「イタイケに恋して」第5話レビュー:過去の恋愛も楽しむ! “おばちゃんたち”のパワーに元気をもらった(※ストーリーネタバレあり)
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菊池風磨・渡辺大知・アイクぬわらの3人が、シェアハウスに同居しながら相談人の悩み事を解決する「イタイケに恋して」が2021年7月1日より放送スタート。
「おっさんずラブ」「私の家政夫ナギサさん」などを手掛けた徳尾浩司の脚本による完全オリジナル作品で。ミュージシャン、トップアイドル、お笑い芸人という個性豊かな3人が不器用な男子に扮して、恋のキューピッドとして奮闘する物語が展開される。
本記事では、第5話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「イタイケに恋して」第5話レビュー
オープニング早々、おばちゃんたちの圧がすごい。買い物帰りらしい影山(渡辺大知)は、道端で多恵(山村紅葉)、せい子(千葉雅子)、千佳子(石野真子)に声を掛けられる。彼女たちは休める場所を探していたのだが、近くに適当な場所はない。優しい影山、彼女たちを研究所に連れてくる羽目に。
同窓会帰りの3人は、タイムカプセルを掘り返したらしい。そこには、当時から3人が思いを寄せていた“充ちゃん”が書いた手紙も入っていて、なんと「俺はT.S.が好きだ。40年後、必ず会おう」と書かれていた。そのT.S.に、3人がちょっとずつ当てはまるような、決定打には欠けるような。そんな状況だが、我こそはT.S.だと言って誰も譲らない。高校時代の恋心に今も全力投球できるこの姿勢は元気が出るし、なんならちょっと見習いたい。あまりにも前のめりな3人に押されてたじたじになってる影山は可哀想だけど可愛かった。
今日の出来事を将希(菊池風磨)、マリック(アイクぬわら)に共有する影山。「でもさ~それってどうなんだろうね~」と、とあるコメンテーターのモノマネを挟みつつ応じる将希。に、似てる…。
この段階までは完全におふざけモードだったのに、40年前の3人の写真を見た将希の態度は一変。案の定、「めっちゃ可愛くない?」と言い始めた。女好きもここまできたか! と思ったけど、「老いることは恥ずかしいことじゃない」というスタンスは悪くない。いいぞ、将希もっとやれ。
佐知(石井杏奈)からもこの相談を引き受けるよう言われ、正式に“T.S.”を探すことになった。
後日、将希が筋トレをしているときに多恵が訪ねてくる。一目見て写真の人物と一致しているのもすごいし、もう初手から完全に口説きモードなのもすごい。大女優・山村紅葉を相手に、菊池風磨が引けを取ることなく躍動している。
多恵たちは研究所の帰りに、充ちゃんに会いに行ったらしい。ところが、今はもう話せる状態じゃないという。なんとなく切ない予感…。多恵は、自分がT.S.である証拠として、充ちゃんからもらったという第二ボタンを見せる。1歩リード、かに思えたが…
せい子は充ちゃんと文通をしていた手紙の束を持参し、千佳子は自分の日記に「卒業式の日に手をつないだことが書いてある」(これはすごく弱い気がするけど)と主張する。
高校卒業から40年たった今もなお仲が良い3人だから、こんなことで仲違いはしてほしくない。でも、当人たちにとってはこんなことではないし、必死だった。
そして突如始まる討論会。将希が多恵に、マリックがせい子、影山が千佳子にそれぞれ紛争して論を戦わせる。カツラをかぶってブラウスを纏う影山、まったく違和感がない。
異様な盛り上がりを見せる討論会だったが、佐知がどこからともなく当時の卒表アルバム&文集を取り出し、新任の音楽教師説が濃厚に? もうこれ、本人に聞くしか方法はなさそう。
