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2021年04月11日

NHK大河ドラマ「青天を衝け」徹底解説!【※ネタバレあり・第8話まで進行中!】

NHK大河ドラマ「青天を衝け」徹底解説!【※ネタバレあり・第8話まで進行中!】


第5話のあらすじ&解説

第5話のあらすじ

惇忠(田辺誠一)に薦められた本で、清がアヘン戦争でいかに英国に敗れたかを知った栄一(吉沢 亮)は、開国した日本の未来を危惧する。

そんな中、栄一の姉・なか(村川絵梨)は、自身の縁談を、“相手の家に憑き物(つきもの)がいる”という迷信的な理由で伯父・宗助(平泉 成)たちから反対され、ふさぎ込んでしまう。

一方、幕府の方針をなおも受け入れられない斉昭(竹中直人)は暴走。老中・阿部正弘(大谷亮平)と斉昭の側近・藤田東湖(渡辺いっけい)は斉昭を必死にいさめる。そんなとき、大地震が江戸を襲う。

第5話の解説

ほぼ同じ内容を動画でも展開しております。図解を用いているので合わせてお楽しみください。



■歴史的背景「東海安政地震」を巡る幕府の対応

第6話では1854年の幕府が描かれました。

この前年、1853年にはペリー来航し、翌年の再来航で開国をより強く要請。日米和親条約が締結され、下田港と箱館港が開港されました。

その後、同年に安政東海地震が発生し、その際の津波でロシア船が津波の被害を受けてしまいました。(史実では一連の流れがありますが、今回は一場面に集約されてました。大河「ドラマ」ですので問題はありません)

津波の被害を受けたロシア人を沿岸の村人たちは救助し介抱。災害を前にしては敵も味方も関係なし。今ではごく当たり前の倫理観ですが、幕府内では異論を唱えるものがおりました。徳川斉昭です。

徳川斉昭は、これらロシア人を皆殺しにせよと息巻きますが、側近の藤田東湖や老中の阿部正弘らに「それは違う」とたしなめられます。徳川斉昭は決してロシア人憎しでこのような発言をしたわけではなく、愛国心ゆえの発言ではありますが、愛国心ゆえ時折暴走してしまいます。それをうまく止めていたのが側近の藤田東湖だったわけです。


■その頃(その後)慶喜は?

その後、藤田東湖は徳川斉昭に対して「掛けがえなきものを天災で失うは耐え難きこと」と説きます。

また、徳川斉昭(父)の元を訪れた徳川慶喜は、藤田東湖を信頼しており異国について学びたいと懇願します。誰にでも「違うものは違う」と説ける藤田東湖を見て、徳川慶喜の小姓である平岡円四郎は、「諍臣(そうしん)ていうのはよ、 おめえのおとっさんみたいなのを言うんだろうな」と藤田東湖の息子に感銘を受けた旨を伝えるのでした。

しかし、第5話の最後に江戸安政地震が発生。藤田東湖は亡くなってしまうのでした。

「掛けがえなきものを天災で失うは耐え難きこと」

そう徳川斉昭に説いた後で、その「掛けがえなき」藤田東湖を徳川斉昭は失ってしまうのでした。


■今回は栄一の論破が最大の見もの

一方、血洗島村では渋沢栄一の姉であるなかの縁談を巡って大騒動に。

何でも、なかの嫁ぎ先に「狐のつきもの」の噂があるというのです。要するに祟り、呪いにかかるので縁談を断った方が良いというのです。これを叔母が騒ぎ立てたため縁談を実際に断ることに。なかは失意のどん底に落ちてしまい、その状況すら「呪われてしまった」と言われる始末。

そして話はエスカレートし、「このままでは渋沢家が呪われてしまう」となり、修験者を呼ばれてしまうのです。

栄一の家でお祓いが始まるのですが、栄一は修験者を信じていません。そもそも家も姉も呪われてなんていないと思っています。

その結果、修験者たちへ「この家が呪われたのは何年前か」と質問。60年前と答えた後で、「その年の元号は」と質問し、天保3年と答えたところを「それは23年前だ」と矛盾を指摘。そこから一気にまくし立てて修験者たちを論破。「二度と来るなこの偽者が!」と言い放ち、遠くで見ていた姉と父には笑顔が見られました。

結果的になかは元気を取り戻しました。

壮大な大河ドラマの中では小さなエピソードですが、この後近代日本の父と言われる実業家へと駆け上がっていく栄一の才能の片鱗が垣間見られたエピソードでした。

■二人の対比について

この第5話においても、渋沢栄一と徳川慶喜の対比が見られました。

□渋沢栄一
・親や兄弟に心配される栄一(&なか)
・見えぬ外国へ対抗心を持つ栄一
・身内に助言してくれる人がいる(否)

□徳川慶喜
・親を心配する慶喜
・見えぬ外国を学ぼうとする慶喜
・身内でなくても助言してくれる人がいる(正)

このような対比が「青天を衝け」では毎回描かれます。今後おそらく第14話において、渋沢栄一と徳川慶喜ががっつり出会い一つの物語へと集約されますが、そこまではこのような対比が続くと推測されます。

第6話もこの対比を意識するとより深く楽しむことができるでしょう。

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