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2021年09月23日

「鬼滅の刃」柱合会議・蝶屋敷編<ざっくり解説/じっくり感想/名ゼリフまとめ>

「鬼滅の刃」柱合会議・蝶屋敷編<ざっくり解説/じっくり感想/名ゼリフまとめ>


「柱合会議・蝶屋敷編」がっつり感想



鬼殺隊士でありがなら鬼を連れていた炭治郎。そのことが柱にばれ、柱合会議にかけられることに。一堂に会した柱たち、威圧感がすごい。みんなすごい人たちなのだろうが、炭治郎をかばった張本人の義勇、話を聞きたいと言っている胡蝶しのぶ、炭治郎に同情している(?)恋柱の甘露寺蜜璃以外、事情を聞いてくれる気すらなさそうだ。なんならぶっそうな処刑の算段を立てはじめ、実行しようとすらしている。怖い。

全体的にクセが強すぎる柱たち。この状況を無事生き延びたとしても、今後のコミュニケーションに難がありそうと思ってしまった。だが柱ともなればたくさんの鬼を倒してきているだろうし、それだけ鬼への気持ちが強いのだろうなと感じる場面でもなる。



殺伐とした状況の中、無邪気&独特すぎて救いになったのが甘露寺蜜璃の心中の声だ。恋柱である甘露寺は、みんなの素敵なポイントにキュンとしっぱなし。なんならハートまで飛ばしている。花澤香菜の声がまたかわいい。

「伊黒さん相変わらずネチネチして蛇みたい。しつこくて素敵!」

ネチネチ・蛇みたい・しつこい。この3つのワードに対して素敵という感想がついたのを初めて目の当たりにした気がする。

「冨岡さん離れたところにひとりぼっち…可愛い!」

可愛いんだ!? となるが、どんな状況も肯定的に捉える蜜璃に心癒される。
義勇、やっぱりしのぶの言った通り嫌われてるのかな……と思ったが、炭治郎に対面して並ぶ柱たちの側ではなく、炭治郎の延長線上に立っているのは、自分は炭治郎と同じ側という気持ちがあるのかな? と思ってちょっとじーんとした。

「あのぉ、でも疑問があるんですけど……お館様がこのことを把握してないとは思えないです。勝手に処分しちゃっていいんでしょうか?」
「いらっしゃるまでとりあえず待った方が……」

よくぞ言ってくれました~! さり気なく助け船出してくれたのありがとうすぎる。

「不死川さん、また傷が増えて素敵だわ!」

それも素敵なんだ!! なんかこの人も目が蛇っぽくないか……?



「しのぶちゃん怒ってるみたい! 珍しいわね…カッコイイわ!」

ふつう人が怒ってたらおろおろしそうだけど、かっこいいが先に来ちゃう蜜璃ちゃんかわいいな……。しのぶちゃんって呼んでるのもかわいい。同じ組織の中で数少ない女性ふたりが仲いいのよい。ちなみに鬼滅の刃ファンブックでしのぶから蜜璃への印象に「大好き。明るくて可愛いから。」って書かれているの、ちょっと泣きそうになる。

緊迫感あふれる柱合会議だが、蜜璃の反応を見ていて「こんな愛にあふれるかわいらしい人になりたい」と思う時間でもあった。それにしても不死川、勝手な行動&処遇も決まってないのに串刺しにするなんてひどい。後に明かされる不死川さんの事情を知れば無理もないのかもしれないが、禰豆子を知っているこちらからすると怒りしかわかない。



お館様の持ってきた鱗滝さんからの手紙の内容には泣いた。もし禰豆子が人を襲った場合は、炭治郎だけでなく鱗滝・義勇も腹を切るという。信じたり協力したりするだけでなく、命まで懸けてくれるとは。聞いた瞬間の炭治郎の涙も印象的だ。つくづく涙の表現が心にくるアニメだ。

それでもやはり、納得できない者が多い柱たち。まあ確かに、自分の妹は鬼になっても人を襲わないから見逃してくれだなんて、いきなり知らない相手に言われたら甘すぎると思うだろうけど。その甘さが命取りになった場面を何度も見てきているのだと思う。



不死川のさらなる暴走には腹が立った。いくら鬼だからってひどい(と禰豆子を知っているから思ってしまうけれど)。この時点だと不死川、嫌いだ!!

