©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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2023年04月16日

【2023年春】アニメ好きライターが選ぶ注目アニメ“5選”

【2023年春】アニメ好きライターが選ぶ注目アニメ“5選”


2023年春アニメがアツイ。人気コミックスのアニメ化や人気アニメシリーズの新作など、盛りだくさんである。今回は、アニメ好きライターが既に観て、続きが待ち遠しい注目アニメ5作品を紹介する。

1:スキップとローファー



高松美咲が月刊アフタヌーン(講談社)にて連載中のコミックス、「スキップとローファー」がついにアニメ化!「マンガ大賞2020」にノミネートされ3位を受賞するなど、注目を浴びてきた作品だ。

中学卒業を機に石川県から東京の高偏差値高校に首席入学した岩倉美津未が、さまざまな人と出会い、楽しい高校生活を送るスクールライフ・コメディ。勉強はできるけれど、天然でどこか抜けている美津未は、クラスメイトたちに元気を与える存在となる。

アニメ化にあたり、アニメーション制作は「パリピ孔明」「SHIROBAKO」などを手掛けてきたアニメーション制作会社P.A.WORKSが担当。声は、主人公・岩倉美津未役を黒沢ともよが、志摩聡介役を江越彬紀が務める。

2023年4月4日(火)に放送された1話「ピカピカ」では、桜が舞う中、フレッシュな新入生たちが高校に入学する様子を描いていた。

ピカピカに輝く新品のローファーを履き、鏡の前で制服の着こなしをチェックする様子から、これからの期待と緊張感が伝わってくる。入学式ではスピーチを担当するのに電車を乗り間違えてしまったり、間に合わせるために裸足で通学路を駆けたりと、早くも美津未の個性が炸裂していた回であった。

彼女に声をかけ、一緒に走った志摩との今後の関係も気になるところだ。

2:地獄楽



賀来ゆうじが少年ジャンプ+で連載していた全13巻のコミックス「地獄楽」。連載終了から2年経ち、満を持してアニメ化された。

舞台は江戸時代末期。抜け忍として囚われ死罪人となった元石隠れ最強の忍・画眉丸が、最愛の妻と再会するため、極楽浄土と噂される島から「不老不死の仙薬」を持ち帰り無罪放免となるべく戦う本作。打ち首執行人・山田浅ェ門佐切とともに命を懸けて挑んでいく。

アニメ化にあたり、アニメーション制作は「進撃の巨人 The Final Season」や7月に第2期の放送を控える「呪術廻戦」シリーズを手掛けてきたアニメーションスタジオMAPPAが担当。声は、画眉丸役を小林千晃が、山田浅ェ門佐切役を花守ゆみりが務める。

2023年4月1日(土)からの放送を観て感じるのは、巧みな「生と死」の描き方である。

“がらんどうの画眉丸”の異名を持つほど多くの者を殺してきた画眉丸が、「死にたい」と言いつつも殺されそうになると必死に生きようとする様子。「綺麗に罪人の首を斬る」ことを目標にしている佐切が、人を殺す恐怖心を抑えきれない様子。常に死と隣り合わせにある2人が、人を殺すことへの葛藤や生きることへの執着心を抱いている姿を観ると、より命の重さを感じる。

MAPPAが手掛けた他の作品でも度々描かれていたが、「生きるために戦う」この世界の残酷さと美しさが見事に描かれていた。

3:天国大魔境



石黒正数が月刊アフタヌーン(講談社)にて連載中のコミックス、「天国大魔境」がアニメ化された。「このマンガがすごい!2019」ではオトコ編第1位にランクインされ、話題になっていた作品である。

物語は、“天国”と“地獄”2つの軸で展開されている。“天国”には最新テクノロジーが駆使された建物でAIから勉強を教わる子どもたちが暮らし、“地獄”には大災害により荒廃した日本で資源や食料を求めて歩き回るキルコとマルが暮らす。キルコとマルは、“人食い”と呼ばれる異形の化け物と戦いながら、“天国”を探していた。

アニメーション制作を担当したのは「攻殻機動隊」「PSYCHO-PASS」シリーズなどを手掛けてきたアニメーション制作会社Production I.Gが担当。声は、マル役を佐藤元が、キルコ役を千本木彩花が務める。

