<青木崇高>ワイルド&クールな魅力を紐解く


「鎌倉殿の13人」(C)NHK

三谷幸喜が「新選組!」「真田丸」に続いて、脚本を担当し、自身の“大河ドラマの総決算”と位置づけているのが、現在放映中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。

ここへきて、武士として初めて政権を握った平清盛がこの世を去り、源氏が改めて勢いを取り戻すという流れになってきています。

源頼朝は鎌倉を拠点に“鎌倉殿”として地盤を固め、そこには義経や範頼などの兄弟たちも集まり大きな勢力を形成。

そんな頼朝に先行する形で京都に進行したのが後に“旭将軍”と呼ばれることになる木曾義仲(=源義仲)です。

そして、「鎌倉殿の13人」で義仲を演じるのが青木崇高

現在の日本人俳優としてはなかなか貴重な“ワイルドさ”と“知性”と“父性”が同居する存在として映画・ドラマ・舞台で活躍し続けています。

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“旭将軍”木曽義仲の鮮烈な生涯


「鎌倉殿の13人」(C)NHK

平安時代末期、京都において、権力者のもとで巧みに立ち回り、影響力を保ち続けてきた後白河法皇は平家の頭領・平清盛と蜜月関係を築く一方で対立する場面も多く、秘かに各地に散った源氏の諸将に平氏追討の院宣を送るようになります。

伊豆に流された源氏本流の源義朝の頼朝、甲斐源氏の棟梁・武田信義、そして信濃の国・木曽で捲土重来を期していた源義仲、奥州平泉に身を寄せていた源義経などが、平家打倒を目指して動き出します。

地盤づくりをしていた頼朝と、その頼朝との間で牽制関係にあった武田に先行して、木曽義仲が上洛のために挙兵します。

俱利伽羅峠の戦いで平家に勝利した義仲は京都に入り、平家は西国へと都落ちしていきました。事実上の京都の治世者となった義仲ですが後白河法皇と対立を深め、後白河法皇は鎌倉の頼朝に義仲打倒の院宣を発します。これを受けて義仲は法皇を軟禁・幽閉します。

一方の頼朝は弟の範頼・義経を京都に派遣、法皇幽閉で人心が離れていた義仲は宇治川の戦いで敗れた後、31歳の若さで討ち死にします。

鎌倉軍との戦いの敗北を受け、義仲と苦楽を共にした巴御前(演・秋元才加)は鎌倉に召し出されたと言われます。さらに、頼朝の娘・大妃の婿(事実上の人質)となっていた長男の義高(演・市川染五郎)は鎌倉を脱したものの、追っ手につかまり討ち取られます。

義仲が挙兵してから討ち取られるまで約3年ほど。この短くも濃密な時間を三谷幸喜はどのように描くのでしょうか?

日本のトム・ハーディ―?俳優デビュー20周年、青木崇高


「鎌倉殿の13人」で木曽義仲を演じるのが青木崇高

大河ドラマは「龍馬伝」の後藤象二郎から始まり、「平清盛」ではなんと武蔵坊弁慶を演じ、「西郷どん」では島津久光と重要な役を演じてきました。

そんな青木崇高は2002年の映画『マッスルヒート』で俳優デビュー、今年でちょうどデビューから20年。

彼はその後も『バトル・ロワイアルⅡ鎮魂歌』や『海猿』シリーズ、『フライ,ダディ,フライ』などの身体を張る作品にコンスタントに出演。この路線は『るろうに剣心』シリーズの相楽左之助役で1つの完成を迎えると言っていいでしょう。


(C)和月伸宏/集英社 ©2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会

『るろうに剣心』のアクション監督の谷垣健治から香港のアクションスター・ドニー・イェンのDVDを参考資料として渡された青木崇高は、剣技中心の『るろうに剣心』の中で一人“徒手空拳の男“として闘い続けました。

その一方で、NHKの朝の連続テレビ小説「ちりとてちん」でヒロインの相手役を獲得します。

「大柄・強面・純粋」という青木崇高の素養を最大限に活かしつつ、多くの落語を実際に披露して見せました。

「ちりとてちん」の頃はデビュー5年目で、“野獣系だけど知性派”という現在の青木崇高の路線の萌芽を見ることができます。

先述の大河ドラマの配役を見ても武蔵坊弁慶こそ”剛の者”の代表例のような役柄ですが、それ以外は上級の武士ばかりです。

この方向性は現代劇でも展開されていて今回の大河でも絡んでいる小栗旬主演の「BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係」シリーズや、WOWOWの連続ドラマWの「石の繭」シリーズなどで、スーツを身にまとい二枚目から三枚目を自由自在に往来して見せます。


(C)2021「99.9 THE MOVIE」製作委員会

この路線の一つの到達点が「99.9-刑事専門弁護士-」シリーズではないかと思います。

このような演技の幅が広い青木崇高を見ると、個人的にはハリウッドスターのトム・ハーディと重なります。

暴れん坊の実在の受刑者を演じた『ブロンソン』やクリストファー・ノーラン監督の『インセプション』、最強のヴィラン・ベインを演じた『ダークナイト ライジング』。そして、タイトルロールをメル・ギブソンから引き継いだ『マッドマックス怒りのデス・ロード』やアメコミダークヒーローの『ヴェノム』シリーズなど肉体派俳優のイメージが強いトム・ハーディですが、その一方で『裏切りのサーカス』や『オン・ザ・ハイウェイその夜、86分』、『レジェンド狂気の美学』などではワイルドさの中にある知性を感じさせてくれています。

実は父親役が多い?


(C)2018「かぞくいろ」製作委員会

青木崇高は豪放磊落さの中に知性も感じさせるというキャラクターもあってか、父親役が意外と多いです。

木曾義仲も大きなドラマの要素になる義高という子供がいますが、月9ドラマ初出演となった「ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~」の主人公のチームメイトでも、まだ30歳前の年齢でしたが、父親役でした。

映画では『かぞくいろ -RAILWAYS わたしたちの出発-』でも父親役(=シングルファーザー)として、有村架純演じる主人公と偶然出逢い、長男とともに新たな生活を送るイラストレーターを演じています。

決して出番は多くありませんが、それまで天涯孤独の身だった主人公の人生に大きな影響を与える役どころです。

青木崇高自身も子役と絡む役(父親や兄貴分キャラ)が多くて撮影の外のでも子役とコミュニケーションをとって楽しい時間を過ごしているという話もあります。

2年前にはプライベートでも女優の優香との間に一児が誕生していて、『るろうに剣心』の左之助も神谷道場の少年剣士・弥彦と無駄口をたたき合うシーンも印象深いものがありました。

「ワイルド・野獣系・豪放磊落」といったイメージにもともと、持ち合わせていた知性を役に反映できる青木崇高は、これからも貴重な存在として映画・ドラマ・舞台で活躍してくれることでしょう。

(文:村松健太郎)

■『かぞくいろ -RAILWAYS わたしたちの出発-』配信サービス一覧




| 2018年 | 日本 | 109分 | (C)2018「かぞくいろ」製作委員会 | 監督:吉田康弘 | 有村架純/國村隼/桜庭ななみ/歸山竜成/木下ほうか/筒井真理子/板尾創路/青木崇高 |

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