『テラスハウス』よりも庶民的で親しみやすいシェアハウス生活があるだって?

「この映画はおすすめ!」と言いたくてもなかなか万人受けする映画って無かったりします。特にご家族でだったり、恋人とデートだったりだと、作品が限られることもあります。しかし、この作品は、誰もが笑いながら楽しめる「おもしろい!」と言えるおすすめの作品です。

ストリーミングで観られる映画を毎週紹介する“金曜映画ナビ”。今週はヴァンパイアの日常を記録したコメディ映画『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』を紹介します。

シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(字幕版)

1. シェアハウスの“あるある”な悩み、そして楽しさが満載!

本作で大きく描かれるのは、シェアハウスをしているヴァンパイアたちの、いっしょに過ごしているからでこその悩みです。

それは、家事のローテーションの組みかたについて会議をしたり、仲間の勝手な行動に呆れたり、夜中に酔って騒いだせいで近所の人に通報されて警官が入ってくるといった、庶民的にもほどがあるものばかり(笑)。シェアハウスをしたことがある方であれば、その“あるある”に共感してしまうのかもしれません。

人気リアリティ番組『テラスハウス』は若い男女による“リア充”感満載の生活を追っていましたが、『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』は不器用なおっさんヴァンパイアたちのやりとりが主で、トホホ感が満載なのです(笑)。人によっては、こちらのほうが親しみやすく感じるかもしれないですね。

そして“ヴァンパイアたちは仕事をしているの?”という疑問がどうしても湧きますが……どうも人間を襲えば食費なんてかからないようで、ぶっちゃけ彼らはニートの暇人たちだったりします(笑)。

しかもヴァンパイアは“伯爵”と呼ばれるようにもともと貴族的なので、楽器を演奏したり、ダンスを踊ったりして優雅に過ごします。映画を観ると、彼らのニートなシェアハウス生活をうらやましく思ってしまうでしょう。

2.ヴァンパイアならではの生活を覗いてみよう!

本作はフィクションをドキュメンタリーっぽく撮った“モキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)”であり、1人称カメラ視点の“POV(Point Of View)”作品でもあったりします。

このジャンルでは『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』や『パラノーマル・アクティビティ』が有名ですが、本作はホラー要素がほぼ皆無です(ちょっとだけ流血描写はあります)。
おバカなヴァンパイアの日常にただただ密着するという内容のため、本当にドキュメンタリーを見ているかのような、「実際にヴァンパイアがいたらこんな感じなのかもなあ」という、妙なリアリティを感じられるでしょう。

この映画が何よりもおもしろいのは、そのモキュメンタリー形式で、“ヴァンパイアだからでこそ”の生活が見られること。

たとえば、ヴァンパイアは鏡に映らないから下手なイラストでファッションチェックをしたり、好きな女性の写真がはめ込まれた銀製のロケットペンダントを首にかけて火傷したり(ヴァンパイアは銀に弱い)、ヴァンパイアの“とある能力”を使って警察をやりすごしたりと、その行動はほほえましく、クスクス笑えるでしょう。

3.じつはゲイっぽい描写が目白押し?

個人的に、本作は思いっきり“ゲイ映画”であると思いました。作中でヴァンパイアは世間にはその正体を隠し、いっしょに住んでいる者どうしでイチャイチャしたり不満をぶつけ合ったりするので、まるでゲイカップルのように見えてくるんです。

しかも作中では狼男たちの集団に、ゲイっぽいヴァンパイアが大嫌いだと罵られてしまうシーンまでもあるのです。

そう考えると、この映画の“人間”はいわゆる“ノンケ”に思えてきます。作中の“人間を噛んだためにヴァンパイアにしてしまった”というのは、“男どうしでエッチをしてしまったらゲイに目覚めさせてしまった”という関係そのものではないでしょうか。

しかもそのヴァンパイアになってしまった“新人”は、また新たに友人の人間をシェアハウス連れてきてしまうのですが……楽しくってしかたがないのは、ヴァンパイアたちがその人間を噛むことなく、とことんカワイがってあげること! 「アイツはいいヤツだから噛まないさ!」とか「カワイイアイツのために編み物してるんだ!」とか言っていて、本当にいいヤツらなんですよ。「お前らのほうがカワイイわ!」と言いたくなるんですよ!

これには、“パートナーの友だちには絶対に手を出さない”という、ヴァンパイア(ゲイ)ならではの“ルール”も垣間見えました。

なお、終盤には多様なモンスターたちが集まるパーティで、人間を連れてきたことが非難されてしまう、というシーンがあります。これは“(ゲイやレズビアンなどの)多様性を認めない”という偏見(差別)を描いているとも言えます。

まとめ:幅広い方におすすめできる、親しみやすさが満載!

ある意味で、“知らない人(ヴァンイパイア)たちの生活”は最高のエンターテインメントなんだな、と思い知らされました。

「この映画はおすすめ!」と言いたくても、万人受けする映画ってなかなかありません。しかし、本作はモキュメンタリーというジャンルの中でも、多くの方に受け入れられやすい、親しみやすい内容と言えます。

ヴァンパイアが好きな人はもちろん、『テラスハウス』ファン、カワイイおっさんたちの庶民的な日常を観たい方など、幅広い方におすすめします。

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(文:ヒナタカ

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ライタープロフィール

ヒナタカ

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ヒナタカ 「カゲヒナタの映画レビューブログ」運営中のフリーライター。All Aboutでも映画ガイドとして執筆中。なぜか中高生向けの恋愛映画もよく観ています。

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