結局、しのぶの蝶屋敷に引き取られた炭治郎と禰豆子、そして善逸と伊之助。
善逸は蜘蛛の毒で手足短くなっちゃって、寝間着の裾が余っている。
伊之助はメンタルをやられ、「弱くてゴメンネ」と言っている。どうした伊之助……そんな弱気なキャラじゃなかったじゃん……。でもなんだか2人ともかわいい。しかし善逸、薬を飲まないのは駄目だ。毒が抜けないほうが怖いよ……。

先に体調が安定した炭治郎と伊之助は「機能回復訓練」なるものへ行くことに。帰ってきた2人に善逸がどうだったか聞いても、2人ともげっそりして「ごめん」「気にしないで」と言って何も答えてくれない。遅れて参加した善逸、訓練の概要を説明してもらうが、聞いた後の様子がおかしい。



「すみません、ちょっといいですか」「来い、2人とも」「いいから来いって言ってんだろうが!」「来いこのクソどもが、ゴミどもが」さらに伊之助のことを殴る。ぜ、善逸……???

突然の暴挙を怒って止める炭治郎だが、さらに怒って「女の子一人につきおっぱい二つお尻二つ太もも二つついてんだよ!」とわめく。対抗する伊之助は「俺は子供の雌踏んだことあるもんね」と言っていて(おそらく鼓屋敷のアレ)最低だ。絶対モテない! などと言い合っているが、たぶん2人ともモテない。この時点だとずっとひたむきに努力してまわりに気遣いできる炭治郎以外モテない。

善逸の女の子好き力はすごく、伊之助も泣く柔軟を「エヘヘヘヘ」と笑ってこなし、お茶も止めて「俺は女の子にお茶をぶっかけたりしないぜ」とキメ顔。身体を触って殴られる。相手がカナヲでなくアオイだったからのもあるかと思うが、はじめからこれはなかなかいい線いってるのでは? さわるのは普通に痴漢だけど……。



だがカナヲに勝てず心が折れ、善逸と伊之助は訓練に来なくなってしまった。一人訓練に励む炭治郎は、常に全集中の呼吸をするようにするといいと教えてもらう。

夜の屋根の上、炭治郎としのぶが2人で話すシーンが印象的だった。
「君には私の夢を託そうと思って」「鬼と仲良くする夢です。きっと君なら出来ますから」

炭治郎の唐突な「怒ってますか?」という問いかけが印象的だ。言われたしのぶもハッとする。匂いでわかったというが、同じ状況でも遠慮して聞けない人も多そうだ。

「そう、そうですね。私はいつも怒っているかもしれない」
鬼に最愛の姉を奪われた時から、ずっと蓄積していると話すしのぶ。他の柱たちも似たようなものだという。

鬼に怒りを感じながらも、姉の想いなら私が継がなければ、と努力してきたけど利己的な鬼たちが嘘ばかりいい、欲望のままに人を殺す様子ので疲れたという。姉と同じように優しい炭治郎を見てこんな話をしようと思ったのだろうか。炭治郎は、気づきを与えてくれる人なんだな。しのぶの切ないバックグランドを知って、さらに好きになってしまった。

徐々にやる気を回復した善逸と伊之助も訓練に復帰。
炭治郎の説明、全然わからない。擬音を使いまくった説明の締めくくりに「死ぬほど鍛える」。戦いのときはめちゃくちゃ考察してるのに、説明は脳筋っぽい。なぜ。

しのぶのエールの送り方、それぞれの性格を把握したうえで適切な態度と言葉を使っていてすごい。

負けず嫌いの伊之助には「まあ、できて当然ですけれども。伊之助くんなら簡単かと思っていたのですが、できないんですか? まあできて当然ですけれども。仕方ないです、できないなら。しょうがない、しょうがない」と笑顔で煽り、伊之助は「できるわ!」とキレる。

