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2022年02月05日

「真夜中にハロー!」第4話:「こんなハズジャナカッター!」を乗り越えた先に……

「真夜中にハロー!」第4話:「こんなハズジャナカッター!」を乗り越えた先に……



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「ハロー!プロジェクト」メンバーが出演してパフォーマンス披露、悩める現代人にエールを送るドラマ「真夜中にハロー!」が放送開始した。

本記事では、第4話でBEYOOOOONDSのメンバーによってパフォーマンスされた「こんなハズジャナカッター!」のドラマならではのパフォーマンスや楽曲の良さに触れながら、ドラマとハロプロの魅力についてお伝えしたい。

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第4話の解説&感想



今回もまた、誰しも経験したことがありそうなシチュエーションだった。新入社員の乃々花(田中真琴)は、研究職を志望して入社したのに、研修合宿でお酒に強いことを知られたばかりに営業に配属されてしまった。ノリも悪く話も得意でない乃々花は、取引相手と寸劇を繰り広げる先輩に引き気味。何とか自分のやり方で頑張ってみようと思うけど、うまくコミュニケーションが取れず「今日は一人?」「上司はいないの?」と言われてしまい落ち込む。

人生はいつでも自分の望み通りに進むわけではない。望み通りにならないことのほうが多いかもしれない。特に仕事において、やりたいことができなかったり、やりたくないことをやらねばならない場面はある。だから乃々花に共感できるし、自分も研究職志望なのに営業にされたらすんごく嫌だろうな、と思う。ただ、乃々花の態度も少し頑なというか、自分自身をつらい状況に追い込んでいる気もする。

取引先の人とテンション高く寸劇を繰り広げる先輩のことを冷ややかな目で見ているし、自分が希望していた研究職より、営業職のほうが下だと思っているように見えるし、自分には向いてないと決めつけてしまっている。実際向いてない場合はあるし、向いてないことを絶対に頑張ってやるべきとは思わないけど、お客さんにハイタッチを求められたら応えるくらいはしてもいいんじゃなかろうか。



車の中で「くそ……」と一人つぶやく乃々花の前に、例の扉が。聴こえてきたピアノを弾いているのはBEYOOOOONDSのほのぴ(小林萌花)……と思ったらマリコ(菊池桃子)だった。違うんかーい!

「こんなハズジャナカッター!」ドラマならではのパフォーマンス、よかったポイント



いつも引かれるのが恒例となってきた突然の呼び捨て、今回は12人同時。いきなりヒューマンビートボックスをかます清野桃々姫、そしてそのリズムに乗るマリコ。役とはいえ、あの菊池桃子がももひめのヒューマンビートボックスにノっている……!? すごいドラマだ。強制的にかけ声に参加させられ、その後も自己紹介が続く。

「私の心はここにある! 前田こころです!」
まさかドラマで前田こころのこのフレーズを聞けるとは! 披露された「こんなハズジャナカッター!」は、アイドルながら正統派路線をいかず、デビュー曲からして寸劇満載だったBEYOOOOONDSを歌にしている。普通の曲を歌いたかった、かわいいほうがよかった、という歌詞は、まさに今回のお話にピッタリ。

3話までのように青空バックのシーンはなく、曲名の看板? がついた小劇場のような場所へ。



今回もまた、非常にシュールである。

そして乃々花は「寸劇、やりたいんでしょ?」と迫られるのだ。なんとメンバーの一岡伶奈はビール瓶で取引相手の頭を殴り、瓶は割れるが相手は笑顔だ。だ、大丈夫か……?



意を決した乃々花は、なんと取引相手にバックドロップをかます。2人で地面にあおむけに倒れ、なぜか2人とも笑顔だ。意味の分からないこの状況だが、なんだか幸せそう。そしてミュージカルのごとくパフォーマンスは続き、他の取引先の人たちもダンスに参加している。BEYOOOOONDSの曲だからこそ成立するパフォーマンスだといえる。

この曲は、冒頭こそ「こんなハズジャナカッター!」という内容だが、最後は「逆にこれでヨカッター!」で締められているのいるのだ。だってBEYOOOOONDS、はじめこそびっくりしたけどめちゃくちゃ勢いがあるし、パフォーマンスも素晴らしいし、他のどこにもいないグループだもんな。

マリコのお決まりのセリフは今回ちょっとアレンジされ「This is only one hello.」。「こんなハズジャナカッター!」と思うこともあるけれど、他の誰とも違う、自分らしさを生かす落としどころを見つけていけるといい。



前向きに頑張る気持ちになった乃々花は、取引相手の女性や憧れていた研究職の先輩から、寸劇を好きでやっている・元からこういうことが得意なんだと思っていた営業の先輩が本当は研究職志望だったこと、はじめはうまく話せなかったところから努力で今のようになったことを知ったのだ。

BEYOOOOONDSのような状況じゃなくても、ハロプロメンバーたちだって思うようにいかないことは多いと思う。ソロパートを歌えるのは1人だけだから、欲しい歌割がもらえない人のほうが多いだろう。デビューできるとも限らないし、入りたいグループに入れるとは限らないし、求められるキャラと自分のなりたい像は違うかもしれない。

