<座談会>2022年夏ドラマの注目作品は? ドラマライターが語りつくす!

「オールドルーキー」より (C)TBS


夏のドラマが本格的にスタートする時期がやってきました。

今回はcinemasPLUSのドラマライターによる座談会を決行。春ドラマを振り返るとともに、夏ドラマの見逃せない作品について語りつくします!

■参加ライター紹介


ぐみ

好きなドラマ…「大豆田とわ子と三人の元夫」「リップスティック」「Nのために」「ラスト・フレンズ」
好きな脚本家…坂元裕二、野木亜紀子、野島伸司

ぐみの書いた記事一覧

桐本絵梨花
好きなドラマ…「大豆田とわ子と三人の元夫」「カルテット」「最高の離婚」「獣になれない私たち」「オレンジデイズ」「青い鳥」
好きな脚本家…坂元裕二

桐本絵梨花の書いた記事一覧

苫とり子
好きなドラマ…「獣になれない私たち」「おちょやん」「その女、ジルバ」
好きな脚本家…野木亜紀子、安達奈緒子

苫とり子の書いた記事一覧

2022年春ドラマ振り返り!「やんごとなき一族」「マイファミリー」、面白かったのは…?

「やんごとなき一族」より (C)フジテレビ

「やんごとなき一族」より (C)フジテレビ

――まず先に2022年春のドラマを振り返っておこうと思います。4月のドラマは皆さん的にはどうでしたか?

※以下、2022年春ドラマのネタバレあり。ご注意ください。

ぐみ:「やんごとなき一族」(フジテレビ)が期待以上に面白かったです。松本若菜さんの演技がすごかったですし、松下洸平さんも過去イチかもしれない。主役の土屋太鳳さんのポジションって一歩間違うと反感を買いそうなのですが、応援したくなる感じでよかったです。

桐本:「やんごとなき~」は面白いですよね。挿入歌の「恋だろ」(wacci)がすごくベタな歌詞で、それだけで聴いたら恥ずかしくなっちゃうときもありそうだけど、あの二人(土屋太鳳・松下洸平)を見ながらだとめちゃくちゃハマる、わかる、みたいな。

私は「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」(TBS)がすごくよかったです。仕事とか人生観とか、生きていく上で大切なテーマがしっかり描かれていて、上野樹里さんが自然体の役を演じられていたのがすんなり入ってきて。田中圭さんもハマってたし、磯村勇斗さんも年下系小悪魔感がいい感じでした。

苫:私は「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」(日本テレビ)が好きでした。女性の働き方の問題に切り込みつつ女性と男性双方の視点から意見をきれいにまとめて取り上げていたと思います。一番すごいと感じたのは、初回から女性の働きにくさを描いてきたかと思えば、ラストで男性の生きづらさを盛り込んできたこと。改めていろいろ考えさせられる作品でしたね。

ぐみ:あとは、「明日、私は誰かのカノジョ」(MBS、TBS)が、原作の再現度が最高で。

苫:「明日カノ」は、人気の作品なので実写化に不安もあったんですけど、齊藤なぎささん、宇垣美里さんの再現度がすごかったですね。あと、ホストの楓を演じた高野洸さんも解釈一致という感じ。原作ファンも納得の仕上がりでした。

桐本:考察系の「マイファミリー」(TBS)と「インビジブル」(TBS)も、続きが気になって毎週楽しみでした。「マイファミリー」は誰が黒幕か本当にわからなかったですね。

ぐみ:あれ、サンドウィッチマンの富澤さんだとは全然思いませんでした。すごくいい人ぽかったのに。

苫:「マイファミリー」は、あとから振り返って「ああ、そうなんだ」みたいな伏線がそれほど感じられなかったかなと。

ぐみ:確かに、「だから、この人あんなこと言ってたんだ」みたいなのがもっとあるとよかったなとは思います。「インビジブル」もまさか桐谷健太さんとは思わなかったです。すごい嫌な奴と思わせて途中で志村(演:高橋一生)と共闘していい奴なのかなと思わせてから、「結局こいつかよ」みたいな。

(C)TBS
「インビジブル」より (C)TBS


苫:「インビジブル」は酒向芳さんがあやしいと思ってたんです。「最愛」(TBS)の時みたいに優しそうに見えてクセのある役が多い方なので。と思ってたら桐谷健太さんでびっくりしました。

ぐみ:あのイっちゃった感じの桐谷健太さんはすごいよかったので、もう少し見たかったです。キリヒト役の永山絢斗さんももうひと暴れしてほしかった。

桐本:永山さんのサイコパス感もしびれましたね。いい意味でめちゃくちゃ気持ち悪かったです。

2022年夏ドラマの注目作は「初恋の悪魔」「ユニコーンに乗って」…坂元裕二作品の魅力とは?

「ユニコーンに乗って」より  (C)TBS

――さて、ここからいよいよ本題です。ずばり、7月クールのドラマでみなさんの推し作品は?

