タイムリー!不倫ゴシップよりも盛り上がってるあの争いの舞台裏!

間もなく3月、温かい日の訪れにはもう数日を要す今日この頃。今話題のアノ争いの舞台裏を映画で知っちゃうのはいかがでしょうか。

アノ争いとは「アメリカ合衆国大統領指名争い」のこと。2016年末のアメリカ大統領選挙を控え、民主・共和両党で候補者指名争いが本格化しています

大統領選挙は2016年11月8日ですが、その前の大きな山が来週3月1日に迫った「スーパー・チューズデー」というもの。タイトルそのまま「スーパー・チューズデー」という映画がありますので今回はその面白さを解説致します。

George Clooney

(C)2011 Ides Film Holdings, LLC

『スーパー・チューズデー 正義を売った日』は映画的面白さを伴ったおもしろ作品

アメリカ大統領を描いた映画は実話・フィクションをもたくさんありますが、大統領候補者指名争いを描いた映画『スーパー・チューズデー 正義を売った日』。

この映画は大統領候補者指名争いに物語がフォーカスされ、主人公は大統領候補の州知事ではなく広報官。その広報官を中心に自陣営とライバル陣営との駆け引きやスキャンダラスな情報戦が繰り広げられていく手に汗握る政治サスペンス劇です。

一見難しそうに感じるかもしれませんが心配無用。監督は人気俳優ジョージ・クルーニーが担当。自ら製作も務め、大統領候補の州知事役としても出演。味とクセのあるイケおじ州知事の演技が光ります。

主人公スティーブンを演じたのは人気俳優ライアン・ゴズリング。鋭い目と当時のフレッシュさ、そして知的さが適役で、映画を盛り上げます。元々はレオナルド・ディカプリオが主演予定でしたが、諸々の事情で降板。映画化権はディカプリオが一部持っていたため、製作総指揮としては残りエンドクレジットに名前を連ねています。

この映画の大統領指名争いの構図は「ほぼ一騎打ち」と見れます。2つの陣営がライバル陣営を撃ち落とそうと情報収集をしたり、マスコミを利用したりしていきます。そんな中で主人公のスティーブンがライバル陣営に引き抜きを持ちかけられます。

もう、これ、事件の匂いしかしませんね。はい、もちそん事件が起きて映画は思わぬ方向へと進んでいきます。映画的には最高においしい展開が繰り広げられていくのです。

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『スーパー・チューズデー 正義を売った日』は妙にリアル、なぜ?

この映画は緊張感が持続する静かに手に汗握る映画。しかしドラマティックな展開など「ザ・ハリウッド映画」的な側面を見せません。これはジョージ・クルーニー監督の手腕もありますが、原作によるところがやはり大きいでしょう。

原作はボー・ウィリモンという人物が2008年に書いた戯曲『Farragut North』。ボー・ウィリモンは2004年の民主党大統領予備選挙に立候補したハワード・ディーンの選挙スタッフだった人物です。つまり取材をして書いたというより、経験を着想に書いたというのが強いでしょう。

リアルなのはそこからきているわけです。

2004年は、私は高校生でしたがこのハワード・ディーン候補を無知ながら応援していた記憶があります。なぜそう思ったかというと非常に「身近なおじさん」という印象を受けたからだと思います。(もちろん報道の仕方の影響もありますが)イラク戦争への反対を鮮明に示していたのも若い私には好印象だったのでしょう。歴史が示している通り、ハワード・ディーンは大統領にはなりませんでしたが。

『スーパー・チューズデー 正義を売った日』では少々スキャンダラスな内容も出てきますが、ハワード・ディーンが指名争い中にそのような事案は出てこなかったので着想レベルでしょう。しかし他の候補で何かあったんじゃないかと勘ぐりたくはなりますね。

とにかく、大統領候補者指名争いの中で体験したことを着想にした作品であるという点。妙にリアルなのは納得といったところでしょう。

Ryan Gosling

(C)2011 Ides Film Holdings, LLC

ところでアメリカ大統領選挙までの道のりは?

