「ハロプロはもう一人のつんく♂」 ドラマ「真夜中にハロー!」つんく♂×北野篤対談インタビュー



「ハロー!プロジェクト」メンバーが出演してパフォーマンスを披露、悩める現代人にエールを送るドラマ「真夜中にハロー!」がテレビ東京ほかにて放送中。

モーニング娘。、そして「ハロー!プロジェクト」の生みの親であり、2000を超える楽曲を作ってきたつんく♂と、本ドラマの企画・プロデュースを行っているほか、モーニング娘。やBEYOOOOONDSのMVなども手がける北野篤に、ドラマの手ごたえやハロプロへの想いをお聞きした。

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「真夜中にハロー!」でつんく♂が感じた、北野篤の「名回答」とは?


――今回、改めてドラマという形で、つんく♂さんの楽曲をはじめとしたたくさんのハロプロ曲が発信されましたが、意外な反響やうれしい反響はありましたでしょうか?



北野篤さん(以下、北野):まずTwitterを見てると毎回トレンドに入っているので反響を感じますし、「曲は知らないけど励まされた」という声や記事を見かけたのはうれしかったですね。第1話で取り上げたモーニング娘。の「みかん」のYouTubeに「ドラマから来ました」というコメントがついていたりして、このドラマきっかけで曲を知ってくれた人がいるんだと実感してうれしく思いました。

あと、すごい個人的な話なんですけど、母親から「シュールだけどやさしいドラマだね」という感想がきたのも「親孝行できたな」という気がして、うれしかったです。



――つんく♂さんは、ドラマを観てどんな点が印象に残りましたか?

つんく♂:曲をいじってもらえるとか、発売から20年経った「I WISH」をエンディングテーマとしてもう1回焼き直して、今のメッセージとして社会に訴えかけることができるのはとってもありがたいです。 

このドラマの違和感が大事というか、いいなと思って。実際ドラマにハロプロの子が集まると違和感だらけ。いわゆる演技するプロの女優さんとの差が歴然で、この子たち、歌手でよかったなと思いました(笑)。でもこの作品の「ハロプロの子たちを歌手役として出す」のは、ドラマで彼女たちを使うにはベストな出し方だなと思って。上手い技を使ったなと思います。



北野くんとは2017年の「モーニングみそ汁」の頃から関わっています。顔を合わせたのは今日が初めてなんだけど、初めて会った気がしない。曲を理解してやってくれているということは感じてて、ということは僕の人間的な部分を理解して仕事してくれてるのかなと思うので。ドラマの話がきたときも悪いようにはされんだろうというか、安心して「頼むで~!」と預けた感じでしたし、さっきも言ったように「彼女たちをドラマにどう出すか?」という謎に対しては、誰も気が付かなかった名回答を出してくれたなと思っていますね。

北野:うれしいですね。好きな人って優しいんですね……っていう(一同笑)。ちなみに僕の個人的な質問なんですが、菊池桃子さんが主役をやられることに対しては、つんく♂さんはどう思われたんですか?



つんく♂:菊池さんがドラマの中でハロプロの曲をいじってるっていうのが不思議な出来事で。たまたま同学年なんだけど、僕なんかより全然早くから芸能界で戦ってきた人。たぶんあの世代の98%くらいが引退しているなか、今もあの頃と変わらない存在感ですよね。「若い子を取り扱うドラマなんて私はやらないよ」って言ってもいいのに受けてくれて、歌って踊ったりもしてやりきってくださってます。

現場の女優やハロプロメンバーからしたらたくさんいる先輩の1人かもしれないし、僕ら同世代のアイドルファンしか感じないことかもしれないけど、10代から頑張ってきた彼女が仕事を適当にせず、しっかり若い子と向き合ってやってくれる。実はそんな彼女の生きざまこそがいちばんのメッセージなんじゃないかと思います。1シーン1シーンが泣けてきて、ありがたいしうれしいです。



北野:菊池さんがこのドラマのインタビューで「好きになってくれた人は裏切れない。後の活動でも裏切らないように見せていきたいんだ」と言っていて、その姿勢って素晴らしいなと思いました。撮影の最後に(モーニング娘。'22の)小田さくらさんが菊池さんのところに駆け寄っていって握手して、菊池さんからも「応援してるから頑張ってね」と声をかけられて小田さんがすごくうれしそうにして帰っていったのが印象深くて。つんく♂さんが最初に好きになったアイドルの方とつんく♂さんが手がけたアイドルが繋がった瞬間が見れましたあのシーンは心が熱くなって「このドラマやってよかった、このキャスティングでよかった」とすごく思いました。

「モーニング娘。」デビューから25年。続いていくハロプロ


――つんく♂さんの楽曲は、発表時はもちろん、5年後10年後聴いたときに改めて心に刺さる魅力があるなと感じています。楽曲制作時に、そういった長く聴かれる点を意識されていたりですとか、時間がたって改めてご自身が感じることはありますか?

 つんく♂:モーニング娘。がデビューした当初、僕は30歳にならないくらいでした。今は50を超えたけど、若い頃は若い頃なりの社会に対する不満が詰まってて、今は今のメッセージというか、ぼやきみたいなものがあって。今のところ自分で若い頃書いた歌詞を読み返しても、まったく違うと思うことはない。当時はひねくれてた面もあったかもしれないし、未来まで貫けという気持ちで作ったわけじゃないけど、「若いなりによく頑張ってたな」と当時の自分に対して思うかな。 

――モーニング娘。がデビューしてから今年で25年、ファンの中にはハロプロを人生の一部のように感じている人も多いと思います。いまお二人にとってのハロプロを、一言で表すと何ですか?



北野:MVや広告のお仕事をご一緒する機会があるたびに思うのは、ハロプロメンバーのものごとに向かう姿勢がすごいなということ。例えばダンスショットで失敗したところがあると、誰も気づかない小さい部分でもみんな「私ここ失敗したのでもう一回撮り直させてください」と自己申告してきたりする。そういうどんなものでも追求する姿勢というのは、僕ら制作側にとっても勉強になります。

そして、その姿勢はつんく♂さんをはじめとした楽曲を作っていらっしゃる方々の中にも貫かれているなと感じています。自分も「このくらいでいいか」と思ってしまいがちなんですけど、ハロプロのみなさんを見習って正さなきゃいけないなと思うことが多いです。よりいいものを追求していくぶれない姿勢が、ハロプロの魅力な気がしてます。



つんく♂:さっき話したドラマや歌詞もそうだけど、彼女たちが代弁者としてこちら側のメッセージを伝えてくれることに意味があると思っています。男であったりとか、大人であったりとか、おじさんが言うとこじれてしまうものも、彼女たちのフィルターを通すことでマイルドになってこじれなかったり、説得力が出たり、受け手が傷つかなかったりする。でも彼女たちを体よく使っているわけではなくて、彼女たちの未来にも繋がるものとして作ってきたので。



今は僕がすべてのハローを背負っているわけじゃないのでイコールではないけど、そもそもは「もう1人のつんく♂」というような気持ちで作ってきました。僕のいろんな面を、いろんなグループがいろんな曲を通じて社会に訴えかけてくれる、もしくは彼女たちが自分たちの生き方として投影してくれる。僕にとってのそんな存在が、ハロプロです。

(取材・文=ぐみ)

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