『武曲』綾野剛が前田敦子と玄関先でSEX!更に風吹ジュンにも!

武曲 MUKOKU

(C)2017「武曲 MUKOKU」製作委員会

公開前から、その異様とも言える迫力の内容で話題となっている映画、『武曲』。芥川賞作家である藤沢周の同名小説を、『私の男』の熊切和嘉監督と、綾野剛・村上虹郎主演で映画化した本作を、今回は公開初日の最終回で鑑賞してきた。

漢字二文字の無骨なタイトルから受けるハードな印象からか、残念ながら場内は3〜4割程度の入り。

今回、原作小説未読の状態で鑑賞に臨んだ本作だったが、果たしてその内容はどうだったのか?

予告編

ストーリー

「殺す気で突いてみろ!」矢田部研吾(綾野剛)は、まだ小学生だった自分に、日本刀を突き付けて剣を教えるような警察官の父・将造に育てられた。おかげで剣の道で一目置かれる存在となったが、父とのある一件から、進むべき道を見失い、剣も棄ててしまった。

そんな中、研吾のもう一人の師匠である光邑師範(柄本明)が、研吾を立ち直らせようと、一人の少年を研吾のもとへと送り込む。彼の名は羽田融(村上虹郎)、ラップのリリック作りに夢中で、どこから見ても今どきの高校生だが、台風の洪水で死にかけたというトラウマを抱えていた。そんな彼こそ、本人も知らない恐るべき剣の才能の持ち主だった。

研吾と融、共通点はなかった。互いに死を覗きながら闘うこと以外は──そして、その唯一の断ち斬り難い絆が、二人を台風の夜の決闘へと導いていく──。(公式サイトより)

武曲ってそもそも何?どういう意味なの?

聞きなれない『武曲』というタイトルって何のこと、どんな意味?そんな疑問を持たれた方も多いのでは?

「武曲(むこく)」とは、北斗七星の中の二連星。

実は原作小説の序文には、その意味がこう書かれている。

偶然の出逢いから始まり、共通の体験である過去の「死」に対する強烈なトラウマにより、次第に対決へと向かう研吾と融。つまりタイトルの時点で、既にこの二人の運命的な繋がりと対立が示されているのだ。

それにしても、本編中で主演の二人が披露する剣道の技や立ち居振る舞いは、実にリアルで迫力に満ちており、本当に剣道の達人同士が死地に向かうかの様で見事だった。

特に運命の二人が、台風による豪雨の中でついに対決するシーンは必見!対決の最中、正にこれぞ「映画ならではの手法」としか言いようの無い、現実には有り得ない描写が出て来るのだが、ここは是非劇場でご確認を!

武曲 MUKOKU サブ1

(C)2017「武曲 MUKOKU」製作委員会

前田敦子の贅沢な扱い!
まさかのドアを開けたままの玄関先でSEX、さらに風吹ジュンにまで!

後述する様に、原作小説とはかなりアレンジされている映画版だが、中でも短い登場場面ながら、観客に強い印象を残す前田敦子のキャラクターは、実は映画独自の物だ。

映画では、綾野剛扮する研吾の彼女として登場する彼女だが、実は原作には研吾の彼女は登場せず、代わりに研吾が行った飲み屋の客で、その後一夜の関係を持つ女性が登場する。この辺りは原作の設定を残しつつ、前田敦子向けに上手くアレンジしているな、と感じた。
それにしても、本作での前田敦子の扱いと言ったら・・・。贅沢と言うべきか、それともムダ使いと言おうか?

中でも、村上虹郎扮する融の眼の前で、昼間からドアを開けたままの玄関先で研吾に押し倒されて・・・、その後に続く衝撃シーンには正直驚いた!

この相当際どいシーンでは「苦役列車」以上の下着姿まで披露しているので、ファンの方にはこの部分だけで充分入場料の元は取れる!とだけ言っておこう。

更にその後、酔った研吾が風吹ジュンに襲い掛かるという、名シーン?も登場するのだが、実はこの部分も原作には無い描写だ。

この様に、原作を遥かに超える攻めた描写の積み重ねで、これでもか、と研吾のダメ人間っぷりが延々描写される本作。特に綾野剛が随所で披露する「アルコール中毒」の演技は、昨年の『日本一悪い奴ら』における覚せい剤シーンに匹敵する迫真の演技なので、要注意だ!

最後に

今回、ネットでの感想で目立ったのが、綾野剛扮する研吾がいくら何でも廃人過ぎる・・・、というもの。

実はこれも映画独自のアレンジであり、原作小説での研吾は過去にアルコール依存症だったのを克服し、高校の剣道部のコーチとして指導しているところで融に出会う。その後再びアルコールにおぼれる様になるため、原作では映画ほど人格破綻者でも無ければ、最初から世捨て人的生活を送っているのでも無い。

更に付け加えると、映画のクライマックス6分に渡る、豪雨の中の研吾と融の決闘も、原作では2ページ程であり、決闘の後の展開の方が、実は結構長くて重要だったりする。もちろんあの「特殊な雨」の描写も映画オリジナルだ。

こうして改めて振り返ってみると、本作は完全に熊切和嘉監督の映画であり、その映画独自のアレンジが全て成功し、本作を異様な迫力と魅力に満ちた作品としていることが良く判る。

原作小説に色濃かった、どこか爽やかな青春ドラマのテイストと、剣道に魅せられたライバル同士の宿命は影を潜め、新たに加えられた融の過去のエピソードにも明らかな様に、この映画版では「死」に魅せられた男同士が、引き付けられるように否応無く対決の渦に飲み込まれて行く様を描いている。

鑑賞前に小説を読まなくても、映画単体として充分に楽しめる本作だが、原作と映画、どちらもそれぞれの魅力があるので、映画を見て疑問や不満が残った方は、是非小説の方をお読みになられてみては?融が研吾に決闘を挑む理由が、よりはっきりと見えてくるかも知れない。

(文:滝口アキラ)

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    滝口アキラ
    映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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