2021年09月26日

『ルパン三世 カリオストロの城』が改めて映画館上映!初公開された1979年12月は「こんな時代」だった

『ルパン三世 カリオストロの城』が改めて映画館上映!初公開された1979年12月は「こんな時代」だった



■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」 

2021年は「ルパン三世」アニメ化50周年ということで、これを記念して10月1日から『ルパン三世 カリオストロの城』4K+7.1ch版が全国50館で2週間限定上映されます。
(同時上映は原作者モンキー・パンチが総監督を務めた短編『ルパンは今も燃えているか』)

今更説明の必要もない宮崎駿監督の映画監督デビュー作『カリオストロの城』ではありますが、本作は1979年12月15日に日本で初公開されました。

では、この時期の映画界は、そして本作はどのような状況で迎えられたのか、ちょっとばかしタイムリープして振り返ってみることにしましょう!
 

1979年12月に
公開された映画たち

まず1979年12月に日本で劇場公開された主な作品をざっと列記しておきます。
(※公開日は東京基準)

(1979年12月1日)
『スネーキーモンキー 蛇拳』『地獄の蟲』

(1979年12月8日)
『007 ムーンレイカー』『ドラキュラ都へ行く』『マイ・ライフ』『女の叫び』

(1979年12月15日)
『マッドマックス』『エアポート80』『アルカトラズからの脱出』『ワンダラーズ」『メーン・イベント』『Mr.BOO!ギャンブル大将』『戦国自衛隊』『もう頬づえはつかない』

(1979年12月22日)
『天使を誘惑』『関白宣言』(2本立)『トラック野郎故郷(ふるさと)特急便』『夢一族 ザ・らいばる』(2本立)

(1979年12月28日)
『男はつらいよ 寅次郎春の夢』『神様がくれた赤ん坊』(2本立)

いやはや、なかなか壮観なラインナップですが、やはり目を引くのはシリーズ第11作でジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)が宇宙へ行ってしまったことでファンの論議を呼んだ『007 ムーンレイカー』でしょうか。



『マッドマックス』は当時日本では馴染みのないオーストラリア映画界から放たれた、かつてないヴァイオレンス・アクションとして大きな話題となり、主演メル・ギブソンの出世作となるとともにシリーズ化されていくことになります。

逆に1970年代パニック映画を象徴するエアポート・シリーズ第4弾で当時の最新鋭機コンコルドを題材にした『エアポート80』は、これをもってシリーズ終結。
(時代は既にパニック映画からSF映画へ移行していました。そう、1979年は『スーパーマン』『エイリアン』などが公開された年でもあったのです!)

脱獄サスペンス映画の傑作『アルカトラズからの脱出』も、これが惜しくもクリント・イーストウッド&ドン・シーゲル監督の名コンビ、最後の作品となってしまいました。

邦画では、先ごろ惜しくも亡くなったばかりの千葉真一がアクション・スターとしての誇りをかけて挑戦した角川映画超大作『戦国自衛隊』が、従来の日本映画の枠を打ち破るスケールとアイデアの賜物として大ヒット。



東宝の山口百恵&三浦友和コンビ作品『天使を誘惑』で思い出すのは、公開直前の10月20日に両者が恋人宣言し、公開後の1980年3月7日に山口百恵は引退を発表、そして同年12月公開『古都』が彼女主演の最後の映画になったことです。

東映も10作目『故郷特急便』で『トラック野郎』シリーズは打ち止め(同時上映の郷ひろみ&森繁久彌主演のコメディ『夢一族』との組み合わせも悪かったのかもしれません。この時期の日本映画はまだ二本立興行が普通に成されていて、その組み合わせが興行成績に影響を及ぼすこともままありました)。

松竹はおなじみ寅さん映画の併映となった『神様のくれた赤ん坊』が評論家から多大な支持を得て、主演の渡瀬恒彦&桃井かおりは多くの俳優賞を受賞。

特に桃井かおりはATG映画『もう頬づえはつかない』も女性の自立を示唆する映画の先駆けとして大評判となり、その後の彼女のイメージまで決定づけることになりました。

社会的には12月12日、韓国で粛軍クーデターが勃発(現在、韓国ではこの時期の激動を描いた映画が定期的に作られています)。

また12月24日にはソ連のアフガニスタン侵攻が開始され(これにより1980年開催のモスクワ五輪に日本は不参加)、ここから今なお深刻な事態を招き続けるアフガン問題が本格的にスタートしていくことになります。

大晦日に発表された第21回日本レコード大賞はジュディ・オングの「魅せられて」、最優秀歌唱賞は小林幸子の「おもいで酒」、金賞には映画化もされたさだまさしの「関白宣言」や、アニメ映画『銀河鉄道999』主題歌も大ヒットしたゴダイゴの「ビューティフル・ネーム」、1981年の高倉健主演映画『駅/Station』の中でも印象的に使われる八代亜紀「舟唄」などが入賞。

サザン・オールスターズ「いとしのエリー」、西城秀樹「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」、甲斐バンド「HERO」、山口百恵「いい日旅立ち」、松山千春「季節の中で」、アリス「チャンピオン」などもこの年のヒット曲でした。

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原作:モンキー・パンチ (C)TMS

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