映画コラム

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2021年03月03日

『野球少女』レビュー:ガラスの天井要素を絶妙に織り込む、爽快スポ根映画!

『野球少女』レビュー:ガラスの天井要素を絶妙に織り込む、爽快スポ根映画!



『はちどり』『82年生まれ、キムジヨン』に続くガラスの天井要素を絶妙なバランスで織り込みつつも、爽快感を忘れないスポ根映画が生まれました。

昨年Netflixで「愛の不時着」と同様に強い人気を博した「梨泰院クラス」でトランスジェンダーの料理長マ・ヒョニを演じたイ・ジュヨンの新作映画『野球少女』は新しい季節にぴったりの明るい気持ちになれる清々しい良作でした。

ユニフォームも彼女を包み込む空も真っ青で、爽やかさを相乗効果を高めていました。



「夢に向かって、圧倒的は努力の姿勢で突き進む。そして、その姿に心を動かされた者たちがいつしか彼女の夢を応援する。」

どこか"裏・梨泰院クラス"のような見方さえもできてしまうフォーマットに、あの感動が脳内リンク!感動もひとしおです。ドラマファンも必見!

自分との戦い、運命のコーチとの出会い、野球仲間である幼馴染との絆、親との関係性。
ひとりの選手のパーソナルな面にどこまでもフォーカスしていて感情移入がしやすく、野球のルールを知らない人にも刺さります。



ちなみに娘のいる私は「叶う保証のない夢を追う子供をどこまで信じてあげられるか。」を考えさせられ、響く面がありました。

野球を続ける娘に対して疑い気味だった母親と娘の邂逅は、くすぐったくて甘酸っぱい。
良い韓国映画に外せないのが''オモニなやりとり"ですが、本作にも"我らのオモニ"は顕在でした。全く似てないのに自分の親に見えてくる不思議現象が...。



物語が進むごとに眼差しが強くなっていくイ・ジュヨンのたしか演技力、これからもっとも注目される韓国スターと言っても過言ではないでしょう。野球シーンもスタントなしで、プロの選手たちに驚かれるほどの名フォームでこなしているのでそこにも注目を!

(文:東紗友美)

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