特撮向上委員会

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2022年03月20日

『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』1話、2話を観ての感想&今後への期待

『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』1話、2話を観ての感想&今後への期待

■オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会

『機界戦隊ゼンカイジャー』42カイで颯爽と現れ、視聴者の度肝を抜いて早二か月。

そのインパクトは「ゼンカイジャー」の最終回を経ても薄まることなく、そのまま『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のテレビ本編に突入。

ドン1話「あばたろう」で体感した「ドンブラザーズ」の世界は「ゼンカイジャー」とはまた違ったぶっ飛び方をしていて、シリーズを100年続かせるのにきっと必要な、今までのスーパー戦隊で培ってきたものあえて破壊していくことへの意気込みがひしひしと伝わってきました。


「ドンブラザーズ」の何が新しいかというと、まず「集まらない」。

『鳥人戦隊ジェットマン』もなかなかメンバーが揃わず、5人集まるまでに数話要してましたが、それでも「ジェットマン」は冒頭から、バードニックウェーブを浴びた仲間を探す前提で話が進んでいっていました。

今回は仲間探しではなく、はるかがタロウを探してはいるものの素面で集まる気配がないんです。

メンバーの絡みこそ描かれているけれど、お互い正体を知らない様子で、始まった現時点ではスーパー戦隊シリーズ史上、横の繋がりが最も希薄な戦隊と言えるでしょう。

ここから例年のように横のつながりが太くなっていくのか、はたまたこのままゲーム世界のアバターのように、チェンジ後の絆は深まることがあってもチェンジ前はこのまま突っ切るのか。

新たなスーパー戦隊像を構築していく方針だとすると、後者のような気もしますが、そこは毎週の楽しみにしておきます。

ドンモモタロウこと桃井タロウのキャラも、歴代のレッドっぽくなくて斬新です。

今までのレッドといえば熱血漢だったり、後先考えず突っ走ったり、はたまたみんなをまとめるリーダーだったりしたわけですがタロウはどれにも当てはまりません。

出自もよくわかりませんし、桃太郎だからリーダーなのかと思いきや、結構個人で戦うし、まるで追加戦士のよう。

それ以外にも、介人がドンブラの世界になんの目的でいるのかなどの伏線が張られていて、繊細な部分を見せつつ、神輿で紙吹雪まきながら登場するという意味なんかどうだっていい大胆な部分が混在してるところも「ドンブラザーズ」の魅力であり、脚本家・井上敏樹大先生らしさであったりもします。


ほかに見どころといえば、毎回の怪人であるヒトツ鬼の存在です。

1話では騎士竜鬼、2話では烈車鬼といった感じで歴代のスーパー戦隊がモチーフになっています。しかもナダとの卓球からインスピレーションを受けたであろう卓球のシーンや、トッキュウジャーの設定を反映して烈車鬼は若返りたいなど、印象的な要素が取り込まれているのです。

つまり魔神鬼でマンリキが出てくるかもしれないし、侍鬼で影武者が出てくるかもしれないし、機界鬼でヨーホホイ↓が出てくるかもしれないのです。

ゼンカイジャーのセンタイギアも過去のスーパー戦隊の能力が使えるというところから、脱線してスーパー戦隊ネタが盛り込まれていったことから、もっと斜め上いく展開も大いに予想されます。

まだまだ謎の多い「ドンブラザーズ」。1年間よろしくお願いします。

(文:篠宮暁)

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】

第249回:パンドラの箱を開けた『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』への想いと渡部秀への感謝
第248回:「50×45 感謝祭 Anniversary LIVE & SHOW」の裏側で起っていたこと。そこから感じたリバイス愛
第247回:『機界戦隊ゼンカイジャー』最終回によせて、心からの感謝の言葉

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