砂中を泳ぐ!?そんなアホな!!トンデモ楽しきサメ映画5選!

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9月7日よりジェイソン・ステイサム主演の『MEG ザ・モンスター』が公開されますが、これは巨大サメと人間の闘いを前半は海洋SFテイストで、後半はパニック映画のノリで描いたサメ映画ファンならずとも必見の快作です。

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そう、実は最近一部映画マニアの間でサメ映画が流行しているのです。

サメといえばスティーヴン・スピルバーグ監督の出世作『ジョーズ』(75)の大ヒットをきっかけに、20世紀はクマやタコ、イヌ、ハチ、ピラニアなどなどさまざまな生き物が人間を襲う動物パニック映画が大流行し、『ジョーズ』自体もシリーズ化されたものですが、21世紀に入ってのサメ映画はそれらとは一味も二味も違います。

一言で申しますと、もうこれがとんでもないというか、とにもかくにもサメを使ってどんな面白いことができるかというアイデア勝負オンリーで攻めまくるものばかり。

中には(いや、もうほとんどが)トンデモすぎるオバカ映画が多数。

もっとも作る側も「みんなで集まって、ビール片手にツッコミ入れつつ、ワイワイ楽しみながら見てください」といったノリで取り組んでいるところが多分にあるので、こうなったらこちらもとことんぶっとんだアイデアの数々こそを楽しみたいもの。
(また実質これらは劇場用映画ではなくDVDスルーやCATV、ネット配信作品などが多数を占めますが、今回はあえて“サメ映画”と総称したいと思います)

今回ご紹介する『ビーチ・シャーク』(11)もそんなサメ映画の1本です。

何とこの作品、サメが海だけでなく砂の中まで泳いで人を襲っちゃうのです!

水陸両用ビーチ・シャークの群れが
イベント・パーティに襲来!

ビーチ・シャーク (字幕版)

『ビーチ・シャーク』のお話は、市長のドラ息子ジミー(コリン・ネメック)が帰ってきて、海辺でイベントパーティを催すことを提案。

しかし、そのころ浜辺でサメに襲われたと思しき謎の死体が次々と発見され、ジョン(エリック・スコット・ウッズ)とブレンダ(ヴァネッサ・リー・エディガン)の兄妹保安官コンビはサメ専門の学者サンディ(ブルック・ホーガン)の協力を仰ぎながら調査を開始。

まもなくして彼らは水陸両用のビーチ・シャークの存在に気づかされますが(というか、実は冒頭からサメは登場するので、ネタバレも何もないのですが)、その死体が発見されたことで、もう安全とばかりにジミーはパーティを決行。

しかし、ビーチ・シャークはまだまだ無数にいたのです……⁉

ストーリー展開としてはほとんど『ジョーズ』のいただきで、そうなるともう水陸両用のビーチ・シャークのトンデモ脅威を「んなアホな!」と楽しむのが得策。

何よりもサメのトレードマークである背びれが砂上を移動する画は、それだけで痛快に思えるものもあるのです。

また、この手のサメ映画に必須と言える水着美女のオンパレードで、男性映画ファンは目の保養にもなる?

中でも特筆すべきはブルック・ホーガンで、現在はシンガーとして活躍中の彼女、実はあの伝説のプロレスラー、ハルク・ホーガンの愛娘なのでした!(もう、これだけで私はこの映画の☆がひとつ増えてしまう! そういえば何となく親父に似てるけど、でもグラマラスで可愛いです)

ビーチ・シャークの猛襲シーンなどが、さほどお金がかかってないCGで描かれているのもご愛敬。

本作の監督マーク・アトキンスは徹底したB級娯楽映画の雄で、サメ映画に関しては『PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星』(16)『鮫の惑星:海戦記(パシフィック・ウォー)』(17)も手掛けています。

また彼は本作の雪山版(!)ともいえる『アイス・ジョーズ』(13)の制作にも携わっていますが、そこでは「砂の中を泳ぐサメもいるんだ」といったセリフも飛び出す始末なのでした(要するに姉妹編だったってことですね)。

[2018年9月7日現在、配信中のサービス]
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まだまだあります
楽しさいっぱいサメ映画!?

