“ハリウッドのジャイアン”が挑む魔女狩り一筋800年!

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『ジャステイス・リーグ』や『マイティ・ソー バトルロイヤル』など、ここ最近VFXを駆使したヒーロー映画が数多くお目見えしていますが、それらに接するたびに「映画の発展は技術とともにある」ことを痛感させられます。

さて、このところのヒーローものはクロスオーバーもの、即ち徒党を組むパターンが急増してきていますが、この男はいつも孤高を保ちつつ、豪快に、そしてヒロイックに立ち回っている感があります。

ヴィン・ディーゼル。

『ワイルド・スピード』シリーズや『リディック』シリーズ、『トリプルX』シリーズなどで知られる猛者の彼ですが、個人的にはどうも『ドラえもん』のジャイアンのような暴れん坊のガキ大将といったイメージを常に彼に抱いてしまいます!?

今回ご紹介するのは、そんな“ハリウッドのジャイアン”が魔女狩り一筋800年のヒーローを演じたVFXアクション映画『ラスト・ウィッチ・ハンター』です!

魔女の呪いで不老不死と化した
魔女ハンターの生きざま

今から800年前の世界、大地に呪いをかけて人民を恐怖に陥れる魔女の女王(ジェリー・エンゲルブレヒト)に家族を殺されたコールダー(ヴィン・ディーゼル)は、決死の闘いで女王を退治し、復讐を成し遂げますが、その際に不老不死の呪いをかけられ、以後、現代に至るまでずっと魔女ハンターとして生き続けてきました。

この世界=現代は魔女の生存権と自治権が認められていますが、ただし人間社会を侵した場合は魔女ハンターが動き出す、そんなシステムのようです。

コールダーには、その時代時代で「ドーラン」と名付けられる相棒の神父がいます。

そしてあるとき、年老いた36代目ドーラン(マイケル・ケイン)が突然何者かによって呪殺されてしまいました。

コールダーは37代目ドーラン(イライジャ・ウッド)ともども捜査を始めますが、やがて事件の影に800年前に葬ったはずの魔女の女王の存在が浮かび上がってきて……。

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魔女がもたらす世界観の中
粋に立ち回る魔女ハンター!

冒頭からいきなり800年前の人間VS魔女のド派手なVFXバトルに目を奪われますが、ここでのヴィン・ディーゼルがトレードマークのスキンヘッドではなく、モヒカン風でひげもじゃ面というのが意表をついています(一見、彼だとわからなかった!)。

そして現代、いつものスキンヘッドのタフガイ姿で登場するジャイアン、いやヴィン・ディーゼルは夜の旅客機の中、かなり乱暴な方法で危機を脱しながら目的の品を回収し、その後さりげなくキャビン・アテンダントにモーションをかけ……と、なかなか粋な出だしです。

この後、彼は36代目ドーラン役の名優マイケル・ケインとなかなかにオツな会話を交わし、そしてケインは37代目ドーランに扮するイライジャ・ウッドに後々のことを示唆していきます。

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『サハラ 市の砂漠を脱出せよ』(05)や『クレイジーズ』(10)などで知られるブレック・アイズナー監督の演出は幻惑感を強調。また『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(90)『マレフィセント』(14)などの名撮影監督ディーン・セムラーが紡ぎ出す映像美も見ものの一つでしょう(彼は02年のヴィン・ディーゼル主演『トリプルX』の撮影監督でもあります)。

本作はヴィン・ディーゼルが製作も兼ねているので、自身の魅せ方にもかなり気を配られた作りになっていて、持ち前のワイルドな風貌と、ふとした笑顔や仕草などから“頼りになるタフガイ”としてのオーラが好もしく発散されています。

その伝では、意外に本作はアクション・バトルもさながら、魔女がもたらすさまざまな不気味な世界観や、その中でごく自然に立ち回るヴィン・ディーゼルの静の魅力に力点が置かれています。

また今回の彼には一応相棒がいて、仲間となるヒロイン魔女クロエ(ローズ・レズリー)もいたりしますが、やはり全体的には孤高のヒーローとしての雰囲気を巧みに保持します。

そしてやはりバトル・シーンでの貫禄あるアクションを目の当たりにすると、やはりジャイアンが魔女ハンターになったら、こんな感じ? と思わずうならされてしまうのでした⁉
(『ドラえもん』をハリウッドで実写映画化する際は、ヴィン・ディーゼルの出演は必須? いや、でもさすがに小学生は演じられないか……)

クライマックスにはちょっとしたサプライズも用意してある本作、そのイリュージョンとアクションの世界をご堪能ください。

[この映画を見れる動画配信サイトはこちら!](2017年11月24日現在配信中)
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(文:増當竜也)

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ライタープロフィール

増當竜也

増當竜也

増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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