古川琴音、「唯一無二の存在感」を紐解く


(C)「街の上で」フィルムパートナーズ

「この恋あたためますか」、「連続テレビ小説 エール」、「コントが始まる」、菅田将暉「虹」のミュージックビデオなど、近年、さまざまな作品での起用が絶えず、「2021年上半期にブレイクした女性タレントランキング」では栄誉ある第1位にも輝いた女優・古川琴音。

その魅力はこちらの素晴らしい記事(是非、ご一読を!)でも言及されているが、今回は彼女のいちファンでもある筆者が、独断と偏見で出演作からオススメの5本をセレクトし、ランキング形式で発表!

彼女の魅力が凝縮された知られざる名作の数々を、鑑賞方法と共に読者の方にご紹介していきたい。

第5位 「この恋あたためますか」




コンビニスイーツを題材にした新時代恋愛ドラマ「この恋あたためますか」で、古川は主人公のバイト仲間で中国人留学生の李思涵(リ・スーハン)役を演じている。「連続テレビ小説 エール」では、叔母と姪の関係性だった森七菜と本作でも共演しており、劇中では彼女と仲睦まじいルームシェア生活を送る様子が描かれている。

視聴者の心を癒す魅力的な役柄でありながら、一歩を踏み出せない主人公の背中を押す大切な存在でもあり、彼女のキャラクターには、多くの方が好感を持ったのではないだろうか。



また、スピンオフドラマ「その恋もう少しあたためますか」では、彼女が主演を務めていることも、注目すべきポイント。バイト先の店長(演じるのは東京03の飯塚悟志)に密かな思いを寄せていたスーの裏設定が明かされることで、よりキャラクターが深掘りされ、彼女の魅力が存分に発揮されている。実際の現場でも仲が良かったという役者陣の和気あいあいとした掛け合いを見るだけでも、楽しい一作だ。

本作はamazon prime /U-NEXT/ Hulu

ほかで配信中。
Paraviでは、スピンオフ「その恋もう少しあたためますか」も配信されている。

第4位 『街の上で』




『愛がなんだ』今泉力哉監督の最高傑作とも名高い『街の上で』では、主人公が通う古書店の店員・田辺冬子を演じている。

若手実力派女優勢ぞろいとなった本作でも、彼女は唯一無二の存在感を発揮。
冒頭のナレーションから、物語のテーマへと密接に関わるクライマックスの試写会シーンまで、柔和な雰囲気を保ちながらも自分の芯は曲げない素敵な女性を熱演していた。

本作はU-NEXTで配信されている。

第3位 『春』


デビュー間もない頃、古川琴音が初主演を務めた短編映画が『春』だ。

本作で彼女が演じたのは、おじいちゃんと2人暮らしをする美大生・アミ。
将来に漠然とした期待を抱いていたはずが、就活が上手くいかずに葛藤する主人公を見事に体現している。映画初主演ながら、すでに安定感のある演技には驚かされるが、俳優活動を始めた当時の彼女の状況が見事にリンクしたともいえる設定には、今だからこそ感慨深さがある。

本作は、11月6日(土)〜12日(金)に上田映劇にて、12月17日(金)、19日(日)、21日(火)、23日(木) アップリンク京都にて上映される。
公式サイト:https://haru-natsu-movie.jp/haru/

第2位 『蒲田前奏曲』




4人の監督による4本の短編を集めたオムニバス映画『蒲田前奏曲』では、第1番「蒲田哀歌」の主演を務めている。

主人公の弟の彼女を演じた本作では、彼女のふわふわとした魅力にひきこまれてしまう。動物と話が出来るというぶっ飛んだ設定ながらも、過去にバレエ経験がある彼女ゆえの身のこなしは印象的で、その姿は観た後になっても脳内に焼きつくことだろう。

各監督の作家性が滲み出たインディペンデント映画らしい作りも興味深く、多くの人に知られてほしい秀作。

amazon prime /U-NEXTほかで配信中。


第1位 『偶然と想像』


『寝ても覚めても』や『ドライブ・マイ・カー』のメガホンをとった濱口竜介監督の最新作で、第71回ベルリン国際映画祭では銀熊賞を受賞した短編オムニバス映画 『偶然と想像』でも、古川琴音は確かな存在感を発揮した。

全3編からなる本作で、古川は第1話『魔法(よりもっと不確か)』の主演・芽衣子を演じている。
親友との会話から驚くべき偶然に遭遇する彼女。そのことをきっかけに元カレとの関係性を清算しようとする主人公の姿は、まさに、彼女の真骨頂と言えるだろう。

一見、ふわふわしているように見えて、実は自分の芯を持った主人公。濱口監督がオーディション当時の彼女の様子を「あまりウソをつけないようなタイプという感じがしました」と語るように、その誠実さがぴたりとハマった役柄ともいえる。

彼女の魅力のひとつ・独特な声が存分に活かされた秀逸な会話劇にも注目してほしい

12月17日 Bunkamuraル・シネマほか、順次公開
公式サイト:https://guzen-sozo.incline.life/

今回の記事では、唯一無二の存在感を放つ女優・古川琴音のオススメ作品をご紹介した。
デビュー数年ながらも、出演作が絶えない彼女の魅力。
その軌跡を追いかけ始めるのならば、今が絶好のチャンスなのかもしれない。

(文:大矢哲紀)



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