苫:私は「ユニコーンに乗って」(TBS)が一番楽しみです。映画の「マイ・インターン」とちょっと設定が似てるんですよね。「マイ・インターン」でアン・ハサウェイとロバート・デ・ニーロ演じる歳が離れた二人が友情で結ばれていくのがとても好きだったので。天然でほんわかしたイメージの永野芽郁さんがCEO役というギャップもいいし、西島秀俊さんは朝ドラの「おかえりモネ」(NHK)のときのような理想の上司ぶりが見れるんじゃないかなと期待しています。

「ユニコーンに乗って」より(C)TBS

桐本:イチ推しは坂元裕二さん脚本の「初恋の悪魔」(日本テレビ)ですね。キャストも林遣都さん、仲野太賀さん、松岡茉優さんと坂元さんの作品でおなじみの顔ぶれで。刑事ものということでどんな仕上がりになるのか楽しみです。

ぐみ:私も「初恋の悪魔」です。林遣都さんは役によって全然違う感じになる人だし、仲野太賀さんは最近ドラマ出てないなって思っていたところなので。あと、坂元裕二さんのドラマに出る田中裕子さんが最高なのでそこも楽しみです。

苫:「初恋の悪魔」は柄本佑さんが出るのがすごく楽しみですね。佐久間由衣さんに想いを寄せる設定なので、柄本さんのラブストーリー的なところが見られそうで。

――皆さん、坂元裕二さんの脚本が好きなんですね。

桐本:坂元さんのドラマは面倒くさい人を忠実に描いているところが魅力。「カルテット」(TBS)の家森さん(演:高橋一生)とか「最高の離婚」(フジテレビ)の濱崎さん(演:永山瑛太)など、面倒くさいけど愛される人を本当にいそうな感じで描けるのがすごいと思います。

苫:坂元さんの脚本はセリフが心に残りますね。特に「大豆田とわ子と三人の元夫」(フジテレビ)でかごめ(演:市川実日子)が亡くなった後に、小鳥遊(演:オダギリジョー)がとわ子(演:松たか子)に語った死に対する考え方が心に響きました。

ぐみ:今私も苫さんが言った「とわ子」の場面が浮かんでいました。あそこの小鳥遊の言葉で、私自身もずっと持っていた、亡くなった友人への後悔の気持ちみたいなものから救われたんですね。かごめが自分の生きづらさを告白する場面も心に響いたし、見る人も自分の人生と照らし合わせて救われる瞬間があるところがたまらないなと思います。

桐本:他は「石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー」(TBS)も有村架純さんと中村倫也さんなので無条件に楽しみ。「オールドルーキー」(TBS)は男女問わずキャストのビジュアルが最強で最高! 秋元康さん企画の「赤いナースコール」(テレビ東京)も気になりますね。

「オールドルーキー」より (C)TBS


ぐみ:「六本木クラス」(テレビ朝日)は元ネタの「梨泰院クラス」をまだ見られてなくて、そっちを先に見たほうがいいような気もして悩みます。

苫:「梨泰院クラス」見ましたが、話自体が面白くて、「六本木クラス」も役者さん合ってる気がします。特に新木優子さんの美しさとか。あの復讐劇を日本風にしたときに合うのかな?ってのはあるんですけど。みなさん、復讐劇とかってどうですか?

ぐみ:復讐劇、好きです(断言)!

桐本:復讐劇でいうと、ちょうど4月からテレビ東京と「Paravi」で“オンナの復讐シリーズ” (「寂しい丘で狩りをする」「復讐の未亡人」)始まりましたよね。

ぐみ:「復讐の未亡人」はParaviの先行配信で見ていますが、めちゃくちゃ面白い。松本若菜さん、「やんごとなき一族」とは別人のようですごいです。

――7月クールのドラマは、ジャニーズ事務所の俳優さんの出演も多いですよね。

桐本:私は重岡大毅さん(ジャニーズWEST)が気になりますね。お芝居がすごく上手でもっと出てほしいと思ってたので、「雪女と蟹を食う」(テレビ東京)は期待しています。

苫:個人的に大橋和也さん(なにわ男子)が、かわいいキャラとちょっとかすれた声のギャップがいいなと思っていて。春ドラマの「俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?」(テレビ朝日)もよかったので、「消しゴムをくれた女子を好きになった」(日本テレビ)気になりますね。あとは、「純愛ディソナンス」(フジテレビ)の中島裕翔さん(Hey! Say! JUMP)。吉川愛さん演じる生徒に惑わされる感じをどう見せてくるかなと。

ぐみ:気になるのは「NICE FLIGHT!」(テレビ朝日)主演の玉森裕太さん(Kis-My-Ft2)。玉森さんは役ごとに違う雰囲気で繊細な演技をする方なので、今回はどんな感じになるのかなと。Snow Manの阿部亮平さんが連ドラ初出演なのも楽しみです。

――ここまでお話を伺って、皆さんやはりドラマが好きなんだなとよくわかりました。最後にお聞きしたいのですが、皆さんにとってドラマはどんな存在? どんな感じで楽しんでいますか?

桐本:ドラマは自分にとって、ものすごく影響を受ける対象ですね。登場人物の行動を見て「今までしたことなかったけど、してみようかな」って思うときが結構あります。

苫:人生の指南書みたいな感じで見てることが多いです。同じ悩みを抱えている主人公がどう生きていくのかを見ていく中で共感したり元気をもらえる、そういう作品が好きですね。

ぐみ:ドラマは感情移入して見ることが多いです。過去に好きだった作品のシーンは10年以上前のものでも最近見たもののように思い出せるし、日常と自分を切り離したいときは映画館に行くんですけれど、ドラマはより身近というか、思い入れみたいなところが強い気がします。

――なるほど! これから本格的に始まる夏ドラマ、楽しみですね。本日はありがとうございました。


(文:シネマズ編集部)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

RANKING

SPONSORD

PICK UP!