2022年03月08日

それは森田剛の電話から始まった 映画『DEATH DAYS』独占インタビュー

それは森田剛の電話から始まった 映画『DEATH DAYS』独占インタビュー


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昨年末にYouTubeで公開になった短編映画「DEATH DAYS」。

生まれたときから自分が死ぬ日=DEATH DAYが決まっている世界で暮らす主人公の「俺」。DEATH DAYは何年にやってくるか分からない。死ぬかもしれない日を毎年迎える中で「俺」が感じ、考えるものとは――。

主人公を演じるのは森田剛、監督を務めるのは長久允。3月12日(土)からは劇場での公開もスタートする本作。
森田のオファーから始まったこの作品に込められた想い、自身が考える「DEATH DAY」についておふたりに語っていただいた。

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とにかく長久監督の作る世界に触れてみたいと思った


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――今回、作品のオファーを森田さんのほうからされたとのことですが、どういった経緯だったんでしょうか。


森田剛(以下、森田):長久さんの『そうして私たちはプールに金魚を、』を観て、今まで触れて来なかった世界観だったので「おもしろいな」と思って。何か一緒にやりたいなあ、ということで、面識はなかったんですけど、お会いしたいというのを留守電に入れたところから始まったんですけど。

――それじゃあ、突然森田さんから留守電が。

長久允(以下、長久):そうです。突然、知らない番号から「森田です」って留守電が入っていたので、最初はいたずらかな、と思いました(笑)。

森田:(笑)。

長久: 基本的に役者さんからオファーされる経験がなかったので、そんなことが現実に起きると思ってなかったんです。しかも、相手は森田さん。びっくりしましたね。その時点で、どれだけ新しいものを作って届けたいのか、という想いを感じて、僕も何か一緒にできたら、と思いました。


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――森田さんの中で、こういう作品が作りたい、というのはもともとあったんですか?

森田:長久さんの作品の世界観や、出てくる役者さんもすごく魅力的だったので、ものすごく惹かれたんです。とにかく、長久さんの作る世界に触れてみたい、というのが最初に思ったところですね。

――先に一緒にやってみたい、という気持ちがあったんですね。

森田:そうですね。かなりむちゃくちゃですけどね。勇気はいりましたね。僕もそんなことやったことがなかったので。

長久:いや、めっちゃ嬉しいですね。 

2人で話してから、脚本は一気に書き上げた


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――今回のテーマはどのように決まったのでしょうか。

森田:実際にお会いして、自分がやりたいことを話したときに、すごく面白がってくれたんですよね。じゃあなにしようか、となったときに、生きることや死ぬことについてはすごく考えてる、という話をさせてもらったら、一気に長久さんが書いてくれたっていう感じです。

長久:新しいことを始めるタイミングで、生死という根源的なテーマがいいな、と思いました。そこから派生することは書きやすかったですし、もともと物語の骨子は手元にあったんです。それを森田さんにお会いしてからあて書きして、1、2週間後ぐらいには完成していました。

森田:台本は、本当に面白かったですね。僕はやることが決まっているというか、長久さんを信頼していたので、長久さんが書いてくれた「俺」という役をやり切ることに集中しました。

――撮影で大変だったことなどはありましたか?

森田:一気にガガッと撮っていった感じですけど。20代から40代まで演じましたが、「俺」が関わる人との時間も本当に一瞬なんです。理屈じゃないけど、単純に寂しくなりました。めちゃくちゃ短くて、濃い時間だったんですけど、どんどんみんな死んじゃうから。切なかったですよ。

長久:撮影中は毎日、年齢が変わっていくし、友人たちや恋人が通り過ぎていくんですよね。本当に人生をギュッとして撮影しているみたいな気持ちで見ていましたね。 

描きたかった人間の不器用さ


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――恋人の紀子(石橋静河)とのやりとりのシーンが印象的でもあり、物語のひとつの転換点でもあると思います。作中では会話のことを「卓球」と例えられていましたが、演じられてみていかがでしたか?


森田:卓球という行為はしているんだけど、あまり相手に気持ちや言葉を届けないことを意識してやってましたね。

長久:感情のアプローチが強いシーンなんですが、そういうときこそ、人はその言葉にそぐわない距離感や熱量で伝えてしまうことにリアリティを感じるな、と思って。僕としては、それをデフォルメしていくような作り方をしたいな、という思いがありました。
人は不器用な生き物なので、「紀子」と「俺」のお互いの不器用さが出たらいいな、出たほうが愛おしく見えるんじゃないかと思って、距離感や、ガタついた関係を一緒に作っていけないかな、という話はしていました。

森田:それがめちゃくちゃ勉強になりました。自分でも心がけていたところなんですけど、長久さんにそういう演出をしてもらって、伝えないようにしているけど、伝えたい気持ちで自分が埋まっていたら漏れちゃう瞬間があったり……それが何か素敵に映るっていうのは、今回すごくおもしろかったな、というところでしたね。

長久:その漏れがいいんですよね。ウワーッ! とかドーン! と気持ちを伝えるより、抑えているものがちょっと漏れる、滲み感がすごく魅力的なんじゃないかな。

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