音楽

REGULAR

2016年04月02日

観たぞ、聴いたぞ、惚れたぞワンダーウーマン!最強のヒロインテーマミュージック!

観たぞ、聴いたぞ、惚れたぞワンダーウーマン!最強のヒロインテーマミュージック!

■「映画音楽の世界」

みなさん、こんにちは。

前々回の記事で、劇場公開前の『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』の音楽についてご紹介しました。その時点で私も映画はもちろんサウンドトラックも試聴程度にしか聴いていない状態で記事を執筆したのですが、先日サウンドトラック盤を購入し、映画も鑑賞することが出来ました。

バットマンとスーパーマンという、DCコミックの二大ヒーローが激突する夢の競演。映像派のザック・スナイダー監督が描くスーパーヒーローの対決は血湧き肉踊るような、圧倒的なスケール感満載の大作映画でした。

──けれど。私はここで声を大にして言いたいのです。

「ワンダーウーマンの登場シーン、カッコ良すぎるだろ!」と。

今回の「映画音楽の世界」では、インパクト特大級のワンダーウーマンのテーマ曲をご紹介したいと思います。

うなりを上げるエレキギター!ド迫力のテーマ曲!




いきなりですよ。女性ヒーローの登場場面にいきなりエレキギターの音が高らかに響き渡るわけですよ。正直度肝を抜かれましたね。ワンダーウーマンを演じるガル・ガドットの美しさに見惚れつつ、それ以上にもう、ニューキャラクターの登場シーンとしてカッコイイ!

スーパーパワーを持つヒロインということで、鑑賞前のイメージ的には確かに高揚感のありつつ、それでもオーケストラを熱く奏でるようなエモーショナルな音とともに登場すると思っていたのです。それをまさに真逆に裏切る形でワンダーウーマンが参上する、音楽的にはヒロイズムと言うより一人の戦士としてひたすらにカッコ良く描く形になっていました。

この辺りはおそらく、共同作曲者のジャンキーXLの色が全面に出た結果ということでしょうか。もともとリミックスをメインにエレクトリックなアレンジャーとして活躍していたジャンキーXL、なんなら自分でギターやドラムを鳴らしてしまうような「ロックな作曲家」なので、エレキギターからの導入部には痺れました。

掴みはオッケー、なエレキギターに加わってくるのが前作『マン・オブ・スティール』からの持ち味となっているドラム隊の怒涛のドラムリズム。ハンス・ジマー、ジャンキーXLともにこの「叩き付けるドラムリズム」は得意技の一つでもあるのでまさに本領発揮といったところ。どちらが作曲したのか明確な役割分担は明記されていませんでしたが、ハンス・ジマーはアクション映画音楽におけるドラムの扱いを変えた人物でもあり、この「ダン ダン ダン ダダン」の打譜はジマーの他作品でも使われているリズムなので、ジマー、ジャンキーXLがお互いに影響を受け合った一曲となっているのではないでしょうか。

女戦士、ティナ・グオ


ワンダーウーマンのテーマ曲はエレキギターとドラムリズムがメロディを牽引している印象が強いですが、よく聴いているともう一つ、エレクトリックチェロもメロディを主導していることが解ります。実はこのエレクトリックチェロをソロで演奏しているのが中国人チェロ奏者のティナ・グオで、この登板は「ワンダーウーマンに民族色を与えられる女性奏者」としてジマー本人からの指名によるもの。とは言うものの、グオはハンス・ジマー率いる作曲家グループ“リモート・コントロール・プロダクション”の作品やライブコンサートではお馴染みのプレイヤーで、彼女がチェロ奏者として参加した作品としては『シャーロック・ホームズ』や『タイタンの戦い』のチェロサウンドが好きだったりします。

このティナ・グオさん、なかなかエキセントリックな方と言いましょうか、通常のチェロでは淑やかな演奏ですがひとたびエレクトリックチェロになりますとまるで形から入るように奇抜な衣装やパフォーマンスを見せてくれたりもします。検索すると彼女のPVも見ることが出来るので、ご興味ある方は一度。

どうなる、ワンダーウーマン単独映画


ここで気になってくるのが、現在製作が始まっているワンダーウーマン単独映画の音楽担当が誰になるかということ。BvSでこれほどまでにインパクトのあるテーマ曲を誕生させ、果たして単独映画でも同じように使われることになるのでしょうか。今のところまだ作曲担当は発表されておらず、例えばジャンキーXLが引き続き担当するのならば再び聴くことが出来るかも知れませんが、全く別の作曲家となるとどう扱われるかは正直解りません。

監督は『モンスター』のパティ・ジェンキンス。監督がBvSを観てどう判断を下すのか、それともプロデューサー、スタジオ側が見合う作曲家を指名するのか、果たして。

そしてもう一つ気になるニュースが。

インタビューでハンス・ジマーがヒーロー映画の作曲から引退すると発言。確かに同一の作曲家が今までにバットマン、スーパーマン、スパイダーマンの音楽を作曲したというのも凄い話ではあるのですが、同時に違和感も覚えるのでその発言が出てもおかしくはないでしょう。しかしそうなるとBvSの続編となるジャスティス・リーグにジマーが登板しなくなるということで、音楽体制が変わる可能性も出てきました。これも続報を待つしかありません。

と、言うわけで。改めまして『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』サウンドトラック盤も発売され、輸入盤、国内盤ともにワンダーウーマンのテーマ曲[Is She With You?]が収録されています。中毒性の高いこの音楽、ぜひともご堪能ください。

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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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(文:葦見川和哉)

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