何だか興が乗ってきたので、今回はおまけとして最近のサメ映画の中からトンデモ度数の高いお楽しみ作品もいくつかご紹介していきましょう。

『ダブルヘッド・ジョーズ』(12)

ダブルヘッド・ジョーズ (字幕版)

何と二つの頭を持つ獰猛なサメが、課外授業で太平洋クルーザー航海中の学生たちに襲いかかるという、
見た目の派手さを重視した作品。どうもこの作品、好評だったようで(ちなみにこの作品にもブルック・ホーガンが出演しています)その後『トリプルヘッド・ジョーズ』(15)『ファイブヘッド・ジョーズ』(17)とシリーズ化されました。そのうちヤマタノオロチみたいなサメ映画も作られるかもしれません。

え、なぜ『フォースヘッド・ジョーズ』がないのかって? それは『ファイブヘッド・ジョーズ』を見ればわかります!

なお、これらのシリーズを製作する米アサイラム社は、いかに奇抜なアイデアで見る者を楽しませるか、(それのみに?)全力を注ぎこんでいるツワモノ映画会社であります。

『シャークネード』(13)

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こちらもアサイラム社製作。何とサメの大群を飲み込んだ大竜巻がロスの街を直撃するという、こうなるともう海も空も関係なしのサメ映画。ただしこの作品、テンポがかなりよく、上質のトンデモを堪能できます。

こちらもシリーズ化されていて、現在東京も主な舞台となる第5作『シャークネード5 ワールドタイフーン』(17)が発表されたばかり。なぜかドルフ・ラングレンがあっと驚く設定でゲスト出演しています。そういえば彼は『処刑鮫』(15)なるサメ映画にも主演していますね。

『シン・ジョーズ』(16)

シン・ジョーズ(字幕版)

何とも上手い邦題をつけたもので、まるでゴジラさながら核実験の影響で突然変異を遂げ、体内の熱で赤みを帯び(冒頭、海上を走る真っ赤な背びれがダサCGながらも妙にかっこいい!)、さらには熱焔まで放つサメが、人間を喰らうというよりも焼き焦がしていく作品。モデル級の水着美女満載なのもこの手の作品のセオリーとして十分合格です。

監督のグリフ・ファーストはこういった突然変異型のサメ映画がお好きなようで、他にも水のあるところならどこでもワープできるサメの幽霊が人を襲う『ゴースト・シャーク』(13)や、大洪水のさなかに発電施設と接触して帯電した巨大デンキザメの脅威を描いた『シャーク・ショック』(17/ヒロインは『シャークネード』シリーズのタラ・リード)も撮っています。

『メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス』(09)

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アサイラム社製作でストーリーは日本のニューセレクト社が考案。『MEGザ・モンスター』にも登場した古代の超巨大サメ・メガロドンの末裔と巨大タコの闘いを描いたもので、ここまでくるともう怪獣映画ですね。こちらも『VSクロコザウルス』(10)『VSメカ・シャーク』(13)『VSグレート・タイタン』(15)とシリーズ化されていますが、もはやまともな生物など皆無?

なおメガロドンをモチーフにした作品は、他にも『ジュラシック・ジョーズ』(12)などがあります。

さて、いかがでしょうか、ほんの一部ですが、最近のサメ映画を駆け足でご紹介してみました。

いずれも奇抜なアイデアと、行き当たりばったりのストーリー展開、さほど予算がかかっているとは思えないCG描写の妙などを大いに堪能してください!

最後にもう1本、『ジョーズ』以前に製作された真面目(?)なサメ映画を。

『サミュエル・フラーのシャーク!』(69)

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『ショック集団』(63)『最前線物語』(80)などの名匠サミュエル・フラー監督が本物のサメを使って撮影した作品で、主演はバート・レイノルズ。海洋研究を装い、海底に沈んだ金塊の引き上げを図る者たちの赤裸々な人間模様とともに、そこに情け容赦なく襲い掛かる人食いサメの脅威を描いたもの。撮影中、スタントマンがサメに襲われて死亡した事故でも知られる因縁の作品です。日本未公開作品ですが『ジョーズ』大ヒットを受け、『シャーク・シャーク・シャーク』の邦題でTV放映されました。

最近のサメ映画を見すぎて頭がウニになりかけたら、こういった地味ながらカッチリ作られた作品にもぜひ触れてみてください。

(文:増當竜也)

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ライタープロフィール

増當竜也

増當竜也

増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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