女の子が好きな善逸には両手で手を握りしめ、満面の笑顔で「頑張ってください善逸くん! いちばん応援していますよ」と言う。即やる気になった善逸ははりきって訓練に励む。しのぶ、すごい。



カナヲの過去が明らかになる。親に名前も付けられず、小さい頃から親に暴力や今でいうネグレクトなどの虐待を受けていた。はじめは悲しさや辛さを感じていたものの、ある時からなにもつらくなくなった。親に売られ、縄でくくられて歩いていたところを胡蝶姉妹に助けられたのだ。

ここでわかるのは、昔のしのぶは今みたいな物腰ではなかったこと。どちらかというと今のアオイのように真面目でいつも怒ってキツい話し方をするタイプで、笑顔は少なかった。カナヲを連れていた男に大金を投げつけ、縄を奪って走るあたりかなり気が強そうだ。その後も自分の意思が感じられないカナヲに手を焼き、楽観的すぎる姉・カナエにイラっとすらしている。

カナエの話し方も表情も、今のしのぶにそっくりだ。姉が死んだことで彼女のように、そして彼女が好きと言った笑顔を絶やさず生きることにしたんだなと思うと、切なくて涙が出そうだ。

那田蜘蛛山で刀が折れてしまった善逸と伊之助の新しい刀が届いた。はじめは炭治郎の刀を作った鋼鐵塚(はがねづか)のほうがキレていて伊之助の刀と作った鉄穴森(かなもり)が宥めていたが、伊之助が作ったばかりの刀を石でギザギザにすると「ぶっ殺してやる!このクソガキ」とガチギレしていた(それは怒る)。



いっぽう無惨のもとには下弦の鬼が集められていた。なぜか美しい女に姿を変えていた無惨。累が殺されたことで、下弦の鬼はなぜこんなにも弱いのかというパワハラ会議だった。思考を読まれるし「違います」と言っても私の言うことが間違っているのかと言われて殺されるし、逃げても殺される。なんだこの地獄は……。直接手を下してもらえて幸せ、人の不幸を見るのが好きなので最後に残してくれてありがとう、と言った魘夢だけは気に入られて生き延びた。

さすがに鬼でも同情する理不尽さ……。無惨、独裁的すぎるしやっぱり好きになれないな。



無限列車での任務に向かうことになった炭治郎、伊之助、善逸。ヒノカミ神楽の話を聞いたしのぶが、炭治郎のまっすぐで努力を積み重ねられる点を評価し、さらに炎柱の煉獄なら知っていることがあるかもと進言してくれたのだ。



一人一人に別れを告げた炭治郎。アオイとカナヲ、それぞれとのやり取りがよかった。最後まで硬い表情でドライなアオイ。最終選別に残ったものの、怖くて戦えずここにいる自分に引け目を感じてきたようだ。そんなアオイに炭治郎は「そんなの関係ないよ、俺を手助けしてくれたアオイさんはもう俺の一部だから。アオイさんの想いは俺が戦いの場に持っていくし」と言ってさわやかに去っていく。とっさにこういう言葉が出るの、ほんとすごいな……。

指示されたこと以外はコイントスで決める、全部どうでもいいの、というカナヲにコインを借り、「表が出たらカナヲは心のままに生きる」という炭治郎。見事に表が出て「頑張れ!! 人は心が原動力だから心はどこまでも強くなれる!!」と言って去っていく。うまくいえないけど炭治郎、すごいやつだ……。

列車を生き物だと思ってる炭治郎と伊之助がやばい。善逸がまともな人に見えてくる。騒いだせいで警察に不審がられ、炭治郎と伊之助2人を抱えて逃げる善逸、意外と力持ち……。無事(?)列車に乗り込んだ3人、無限列車の戦いへと続く。



アニメではいったんここが最終回で、紅蓮華にのせて名場面が順に映し出される演出、エモかった。アニメそのものももちろん素晴らしいが、主題歌が紅蓮華だったの、ほんとに大正解だなぁ。

ここからつながる無限列車、すでに何度か劇場で観ているのでなんとも言えない思いでいっぱいだが、未見の人はぜひ観てほしい。

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(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

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