ところが後日、千佳子の日記を読み返していた影山が、T.S.の正体に気づいた。そんなタイミングで充ちゃんが危篤に。影山は病院へ向かう。3人の仲を裂くような結末にだけはならないで、と祈りつつ…。
でも、そんな残酷な結末ではなかった。
実は、T.S.というのは「チームそばかす」、つまり3人のことだったのだ。手紙に書かれていたのは、「40年後にも、仲良しの3人組とまた会いたい」という、充ちゃんからの優しくて素敵なメッセージだった。自称していたチーム名を忘れてしまっていたのには、おいおい! という気持ちになったし、充ちゃんが3人それぞれにちょっとずつ思わせぶりな態度だったのは気になるが、結果的には3人の絆をさらに深めることができた。思い出は思い出のままの方がいいケースもある中、40年もの時を経た友情の物語と別れに心が揺さぶられる。このドラマで泣くつもりはなかったのに! してやられた。
続く佐知のセリフもいい。「何で相談に乗ろうと思ったの?」と将希に問われ、「あのおばちゃんたち、過去の恋愛が楽しそう」「無理して忘れなくてもいい」と返した。たしかに、忘れようとするから余計に考えてしまって辛くなるのかもしれない。影山がまさに今、その状態だ。佐知、これはもしかして影山たちのバックグラウンドを知って採用したのか…?
感動の後は、しっかり笑いも忘れない。
充ちゃんが息を引き取ったと連絡を受けた将希は、佐知にけしかけられ、多恵に会いに走る。そして、「これからの40年は俺にくれませんか」とめちゃくちゃ本気の告白をぶっかます。多恵もハグを受け入れて、まんざらでもなさそう? いや、でも冒頭で多恵は苗字変わってるって言ってなかったっけ。結婚してるのでは…と逡巡していたら、ふいに始まるトレンディドラマ的展開。深夜にくすくす笑いが止まらない。
平和なムードだったが、影山との別れを一向に受け入れない元カノ?・結花(石川恋)が研究所を訪ねてきたところで次回へ。研究所で様々な恋模様を見てきた影山がどう向き合うのか、必見だ。
「イタイケに恋して」5話のストーリー
研究所に3人組の女性・清水(山村紅葉)、田崎(千葉雅子)、瀬戸口(石野真子)がやってくる。ただし、彼女たちは依頼人ではなかった。
影山(渡辺大知)がスーパーで買い物をして帰ろうとした時、田崎たちに声をかけられた。彼女たちはお茶できる場所を探していたのだが、近くに喫茶店はなかった。清水は靴擦れして、あまり歩けないという。困っている彼女たちを放っておけなくなった影山は、研究所に連れて帰ってきた。その結果、影山は彼女たちのおしゃべりに付き合わされるハメに…。
彼女たちは高校の同級生で、同窓会から帰るところだった。同窓会では、卒業式の時に埋めたタイムカプセルをみんなで開けることになった。すると、当時書いた手紙や懐かしい写真がたくさん出てきた。その中に、彼女たちの初恋の人・充が書いた手紙も見つかる。
彼の手紙の最後には“俺はT・Sが好きだ。40年後、必ず会おう”と書かれていた。T・Sとは一体誰なのか? 充は同窓会を欠席していたため、本人に聞くこともできなかった。
3人とも、イニシャルがT・Sに当てはまる。彼女たちは、自分こそがT・Sだと言って譲らない。言い争う3人を前に、影山は困惑するばかり…。
飯塚(菊池風磨)とマリック(アイクぬわら)は影山から、女性3人組との一部始終を聞く。とるに足らない話だと意見が一致する影山、飯塚、マリック。しかし、彼女たちが忘れていった40年前の写真を見た飯塚は、コロリと態度を変える。18歳の頃の3人は、とてもかわいかったのだ。飯塚は、彼女たちの力になってあげようと言い出す。
翌日、研究所に清水が訪れ、飯塚が応対する。飯塚は清水から、T・Sが自分だという証拠を見せられるが…。
(文:あまのさき)
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