2023年4月1日(土)に放送された1話「天国と地獄」では、“天国”と“地獄”の異なる描き分けが印象的だった。

“天国”にいる子どもたちは、整備された綺麗な空間でのびのびと暮らす一方、実態はAIや大人に監視され、巨大な壁に覆われ自由とは呼べない異様な環境にいる。“地獄”と呼ばれる日本は、大災害の爪痕が凄まじかった。建物はどれも崩壊寸前で、人気もない。資源や食料もなく、餓死で亡くなった人も描かれていた。その日暮らしの生活をするマルとキルコだが、彼らの自由を制御する大人は存在しない。

徐々に明かされていく彼/彼女らの正体が気になり、今後の展開も見逃せない。

4:【推しの子】



「週刊ヤングジャンプ」で連載中の、赤坂アカ×横槍メンゴのコミックス【推しの子】が、アニメ化。2023年4月放送開始に先駆けて、3月に1話「【Mother and Children】」(90分拡大版)が劇場上映され、早くも盛り上がりを見せていた。

繰り返される「この芸能界において嘘は武器だ」という言葉が印象に残る本作。産婦人科医・ゴローの元に現れた患者は、双子を妊娠した推しのアイドル・アイだった。ショックを受けながらも医者として彼女を支えるゴローだが、出産直前、ゴローは何者かに襲われてしまう。しかし再び目覚めると、アイの子供・星野愛久愛海(通称:アクア)として生まれ変わっていたのだった。

アニメーション制作を担当するのは、「刀剣乱舞」シリーズや「ちいかわ」を手掛けたアニメーション制作会社の動画工房である。声は、アイ役を高橋李依が、アクア役を大塚剛央が務める。

踊り歌うアイの姿は、文字通りキラキラと輝いていて天性のアイドル。どんなことも乗り越えてしまいそうな肝の据わった性格だが、嘘だらけの芸能界に染まり自分の本音が分からず、悩みを抱えている一面も繊細に描かれていた。

アイのオタクが転生した双子の子どもたち、アクアとルビーにも注目である。1歳とは思えない言語力だったり、見事なオタ芸を披露したりと、思わず笑ってしまうような場面がいくつかあった。2人がどれだけアイを愛し、アイも2人をどれだけ愛していたかが分かったからこそ、1話の終盤は涙が止まらなかった。悲しみの余韻を抱えながらも、アクアとルビーの成長、そして復讐劇を見届けたい。

5:鬼滅の刃「刀鍛冶の里編」



集英社ジャンプコミックス1巻~23巻で累計発行部数1億5000万部を突破した、吾峠呼世晴による大ヒット作「鬼滅の刃」。「遊郭編」放送から1年が経ち、いよいよ新シリーズ「刀鍛冶の里編」の放送が始まった。

遊郭を出て、次に炭治郎が向かった先は「刀鍛冶の里」。刀鍛冶の鋼鐵塚に再び刀を打ってもらうために訪れたのだった。そこでは、鬼殺隊最強の剣士・柱である霞柱・時透無一郎と恋柱・甘露寺蜜璃と再会したり、上弦と対峙したりと、出会いと戦いが待っていた……。

2023年4月9日(日)にテレビ放送がスタートしたが、1話「誰かの夢」はすでに『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』で劇場公開されていて、公開直後も話題になっていた。中でも盛り上がっていたのは、新たに登場した上弦の鬼たちの絡みと、無限城の存在感である。

不気味な容姿なうえ、ベテラン声優たちの芝居が加わると、より禍々しさが増していた上弦の鬼たち。全員集結すると、一触即発のような重い雰囲気を醸し出していた。人間には見せなかった、階級の差によるプライドや嫉みに注目だ。

「無限城の作画」というワードがトレンド入りしていたほど、世間を騒がせた無限城のクオリティ。生き物のように変化する城はもはや芸術であった。「遊郭編」で圧倒的な画力を見せつけられた後だったため、アニメーション制作を担当したufotableの更なる力に慄く。物語はもちろん、今後どんな絵が観られるのかにも期待が高まる。

【関連記事】『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』“映画館”は映画・配信・テレビの垣根がなくなる?


今回はこの春に観た・そして続きが気になる注目の春アニメ5作品を紹介した。同じアニメでも、それぞれの制作会社によって作画や演出が全く別であり、感情の揺さぶられ方が異なる。1作ずつ、存分に味わっていきたい。この春もアニメを追いかけ、忙しい日々になる予感だ。

(文:きどみ)

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