「おむすび」歩(仲里依紗)、真紀ちゃんのお墓参りに行く【第41回】


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2024年9月30日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「おむすび」。

平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。
青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく。」 はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事で巡りあった人たちのために。さらには、全国に住む私たちの幸せへと、その活動の範囲を広げていく。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。
今回は、第41回を紐解いていく。

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今度は古着ファッション

第9週「支えるって何なん?」(演出:大野陽平)のはじまり。今日も今日とてヘアサロンヨネダはたまり場化して、レギュラー大集合という感じです。

皆さん、それぞれ店を持っているはずなのにどうなっているのかという疑問はさておき(結がいるから日曜日なのかも)、美佐江(キムラ緑子)結(橋本環奈)の話を聞いて「彼氏のために栄養士になるなんてえらいわー」と褒めます。それを聞いて、彼氏と認めていない聖人(北村有起哉)は苛立ちをマッサージに込めます。後頭部をあまり乱暴に叩くのは人体に危険ではないでしょうか。

そのとき、歩(仲里依紗)がド派手な格好で店に入ってきました。
3年前に福岡に顔を出したっきり、あちこち旅してまわっていたらしく、いまは古着バイヤーになっていました。ド派手な格好も古着のようです。お似合いです。
聖人は自由な歩にもいらいら。たぶん、おじいちゃん(松平健)を思い出すからでしょう。

トラック野郎として放浪していたおじいちゃんの豪快さに似てきた歩は、さんざん騒いでご飯をたくさん食べて結の部屋で寝てしまいますが、薄暗い部屋で結に、神戸に来てメンタル的に大丈夫だったか心配します。歩は2年前に来たとききつかったと告白。
仲直りしている歩と結なので、父母には見せない弱い心を見せ合うことができるのです。

見た目も態度もすっかり変わってしまった歩に、商店街の人たちもびっくりしてましたが(美佐江の「別人みたいなんやけど〜」というツッコミは視聴者の声でもありそう)、少女時代の歩と結といまの歩と結が、いくら年をとったら変わるものとはいえ面影がこれっぽちもなく、口調が全然違うことにやや戸惑います。

人って、子どもから大人になるとこんなにも変わるものなのでしょうか。なんらかのきっかけによって変わる人もいるのでしょう。ただ、子役が理想的ないい子演技をしすぎているから違和感がぐーんと拡大するのだと思います。

翌日、結は学校。
運動生理学の授業で、難しい問題を当てられて困っていると、沙智(山本舞香)がスラスラ答えます。アスリートに関する質問で、結だって四ツ木(佐野勇斗)のために栄養士を目指しているのですから、学ぶべきことなのです。

沙智のいないところで、森山(小手伸也)がアスリート専門の栄養士の問は狭いと言います。優秀なだけでなれるものではなく、コネなども必要になるそうで。となると、彼氏を支えるためになどど言っている結のことが、腹が立って仕方ないとしても無理はないでしょう。

歩は、元町で古着屋をやっているチャンミカ(松井玲奈)に挨拶に行ってから、真紀ちゃんのお墓参りに向かいます。

チャンミカは「このあと行くん?」「ほなよろしく言うといて」とさりげなく言います。チャンミカと真紀ちゃんも友達のようです。彼女はギャルをやっていたそうなので、真紀ちゃんが生きていたら気が合ってつるんでいたかもしれません。なんでギャルになりたい話を真紀ちゃんがしていたとき、チャンミカは出て来なかったのか。

なっちゃんとチャンミカの唐突感は、子ども時代が回想シーンのみであることの弊害でしょう。こんなこと言ってもしょうがないので、今後のふたりの活躍に期待しましょう。とりわけ、松井玲奈さんは、これまで朝ドラの「まんぷく」では主人公のお友達、「エール」では主人公の姉として登場し、いつもいい演技をされていますので、今回も安心です。

そこへ渡辺(緒形直人)がやって来て、歩の供えた花を持って帰るようにと、つっかえします。
ちゃらちゃらして見える歩ですが、内面はデリケート、そんなんされたら相当ショックが大きく、また神戸から出ていってしまいそう。

渡辺はどうやらいまだに震災の傷が癒えていないようですが、娘の死は、歩のせいではないので、いくらなんでもそこまできつく当たる必要なないんじゃないかという態度です。今週は、荒んで見える渡辺の心がほぐれるか否かが注目ポイントになるかもしれません。


(文:木俣冬)

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