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2023年01月16日

「どうする家康」第2話:「この世は地獄じゃ!」地獄が兎を寅にする?

「どうする家康」第2話:「この世は地獄じゃ!」地獄が兎を寅にする?

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2023年1月8日放送スタートしたNHK大河ドラマ「どうする家康」。

古沢良太が脚本を手がける本作は、弱小国の主として生まれた徳川家康が乱世を生きる姿を描いた波乱万丈エンターテイメント。大河ドラマ初主演となる松本潤が従来のイメージとは異なる「ナイーブで頼りないプリンス」の徳川家康を演じる

本記事では、第2話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「どうする家康」第2話レビュー

逃げて、家康!! と信長の眼光に何度叫んだことか。

織田信長(岡田准一)の軍勢に城を取り囲まれた元康(松本潤)。
「竹千代! 逃げぬとはあっぱれじゃ!」と城外から声をかける信長に、元康は「逃げればよかった……」。違うんです、この人、逃げたくても逃げられなかっただけなんです!

佇まいが恐ろしいし、織田軍に漂う緊張感が凄まじい。

そして、幼かったころの元康――当時、竹千代と信長の出会いが描かれる。
竹千代の父、松平広忠(飯田基祐)は織田と今川に挟まれ、苦しんでいた。そこで、竹千代を安全な場所に逃がそうとするが、裏切りに遭い、織田に人質としてとられてしまう。赤い衣に身を包んだ信長。
「かわいいのう。白い子兎のようじゃ。食ってやろうか!」
怖い。本当に食ってしまいそう。

織田信秀(藤岡弘、)は松平に今川と手を切らなければ、竹千代を斬る、と言う。
ここで竹千代は松平家から見捨てられ、殺されそうになるが……そこで助けたのが信長だった。

「こやつは俺のおもちゃだ。勝手なことをされては困ります」

刀を抜き、にらみ合う織田親子。この親子、無敵感が強すぎる。絶対に2~3度天下統一してるでしょ。
「生かしておけば使い道もありましょうぞ」という信長に信秀は笑う。こうして、竹千代は信長預かりになった。
竹千代は毎日のように信長たちに相撲で投げ飛ばされる。
「地獄じゃ」と呟く竹千代に「その通り、この世は地獄じゃ!」と信長は高笑いを上げる……。トラウマの原因はここか。

 
場面は戻り、桶狭間。信長は攻めることなく引き上げる。狙いはなんだったのか。
元康は城を出て駿府を目指すことを告げるが、出立直前に雲行きが変わる。岡崎城から知らせが届き、城代の山田新右衛門(天野ひろゆき)が討ち死にし、家臣たちが城を捨てたというのだ。

元康の家臣たちは、これを機に本領の岡崎に入るべきだというが、元康は、妻の瀬名(有村架純)や子がいる駿府に帰りたい。意見は対立し、その結果、二手に分かれることになってしまう。

多くの兵は岡崎に向かうことになり、元康のもとには本多忠勝――平八郎(山田裕貴)ら少ない手勢だけが残った。
先行きに不安を感じたところで、三河の大草松平家当主・松平昌久(角田晃広)が現れる。
助けにきたらしい昌久に、家臣たちは何度も裏切られているのだから信用できないと言うが、元康はそれを聞き入れなかった。結局、昌久にだまし討ちに遭い、多くの犠牲者を出してしまう。
元康たちは、松平家の菩提樹・大樹寺に逃げ込むものの、昌久の軍に取り囲まれている。絶体絶命であることは変わらない。

昌久の狙いは自分の首だと悟った元康は、松平家の墓の前で命を絶つことを決意する。
無能な自分にできるのはこれぐらい、と。
そこにやってきた平八郎が介錯を引き受ける。元康を主君としては認めない、と言っていた平八郎だが、本当の望みは父や祖父のように、命をかけて主君を守ることだ。それを聞いた元康は目に涙を浮かべる。
「厭離穢土欣求浄土……」と唱える元康。汚れたこの世を離れて極楽浄土へ行けという教え。

そして、尾張での人質としての日々を思い出す。
そのときの竹千代は、信長に何度投げ飛ばされても、へこたれなかった。
「違う!兎ではない、竹千代は寅だ!」と言い、ある日とうとう信長を倒す。が、すぐに信長に押さえつけられてしまう。
「そうじゃ、その目じゃ。その目だけは忘れるな」と信長は楽し気に微笑む。

その記憶が、元康に闘志を蘇らせる。

そして、そこに話を聞いていた榊原小平太(杉野遥亮)が「汚れたこの世を浄土にすることを目指せと教わった」と話す。
「さまざまな解釈があるのでしょうが、ご領主たる身であらせられるならば、かように解釈なされるのがよろしいかと」
しかし、これはある種、徳川家康が作ろうとした世では?

寺から出た元康は昌久に向かって宣言する。
岡崎に入り、三河を平定、そして織田や武田ら、どのような敵からも守ってみせる、と。
その気迫に昌久は押される。そして心動かされる平八郎……。小平太も、かもしれない。

第2話で早くも覚醒か! と思ったがそんなことはない。

岡崎に入り、家臣たちの前で「この元康は寅の化身じゃ。織田信長など蹴散らしてくれようぞ!」と宣言し、士気をあげた直後、居室で頭を抱える。

武田信玄(阿部寛)の視界に入り、信長からは「いよいよ喰らいに行くか、白兎よ」と言われる。

寅の年、寅の日、寅の刻に生まれた元康……だが、実は年が明けてうさぎ年に生まれた元康。
元康の母・於大の方(松嶋菜々子)は言った。「兎などいけませぬ。狼に狩られてしまいます」

信長だけではない。白兎は今、獰猛な何頭もの狼に、狙われている。

(文:ふくだりょうこ)

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