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2022年02月17日

<解説>「宇宙よりも遠い場所」何度も観たくなる「3つ」の魅力

<解説>「宇宙よりも遠い場所」何度も観たくなる「3つ」の魅力


3.リアルな南極描写の理由は強(協)力布陣にあり



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アニメの制作では専門性を要する題材の場合、その道のプロや専門家が監修や協力をすることもあります。「よりもい」も、気軽に行ける場所ではない南極を舞台にしたアニメです。その協力体制を見てみましょう。

文部科学省、国立極地研究所、海上自衛隊、SHIRASE5002(一財)WNI気象文化創造センター
※TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」公式サイト STAFF&CASTページより引用

「JAPAN」と口に出してしまいそうなほど、そうそうたる面々
の協力に驚かされます。ただこの協力があったからこそ、アニメというフィクションでありながらも南極観測隊員たちの日常に人の体温が感じられたのだろうと思うのです。



そもそも移動中の船の様子や現地に着いてからの風景、昭和基地の雰囲気、隊員たちの生活などの「南極あるある」は、そのどれもが知らないこと、そもそも知らないということにすら気づいていなかったことのオンパレード。

いしづかあつこ監督は公式サイトのインタビューで、制作時に苦労した点として「基地での生活全般」を挙げていました。資料だけでは見えてこない南極での生活風景描写は、観測隊OBの方への取材を通して解決。現地を体験した人たちの声があったからこそ、アニメに落とし込む確信が持てたといしづか監督は語っています。



作り手が抱いていた南極への疑問点はきっと、視聴者の「知らない」「わからない」と共通していたのではないでしょうか。

実際にアニメ公式サイトにある南極チャレンジを見れば、いかに素朴な疑問を投げかける、丁寧な取材が行われたかがわかります。丁寧な取材に裏打ちされたアニメの描写からは、南極暮らしの「なぜ」に対する答えが返ってくるでしょう。

南極を知る猛者たちの強力な協力で疑問を解消したからこそ描けた、南極を目指す人々のリアルも必見です。

「よりもい」のエッセンスを吸収して、さあ『ドン・グリーズ』へ



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「私の青春が、動き出す!」


これは「女子高生、南極へ行く!」と並ぶ、「宇宙よりも遠い場所」のコピーです。この「私」は、キマリ、しらせ、ひなた、ゆづきの女子高生を指し示すもののように思えます。

しかし彼女たちの旅のラストを見届けたあと、気づけばいち視聴者である「私」の青春も動き出している、そんな感覚が味わえるのです。

ファンのなかには、アニメを観て実際に南極を聖地巡礼した人もいるほど。



ドン・グリーズの上映に合わせた部分もあるのかもしれませんが、2021年には2度再放送があった「よりもい」。新作アニメの勢いに埋もれることなく、何度だって観る者の知的好奇心を満たし、極上の青春も届けてくれる作品だと実感させられました。

『グッバイ、ドン・グリーズ!』をより楽しむためのきっかけとしてはもちろん、心が晴れやかになる、前向きになれる作品との出会いをお求めの方に、私は全力で「よりもい」こと「宇宙よりも遠い場所」をおすすめします!

(文・クリス菜緒)

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