インタビュー

2021年05月02日

「キラリュウ」でキャストたちが楽しみにしていたこととは?篠宮暁&「キラメイジャー」プロデューサーズ座談会

「キラリュウ」でキャストたちが楽しみにしていたこととは?篠宮暁&「キラメイジャー」プロデューサーズ座談会



篠宮 あと、究極の選択を迫られた充瑠がどちらかを選ばないというのが、令和のヒーローのスタンダートなのかとも感じて、すごく斬新に見えたんです。それは作品としてのこだわりなのか、充瑠のキャラクター的に当然の流れだったのか知りたいです。

塚田 そこは確かに“キラメイジャーならでは感”を意識しながら、脚本作りをしていた感じはありますかね。白黒つけられない問題は実際多いし、結局は理想を描く作品でいいじゃないかというところと、ただあまりにも嘘っぱちだとただの理想論になっちゃうから、着地点として、ヒーローとして、どういうことを決断するのかというのは考えました。

篠宮 充瑠と小宮さんのシンクロ感がすごく高かったんですが、ストーリーが進むにつれて、双方引っ張られていった感じなんですかね。

塚田 それもあると思うし、小宮くんのポテンシャルも。物怖じしないというか、立派。『ラヴィット!』で、「ひらめき〜んぐ!」ってやったあとにシーンとなった現場で「ちょっとやめてくださいよ〜」みたいなことを堂々とやってたのを見ましたけど、大したもんだよなぁって(笑)。

篠宮 あはは! なるほど。

塚田 結構、思い切りがいいんですよね。

望月 オーディションのときからそうでした。「ちょっとやめてくださいよ〜」っていう感じの、間を埋めるようなテクニカルなことを無意識にやっていて。そういうセンスみたいなのがあったので「演技のレッスンとかやってるの?」って聞いたら、ほとんどやってないというので驚きました。



篠宮 へぇ〜! キラキラを体現してたんですね。

塚田 天才肌の感じ。そういう意味でも充瑠に合っていたんですね。

篠宮 一方で、為朝が今までのレッド像を担っている部分があったような気がしました。

望月 それがあるから充瑠は、いわゆるレッドの真逆をやることができていたんですよね。

塚田 充瑠は令和のアップデートされたというか、みんなの半歩先をいっていることを意識したキャラ造形にしようとしていたから、今までの価値観でちゃんとやれてフォローをして、っていうのを為朝が担っていて。理詰めの為朝がどう行動して充瑠の天才性はさらにそれをどう上回るのかが、脚本を作っていて一番難しいところでした。憧れの存在のような、こういう風になれるといいよねっていうキャラクター造形にしていましたね。

篠宮 また、エピソード40「痛む人」のそれまでと違うテイストも内包できる、キラメイジャーの大きさにも圧倒されました。

塚田 あれは東映では『特捜9』や『相棒』を書いてくれている脚本家の徳永富彦さんで、田口監督のときのように「興味ありますか?」と声をかけにいきました。一流どころのスタッフをゲストで連れてきて新しい血を入れるというのは、1年間のシリーズをやる中で、いくつかチャレンジをしたいと思ったことのひとつですね。徳永さんは結構ダークなアイデアを出してこられて、他のスーパー戦隊ならいいけど「キラメイジャー」としては…というキャッチボールして、あの形になりました。『特捜戦隊デカレンジャー』のころとかは、わざと問題作みたいなことをやりたいと考えて暗い話を作ったりしていたので、そういうテイストの回ですね。ただ、異色作ではあるけど、ちゃんとキラメイジャーになっているということは意識しました。

篠宮 その回で葉山康一郎監督がデビューされましたが、それは意図的に?

塚田 タイミング的な巡り合わせですね。チャレンジではありましたけど。でもよかったよね。

望月 素晴らしかったと思います。

塚田 自分の名刺がわりになるような作品にしてくれ、とはっぱをかけました。頑張って撮ってくれてよかったですね。

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