『ちいさな独裁者』驚愕度&不快感は群を抜く?SNSでは賛否両論の声

ロベルト・シュヴェンケ監督の最新作『ちいさな独裁者』が、2月8日より全国公開されたが、早くもSNS上では鑑賞後の不快感について賛否両論の声が上がっている。

「私の脚本には逃げ道がないんだ。ユーモアとか共感できる登場人物とかね」という監督の言葉通り、本作は常にピリピリとした緊張感がスクリーンを覆う。若干20歳の元脱走兵が偽者の大尉に成りすまし、一晩で100名近くを処刑するなど、目を背けたくなるほどの残虐行為が髄所で展開される。とにかく気分を害する登場人物とシーンのオンパレードに、逃れることができないはず。

また観客だけではなく、製作側でも主演が残虐なシーンの撮影でショック状態に陥ったり、他のキャストも泣き出して撮影が中断したこともあったようで、何より監督自らも撮影中にショック状態になるなど、精神面でも限界に追い詰められた撮影だったという逸話通りに、スクリーンからしっかりと伝わってくる。

“ヘロルト即決裁判所”と書かれた軍用車で現代のドイツの街角にヘロルトとその部下たちが乗り込んでくるブラックジョークのようなエンドロールはどうしても撮りたかったシーンだったが、これには怒りの声を上げる評論家も続出したほど。監督の「彼らは私たちで、私たちは彼らだ。過去は現在なのだ」というメッセージの通り、70年以上も前の出来事が、同調や服従が蔓延る今を生きる我々にとっても、決して他人事でないだけに、鑑賞後に残る驚愕度&不快感はとにかく強く大きい。

ただし、決して忘れてはならない。これは架空の人物を描いたわけでも、創作でもない。紛れもなく実話に基づいた物語だとうことだ。

ストーリー

第二次世界大戦末期の1945年4月。敗色濃厚なドイツでは兵士の軍規違反が相次いでいた。命からがら部隊を脱走したヘロルトは、打ち捨てられた車両の中で軍服を発見。それを身に纏って大尉に成りすました彼は、道中出会った兵士たちを次々と服従させていく。かくして“ヘロルト親衛隊”のリーダーとなった若き脱走兵は、傲慢な振る舞いをエスカレートさせ、ついには大量殺害へと暴走し始めるが……。

公開情報

『ちいさな独裁者』
2/8(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開
監督&脚本:ロベルト・シュヴェンケ『RED/レッド』『きみがぼくを見つけた日』 
出演:マックス・フーバッヒャー、ミラン・ペシェル、フレデリック・ラウ、アレクサンダー・フェーリングほか    
2017年/ドイツ=フランス=ポーランド/ドイツ語/119分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/
原題:Der Hauptmann 日本語字幕:吉川美奈子 
© 2017 – Filmgalerie 451, Alfama Films, Opus Film 

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