でも、彼女たちは自分の今のポジションを受け入れ、できることをやり切って輝いている。そんな姿は最高にかっこいいと思う。

やり切る姿がかっこいい「眼鏡の男の子」



パフォーマンスの中で、前田こころが歌詞に合わせて突然黒縁眼鏡をかけて乃々花をびっくりさせたが、これはデビュー曲「眼鏡の男の子」からきている演出である。彼女はこの眼鏡くん役のために長かった髪を切った。(男勝りな性格なわけでもなかった)

個人的な思い出だが、筆者がこの曲のパフォーマンスを初めて観たのは2018年の「ハロフェス」だ。回替わりのこの公演は、メインのグループのメンバー以外ひとつの衣装を着たきりになる。前田こころは学ランだった。コンサート冒頭の全員曲で「あの子はずっと学ランなのか、ちょっとかわいそうだな」と思った覚えがある。だがその少し後、「眼鏡の男の子」パフォーマンスでその印象は180度変わった。眼鏡をはずし、自信たっぷりにキリっと微笑むシーンの彼女は完全にやり切っており、輝いていた。

か、かっこいい~!!
 一瞬でも「かわいそう」と思ったことを失礼だったなと恥ずかしく思った。終演後、一緒に観た友人も彼女に落ちていた。それまでのイメージじゃなかったり意外なポジションだったりしても、やり切る子のかっこよさったらない。ハロプロって定期的にこういう瞬間があるのでやめられない。(やめる気もないけど!)

今回パフォーマンスしたBEYOOOOONDSメンバー12人


ドラマにはBEYOOOOONDSの12人(全員)が出演した。もしメンバーの名前がわからないがドラマを見て気になる子がいたという方は、下記を参考に確認してほしい。BEYOOOOONDSはグループ内ユニット3組に分かれているのでそれぞれに分け、また2020年に公開された「お家でもびよんず学校」動画とともに紹介する。ぜひ顔・名前を覚えてね!

【CHICA#TETSU】

■一岡 伶奈(リーダー・おじさんの頭をビンで殴っていた人・鉄オタ)


■島倉 りか(昭和のアイドル・カブトムシやクワガタが好き)


■西田 汐里(京都出身・マイぬか床を持っている)


■江口 紗耶(お菓子作り、身長が169cmある)

【雨ノ森 川海】

■高瀬 くるみ(声優としても活動・野菜ソムリエの資格を持っている)


■前田 こころ(「私の心はここにある!」・空手黒帯・眼鏡の男の子の眼鏡くん)


■山﨑 夢羽(圧倒的歌唱力・青いネコ型ロボットがすごく好き)


■岡村 美波(座右の銘「笑顔は1番のおしゃれ」)



■清野 桃々姫(ヒューマンビートボックスを披露)


【SeasoningS】

■平井 美葉(リーダー・バレエ経験者・宝塚が好き)


■里吉 うたの(ダンスが得意)


■小林 萌花(現役音大生・ピアノ)


今回のメイン曲:BEYOOOOONDS「こんなハズジャナカッター!」



今回作中でパフォーマンスされた楽曲はBEYOOOOONDS「こんなハズジャナカッター!」。2021年にリリースされたシングルだ。英語タイトルは[This is not how I pictured myself.]となっており、「こんなの私が思い描いていたイメージと違う」と意訳するとあらためて今回の話にリンクしているなと思う。

またこの曲の歌詞だが、Bメロにある仕掛けがある。1番は「モーニングルーティン 新鮮なジュースで 心身ともに ベリーキュートへ 天使のスマイルを直送 Like a ファクトリー」とあるが、ハロプロの歴代グループ名が入っているのだ。入っている順に挙げると、モーニング娘。、Juice=Juice、Berryz工房、℃-ute、アンジュルム=スマイレージ、こぶし(つばき)ファクトリーだ。カントリーが入っていない!? と一瞬思うが、「VIVA!!薔薇色の人生」の振り付けが入っている。

また2番の同部分は「坂道の途中 四つ葉クローバー 48枚 見つけたよ 喜び一瞬に伝播する Like a ファミリー」で、坂道グループ、ももいろクローバーZ、48グループ、でんぱ組.incなどを思わせる。個性的なアイドルの歌でありながら、ハロプロや歴代のさまざまなアイドルたちへの敬意も入っているように感じてグッとくる。

BEYOOOOONDSの最新曲



今回劇中で流れたその他の曲



冒頭で流れたのは℃-ute「夢幻クライマックス」。クラシックのショパン「革命のエチュード」とベートーヴェンの「月光」が引用されたドラマティックなイントロから始まるこの曲は、1番の歌詞に発売当時のメンバーの名前、2番の歌詞に発売時点でグループから卒業・脱退していたメンバーの名前が入っている。

歌詞に名前が入っているところが今回パフォーマンスされた「こんなハズジャナカッター!」に、クラシックから引用しているところが最新曲「英雄~笑って!ショパン先輩~」と共通しており、番組側のセレクトに舌を巻くばかりだ。

次回(第5回)は市川由衣が登場



ゆみ(桜まゆみ)が地元のお土産として買ってきた大判焼きをマリコ(菊池桃子)とミサキ(大原優乃)が間違って食べてしまったお詫びとして、ゆみが宿泊するサンプラザ朝沼に招待されたすみれ(市川由衣)。仕事にもプライベートにも全力で、中途半端には地元には帰れないと意気込んでいたすみれだったが、仕事では企画が通らず、気分転換のため通っていたジムでは怪我をしてしまい、やる気が空回りしてしまっていた…

(文:ぐみ)

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