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『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』レビュー:園子温×ニコラス・ケイジのハリウッド映画は、なんて奇妙なジャパネスク!



■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT

園子温監督によるニコラス・ケイジ主演のハリウッド映画!

その中身はサムライ&ウエスタン&シュール&アングラな近未来ヴァイオレンス!

簡単に言ってしまうと、“マッドマックス”みたいな世界観の中で“銀魂”をやっているような感覚です(さすがに宇宙人は出てきませんけど)。

園監督作品としては『TOKYO TRIBE』(14)に近いものも感じられます。



まずはそのジャパネスク感覚あふれるサムライタウンのセットに圧倒されますが、ここには西洋人が勘違いしがちなフジヤマゲイシャ的なニッポンのイメージをあえて作品世界観の中へ投入している園監督のユニークなセンスに唸らされます。

(一方でゴーストランドは、どこか東日本大震災の原発惨禍後を彷彿させるものも……)



台詞も日本語と英語を含めて各国語が入り乱れ、冒頭でニコラス・ケイジは「バンザイ!」と叫びながら銀行強盗したりもします。

(つまりは「手を上げろ!」ってことなんでしょうけど、この時点でもう笑っちゃいますね)

本来は海外ロケの予定だったものが、園監督の急病によってすべて日本ロケに変更されて撮影が敢行されたとのことですが、それにしてはこういったエキゾチックかつ広大なセットの数々を作ることが、まだ日本でもできるのだなと感心させられたりもします。

(ただ、海外ロケだったら、劇中妙に映えているデコトラの荒野疾走シーンみたいなものも撮れたのかな?と思うと、少し残念)



また園監督作品ならではのアングラ演劇感覚はここでも炸裂しており、特にゲイシャさんたちの狂乱風情がさりげなくも秀逸。

日本びいきで奥さんも日本人のニコラス・ケイジは、ここ最近狂った映画ばかり出ていることもあって(もちろん誉め言葉です)、今回の狂える園監督とのタッグもまったく違和感なく、実に楽しそうにふるまっています。



彼は体のあちこちに爆弾が仕掛けられているのですが、、最初どこが爆発するのかも見ものです!?

共演で目を引くのは『悪魔のいけにえ2』(86)や『マーダー・ライド・ショー』(02)などホラー映画のレジェンド、ビル・モーズリーが悪徳知事役を楽しそうに怪演していること。

監督としても俳優としても著名なニック・カサヴェテスも、異様な佇まいで画面を圧倒します。



日本側キャストでは、TAKこと坂口拓がなかなか美味しい役で、得意のチャンバラを存分に披露!

ストーリーそのものは新味ありませんが、こうした狂えるハチャメチャな世界観を現代社会の縮図と見立てながらの園流エンタテインメント、恐らくは賛否真っ二つに割れること必至でしょうが、私はかなり面白かったのでこうして採り上げさせていただきました!

(文:増當竜也)

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