小栗監督「フジタの絵画を使わせてもらっている」

また、監督・脚本・製作を担当している小栗康平監督は「ようこそお越しくださいました。世界での初上映ですね。前の作品から10年かかりましたけど、この企画がスタートして約3年です。井上さん、クローディー・オサールさん、2人の優れたプロヂューサーに出会い、オダギリ君、中谷さん、そして、フランスの何人かの俳優さんたちと一緒に仕事をして、私としては合作映画という初めての形となりました。言うまでもないですが、フジタは有名な歴史的人物ですので映画のなかでも彼が残した優れた絵画を使わせてもらっています。ただ、いわゆる伝記映画という作りはしておりません。1920年代のパリ、エコール・ド・パリと呼ばれたとても賑やかなパリの時代と、1940年代の戦時の日本というまったく異なる時代と文化をまたぐように生きたフジタを描いております。画家の映画ですからフジタの絵を貶めることにならないように良い画像にしようとみんなと仕事をしてきました。どうぞ楽しんで観てください。」と、改めて本作が美しい作品に仕上がったことへの自信が伺えました。

オサールP「明るい賑やかな時代があった」

フランスのクローディー・オサールプロデューサーは「小栗監督と一緒に仕事ができてたいへん光栄に思っています。今回、私に託された役割というのはフランス側での撮影のお手伝いということだったんですが、作品の前半でご覧いただけますたいへん明るい賑やかな時代があったんですけれども、こういったシーンを現在のフランスで再現するというのはそういった街角の雰囲気ですとかかなり消えてしまってきていますので、パリの郊外ですとかパリの街中でどこでどのように再現するかをこちらですべてリサーチしてご提案してこのような映画に仕上がりました。今回、特殊効果にもけっこう良い仕事をしていただいて、本当に素晴らしい作品に仕上げることができ、私も大好きです。大好きな女優の中谷美紀さん、素晴らしい俳優のオダギリジョーさん、フランス語が本当に流暢なんですが、みなさんと良い仕事ができて本当に成功した作品だと思いますので、ぜひ皆さまにも楽しんでいただけたら幸いです。」と、フランス・パリでの撮影が苦労したとのことに触れながらも、たいへん良い作品になったとコメントしていました。

井上P「オダギリさんの藤田嗣治は本当に素晴らしい」

続いて、井上プロデューサーは「私が申し上げようと思ったことは中谷さんがぜんぶお話してくださいましたので、私は嬉しく思っておりましたけど、私からは一つだけ。オダギリジョーさんの藤田嗣治は本当に素晴らしいです。見事です。私は本当にオダギリさんを主役のフジタに出て、本当に幸せだったと思っております。これから皆さんには画面でそれを確認していただけると思いますので、どうぞゆっくりとお楽しみくださいませ。」とコメント。オダギリジョーさんがフジタにぴったりだったことを喜んでいましたよ。

監督への花束贈呈で中谷がオダギリにチューを要求！

ここで10月29日にめでたく70歳の誕生日を迎える小栗監督をお祝いしようと、サプライズでオダギリジョーさんと中谷美紀さんから監督へ花束が贈られました。




花束を渡したオダギリジョーさんが「中谷さんから今、チューしてあげてくださいって言われたんですけど、そんなん無理でしょ！」というと、中谷美紀さんは「してあげてください！」とたたみ掛け、「いやいやいや、オッサンがオッサンにって（笑）」と顔を真っ赤にして慌てるオダギリジョーさん。中谷美紀さんが希望したチューはなかったですが、思わぬ花束のプレゼントに小栗監督も照れ笑いしていました。




『FOUJITA』はエコール・ド・パリと呼ばれた華やかなパリと戦時の日本という2つのまったく異なる時代と文化をまたぐように生きた実在の画家フジタ（藤田嗣治）の知らせざる世界を描いた作品。圧倒的な美しさのワンショット、ワンショットは隅々まで計算され尽くされているとのこと。ぜひ、劇場の大きなスクリーンで楽しんでみてはいかがでしょうか。



公式サイト：http://foujita.info/


11/14(土) 角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館 ほか全国ロードショー
「FOUJITA」第28回東京国際映画祭 コンペティション部門正式出品 舞台挨拶
(c)2015「FOUJITA」製作委員会／ユーロワイド・フィルム・プロダクション

（取材・アスカ）