ここでアメリカ合衆国大統領選挙についても整理しておきましょう。アメリカ大統領選挙は基本的に民主党と共和党のそれぞれの候補の一騎打ち。今年は2016年11月8日にその選挙が行われます。

有権者がどちらかの候補を選んで得票数で競う、という選挙ではありません。大統領選挙人という大統領選挙に投票する人を選ぶ選挙を各州で行います。

この選挙人は総取り方式で、例えばカリフォルニア州の有権者が民主党候補への得票が多いという結果になった場合はカリフォルニア州の持つ55人の選挙人の得票を民主党候補が獲得します。

ちなみに大統領選挙人が最多の州はこのカリフォルニア州。アラスカ州やモンタナ州などが最小の3人です。総定数は538人で、過半数を獲得した候補者が勝利し大統領へ指名されます。得票数で勝って選挙で負けた候補者が出る時もあるわけです。

Ryan Gosling

(C)2011 Ides Film Holdings, LLC

そもそも”スーパー・チューズデー”とは?

“スーパー・チューズデー”とは、民主・共和両党の大統領候補者指名争いの最初の山場を示します。2月下旬から3月上旬の火曜日に、多くの州で予備選挙が開かれます。この結果で両党とも候補が決まることすらあります。それくらい大きな山場です。

今年はそれが3月1日火曜日に設定されています。

ここで日本人なら疑問に思うのが「なぜ火曜日?」ということ。

これは歴史の名残り。「日曜日はキリスト教の安息日、月曜日は遠くの家族と過ごした人が選挙地へ戻れないかもしれない。火曜日ならいけるだろう。」という広大なアメリカならではの理由があるのです。おもしろいものです。

George Clooney;Jeffrey Wright

(C)2011 Ides Film Holdings, LLC

『スーパー・チューズデー 正義を売った日』は私たちの物語でもある

この映画は確かに大統領候補者指名争いというものを描いています。この映画で指名争いの裏側の一部を目撃することができますし、アメリカの大統領選挙に限らず日本も含めてこのようなことは日常茶飯事なのだろうなとも思ったりもします。

同時に「政治でなく社会でも」このような事案はよくあるよなとも思います。

人は正義と理想の元に栄光を勝ち取る人生を掴みたいと思います。それが気軽に出来るならそうしたいものです。しかし現実はそうではないわけで、自らの意思に反した行動や我慢を強いられるのが現実というものです。

その理想と現実の狭間でどう決断し、どう生きるか、生き抜くか、もしくは死に絶えるか。この映画の様々な登場人物の結末に「めでたしめでたし!」となる方は皆無でしょう。(物語はちゃんと決着しますのでご安心を!)

しかし、各登場人物の結末に「これぞ現実。あるある。嫌だけど。」と諦めの念を思ったり、苦笑する方も多いでしょう。特に社会人で。

私は爽快感すら感じました。30歳を目前に何となく社会の現実というものがわかってきたのでしょうね。「あーあるある。わかるわかる。」と笑いながら見てる自分がいました。良いのか悪いのかわかりませんが。

『スーパー・チューズデー 正義を売った日』は大統領候補者指名争いの裏側を知れて、自らと社会の関係を考えるきっかけになる一本。映画的な面白さも一級品。

アメリカ大統領選挙のある今年、せっかくなのでタイトルそのままスーパー・チューズデーの来週、各種動画配信サービスでも配信中なので、是非ご覧になってみてはいかがでしょうか。(iTunesやGoogle Playなどでも100円で見られるセール中です!)

(2016年2月26日現在配信中)

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(文:柳下修平)

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    ライタープロフィール

    柳下修平

    柳下修平

    シネマズby松竹編集長、1986年生まれ、今年で30歳。個人ブログ「Cinema A La Carte」も運営。幻冬舎「Ginger」及び「Spark Ginger」で映画コラム連載も。ブロガーメルマガEdge Rank執筆メンバー。映画以外ではカメラと旅行が趣味。

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