島を舞台にした自身の作品『父と暮せば』と対になる長崎を舞台にした『母と暮せば』という作品を作りたいと願っていたことを知った山田洋次監督が、井上さんの思いを形にした映画作品です。

井上ひさしさんの願いを知ったとき、長崎の原爆で亡くなった息子の亡霊と母親の対話が中心になるということが即座に思い浮かび、「それは、とても僕が作りたい映画なんだなと思いました」という山田監督。戦後70年である今年、この映画を作り上げたことに、「運命のようなものを感じた」と話し、「今までいろいろな作品を作ってきたけれど、これが一番大事なものになる気がする」と作品への思いを語りました。

山田洋次監督作品に5度目の出演となる吉永小百合さん。山田監督について、「今回、一番監督の情熱を感じました。1カット1カット心からの演出をなさっていた」と語り、さらに、「私がそれに応えられなくて、落ち込んだことがずいぶんあったんですが、二宮さんが軽やかに演技をしてくださって、助けられました」と、息子役を演じた二宮和也さんの演技を振り返りました。

山田監督作品初出演となる二宮和也さんは、「現場に入って独特の空気を感じました。監督に紙とペンを渡されて、『自分の名前を書いてごらん』と言われるような感覚に陥った。自分が生きてきた32年間の経験が邪魔をして混乱して、『これじゃだめだ』と、書きなぐるように全力で初日の現場に立たせてもらったことが印象的」と、役作りに苦心したことが垣間見える話を披露。

二宮さんが吉永さんに「ドキドキしちゃいました」理由とは?


今回、初共演で親子役を演じた吉永小百合さんと二宮和也さん。質疑応答のコーナーでは、二人の仲のよさがうかがえるエピソードが登場しました。

実は、普段ファーストネームで呼び合っているという二人。吉永さんについて、二宮さんは「僕を“かずなりさん”と呼んでいただいて、ドキドキしちゃいました。親にも身内にも一回も呼ばれたことがなかったので、僕の初めての人になりました」とのこと。

一方、吉永さんは、二宮さんについて、「すっと“小百合さん”と呼んでくださって感激しました。撮影が終わった今も、テレビで危険なことをしているシーンを見ると『大丈夫かしら、うちの息子は…』と思ったりしています」と笑顔で話してくれました。
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この日、会見の最後に登壇者たちがメッセージを記した大きな折鶴と、山田洋次監督と吉永小百合さんが長崎で平和を祈るメッセージを書いたランタンが登場。それぞれに登壇者たちが書き記した言葉は、以下のとおり。

折鶴
山田洋次監督 「反核」
吉永小百合さん 「核のない世界をいのって」
二宮和也さん 「皆で笑って明日を迎える」
黒木華さん 「普通に幸せな毎日を。」
浅野忠信さん 「よろこびをありがとう」

ランタン
山田洋次監督 「せめてこの国が道理の通る国であってほしい、ぼくたちの国は」
吉永小百合さん 「「戦後」がいつまでもいつまでも続いてほしい 核兵器をなくして!」


登壇者のそれぞれの平和への思いが披露されて、会見は幕を閉じました。
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現在、仕上げの作業を行っており、10月末に完成予定だという映画『母と暮せば』は、2015年12月12日(土)より、全国で公開予定。
長崎の原爆という史実を軸に綴る感動のファンタジー。戦後70年の今だからこそ、私たちの心にきっと深く響くものがあるはずです。

映画『母と暮せば』公式サイト
http://hahatokuraseba.jp/

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