『ザ・スイッチ』の「6つ」の魅力を徹底解説!最先端のLGBTQ+への向き合い方とは?
3:親友たちがとってもいいやつ!青春ものとしても感動的!
「友情の物語」の比重が大きいことにも特筆しなければならないでしょう。黒人の女の子と、ゲイの男の子が、「こんな親友が欲しかった!」と心から願えるとっても良いやつであり、心強い味方になってくれるのですから。おかげで、本作は友情もの、青春ものとしての魅力も大きくなっているのです。
本作の監督・脚本を手がけたクリストファー・ランドンの作品を追っていくと、この友情ものと青春ものは彼の明確な作家性なのだともわかります。『ゾンビーワールドへようこそ』と『ハッピー・デス・デイ』も、表向きはホラー(コメディ)でありながら、主人公の親友たちの行動こそがが事態を大きく変えていくのですから。
※『ハッピー・デス・デイ』の記事はこちら。『ゾンビーワールドへようこそ』も紹介しています。↓
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これはホラー映画への1つの「カウンター」とも言えます。何しろホラー映画において「主人公の言ったことを周りが信じてくれない」というのは定番の展開。もちろんそれは物語を盛り上げる重要な要素ですし、本作でも前述したように主人公は「警察から追われる殺人鬼と入れ替わる」というさらに誰も信じてくれなそうな四面楚歌な状況に陥るのですが、そんな状況でも、あることきっかけにして「親友たちがとことん主人公を信じてくれて」「有効な解決手段を一緒に探す」ことになることに、大きな感動があったのです。
この「主人公の言ってることを周りの人が信じる」「ホラー映画の『慣習』に逆らうように頭の切れるキャラクターをたくさん登場させる」ということは、クリストファー・ランドン監督自身が実際に重視していたことであったそうです。その上で、「この映画の親友たちは、殺人鬼が主人公であることに気が付いてからは、とにかく彼女を救うために動く。だから『友情が持つ力』や『友人たちの間にある忠誠心』作品の大きなテーマになってるんだ」とも語っていました。
「親友たちと共に困難に立ち向かう」ということもまた、あらゆる創作物においてもっとも面白い展開でしょう。それを期待する方にも、本作を強く強くおすすめしたいのです。
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