2021年10月17日

「二月の勝者」第1話:「ドラゴン桜」とは異なる<妙なリアルさ>が刺さる

「二月の勝者」第1話:「ドラゴン桜」とは異なる<妙なリアルさ>が刺さる



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累計200万部以上の中学受験の実態をリアルに描いた人気マンガ「二月の勝者 -絶対合格の教室-」を原作に連続ドラマ化!2021年10月16日より放送スタート。

主人公、最強で最悪なスーパー塾講師・黒木蔵人を柳楽優弥が演じる、中学受験を舞台にした人生攻略ドラマだ。黒木に反発する新任塾講師を井上真央、黒木に執着する名門受験塾のトップ講師・灰谷純を加藤シゲアキが演じている。

本記事では、第1話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「二月の勝者-絶対合格の教室-」第1話レビュー



この時期になると、「ドラゴン桜」や「下剋上受験」「初めて恋をした日に読む話」など、なにかしら受験モノのドラマがはじまる傾向にある。

今クールは現在も連載中の「二月の勝者―絶対合格の教室―」がスタートし、注目を集めている。

中学の進学塾を舞台にスーパー塾講師、黒木蔵人(柳楽優弥)が白熱するお受験戦争をバッサリ切っていく。

今春に放送されていた「ドラゴン桜」と、どうしても比べがちだが、第一話を見た印象はまったく別物と感じた。
もちろん、大学受験と中学受験の違いもある。
「ドラゴン桜」はどちらかというとシンデレラストーリーを楽しむドラマだったように思う。
また、劇中で黒木が「我々は教育者ではなく、サービス業だ」というセリフ。
ここも阿部寛が演じた桜木先生との違いをまざまざと感じた。
一方、「二月の勝者―絶対合格の教室―」に関しては、妙にリアルなのだ。

というのも、これは筆者が現役お受験ママだからだろう。
とにかく第1話からセリフが胸にささりまくり。
そのリアルさにやられた。
たとえば……
「合格に必要なのは 父親の『経済力』と母親の『狂気』です」という言葉。

「父親の経済力」にはそこまでしっくりこないものの「母親の狂気」には妙に納得。

次に「凡人こそ中学受験すべきだ」というセリフのときには、思わず我が子をじっと見つめてしまった。
スポーツや芸術、音楽などになんら興味もなく、光るものがない凡人の我が子にとっては救いとなる。

柳楽優弥が演じるシニカルな黒木蔵人にもしびれる。
真っ黒な前髪に、切れ長の目がゾクゾクする。
再現度の高さたるや!

対して、井上真央が演じる新任講師の佐倉麻衣は劣等感のかたまりといった感じだ。
個人的にお久しぶりな井上真央だが、相変わらず初々しさがありそして、かわいい。
今でも制服姿で「道明寺~」と叫んでみても違和感はない。

もともと中学の教諭だった佐倉。
ワケあって塾講師になったようで
「塾ならもっと子どもと距離が置けるものだと思っていて……」とつぶやくところに闇を感じる。
今後、佐倉がどんなふうに変化していくのかも楽しみだ。

黒木は「全員を合格させる」と豪語したが、はたして最終回に公約は守れるのだろうか。

名門中学受験塾のトップ講師で黒木の元部下、灰谷純(加藤シゲアキ)も第2話以降、どんなふうにからんでくるのだろうか。

来週も家族で真剣に観ようと思う。

「二月の勝者 -絶対合格の教室-」1話のストーリー



二月・中学受験当日。試験会場の正門前には、日本一の合格実績を誇る「ルトワック」のカリスマ塾講師・黒木蔵人(柳楽優弥)が、雪の降る中傘もささずに立っていた。そこには、桜花ゼミナールで研修中の塾講師・佐倉麻衣(井上真央)をはじめとした塾講師たちが、受験生応援のために続々とやってくる。会場へ向かう受験生を見送っていると、そこに理科の公式を忘れてしまいパニックになっている桜花生が。しかし、算数担当の佐倉はその生徒の質問に答えてあげられない……。
 
すると焦る佐倉をよそに、隣にいた黒木が淡々と公式を告げる。
生徒は安心した様子で会場へ入り、黒木にお礼を言う佐倉だったが、「研修中の講師を応援に送り込んで受験生をパニックにさせるなんて、桜花のやることは理解できない」と、黒木は辛辣な言葉を残して去っていった─。
 
その2週間後。新学期を迎えた桜花ゼミナール吉祥寺校に、なんと黒木が新校長としてやってくる。入塾説明会に集まった親たちに、「中学受験は甘くない。覚悟のできない者は、この場を去れ」と受験の厳しさを突き付ける黒木。受験の残酷な現実に多くの親がショックを受ける中、なんと黒木は全員の第一志望合格を約束すると断言。その見事な演説によって、説明会の参加者全員を入塾希望者にしたのだった……。
 
一方、研修生だった佐倉も正式に桜花の塾講師となるが、黒木は桜花の講師たちに対しても容赦ない言動ばかり。そんな黒木の過激な言動に振り回されつつ、佐倉の塾講師としての日々が始まる。

(文:駒子)

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