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2021年06月01日

「シェフは名探偵」第1話レビュー:西島秀俊が料理とおせっかいで人の心を救う!?(※ストーリーネタバレあり)

「シェフは名探偵」第1話レビュー:西島秀俊が料理とおせっかいで人の心を救う!?(※ストーリーネタバレあり)



西島秀俊が主演のテレビ東京系新ドラマ「シェフは名探偵」が2021年5月31日より放送開始となった。

本作では、小さなフレンチレストラン「ビストロ・パ・マル」のシェフ・三舟忍(西島秀俊)が、人並み外れた洞察力と推理力で、訪れた客たちの巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎を解いてく。グルメミステリードラマという異色設定の本作、その第1話はどうだったのか。

cinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「シェフは名探偵」第1話のレビュー

「珈琲いかがでしょう」ではなく今回は「自家製のヴァン・ショー(ホットワイン)いかがでしょう」だ。


「珈琲いかがでしょう」に続きテレビ東京ドラマプレミア23の第2弾として登場したのが「シェフは名探偵」だ。主演はドラマ「きのう何食べた?」でシロさん役を演じた西島秀俊。自宅のキッチンではなく、今度はシェフ・三舟忍としてフレンチレストラン「ビストロ・パ・マル」で腕を振るう。



シェフとして一流の腕を持つ三舟が、人並外れた洞察力と推理力で店に訪れたお客さんにまつわる事件や謎を解いていくグルメミステリードラマだ。ちなみに、潜入捜査ではないようである。

穏やかな笑顔を浮かべ、冷静な判断で仕事をこなす三舟だが、ちょっとおせっかい。いつの間にか事件に巻き込まれるというよりは、自分から巻き込まれに行っているところがある。要はおせっかいなのだ。そんな三舟に時に呆れつつ、時に感嘆しつつ見守る面々も個性的。強面で短気だが涙もろいスーシェフの志村(神尾佑)、ワイン好きが高じてソムリエになった金子(石井杏奈)、そしてリストラされたその日に三舟にスカウトされ、ギャルソンとして働くことになった高築(濱田岳)だ。なんだか強そうだな、このレストラン……。



好き嫌いが激しく注文の多い客・粕屋の連れ、百合子に突然、声をかけたかと思えば、2人の不倫関係を指摘する三舟に、動揺しつつも特に止めもしないのがちょっとおもしろい。そして起こる事件が、人の心理や思い出に隠されている中に真実があるので思わず考えさせられるものがある。

たとえば、百合子は不倫相手の粕屋が妻とうまくいっていない、というが三舟は、それは違うという指摘。百合子は粕屋の妻の料理を食べたときに、食材の下処理がちゃんとされていなくておいしくなかった、それは愛情が足りないからだと主張するが、実はそれは逆。偏食家で外食の多い粕屋のために、自宅ではできるだけ栄養がたっぷりと詰まった状態で料理をしていた。

その代わり、本来なら粕屋が食べられないはずのサバの味噌煮などは下処理をしっかりとし、味噌も自分で仕込んでいたから妻が作るサバの味噌煮だけは食べられたのでと推理する。指摘にハッとした百合子だが、粕屋のしていることがなかなかにクズである。不倫相手に妻の手料理を自宅で食べさせているのってなかなかの地獄では? おまけに妻とは仲睦まじいって……。そういうところは指摘しないのも説教臭くなくて良い。



そんなクズみのあるエピソードがあったかと思えば、親子の温かな物語が展開されたりと、1話の中でもふり幅が大きく、つい見入ってしまう。

しかし、次々と出てくる料理がどれもおいしそうで、ついつられて夜食を頬張ってしまわないように気をつけたいところである。

→「Paravi」で第1話を見る

第1話ストーリー

高築智行(濱田岳)はひょんなことから、三舟忍(西島秀俊)がシェフを務めるレストラン『ビストロ・パ・マル』のギャルソンになるが、働き始めて早々、迷惑な客が次々と来店し困惑する。例えば、好き嫌いが激しく何かと注文をつけてくる粕屋孝一、恋人らしき川出恵子と口論した挙句デザートにダメ出しする鶴岡正…そんな彼らの背後にある真実を、三舟はお節介と洞察力で解き明かしていく。

(文:ふくだりょうこ)

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©「シェフは名探偵」製作委員会

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