『ベイビー・ドライバー』鬼才エドガー・ライト監督が放つ音と映像のマジック

こんにちは、八雲ふみねです。
今回ご紹介するのは、8月19日から全国公開された『ベイビー・ドライバー』。
映画好きはモチロン、音楽好きにとってもゴキゲンな一作です。

八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~ vol.119

犯罪者の逃走を手助けする“逃がし屋”をしているベイビーは天才ドライバーでありながら、子どもの頃の事故原因で耳鳴りの後遺症に悩まされている。

しかし音楽を聴くことで耳鳴りが消え、それと同時に脅威のドライビングテクニックを発揮。クレイジーなドライバーへと変貌するのだった。

ある日、運命の女性デボラと出会ったベイビーは、逃がし屋から足を洗うことを決める。しかしベイビーの才能を買っている犯罪組織のボスは、そう易々とベイビーを手放す気はなく…。

エドガー・ライト監督が生み出したマジック!音と映像の融合に観客のテンションもアップ。

カーチェイス版『ラ・ラ・ランド』ともカーチェイス・ミュージカルとも呼ばれている本作を語るにおいて、まず触れるべきは、やはりエドガー・ライト監督の類い稀なる才能でしょう。

長編映画デビュー作『ショーン・オブ・ザ・デッド』から『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』まで、そのユニークな作家性によって誰もが生み出せないような映画を作り上げてきたエドガー監督。

そして4年ぶりの新作、しかもオリジナル脚本となる本作も、これまた奇想天外なアイデアが詰まっています。

カーアクションも銃撃戦もドラマシーンも、すべてが音楽と完全にシンクロ。しかも編集段階でチョチョッと映像と音をリンクさせたのではなく、元々使いたい楽曲をセレクトしたうえで脚本を書き、楽曲に合わせて各シークエンスを作り上げていったのですから。

こんなコトを思いつくだけでも奇想天外なら、それを映像化したとなると神業としか言いようがありません。

実際に撮影現場では、そのシーンで流れる楽曲を鳴らしながらカメラを回したとのこと。

それによって主人公のベイビーを演じるアンセル・エルゴートはもちろん、ジャイミー・フォックスもケヴィン・スペイシーも音楽のビートに合わせた芝居をしているんです。
しかも1曲まるごと、1シーン1カットで撮影したというのですから。

これぞまさに、音と映像の究極のシンクロニシティ。

しかも、完全オリジナル作品というのがスゴイッ!

魅力はカースタントだけじゃない!ベイビー&デボラのスイートなラブストーリーにも胸キュン。

本作で注目されるのは、カーアクションだけではありません。アンセル扮するベイビーとジェームズ・リリー演じるデボラのラブロマンスも、とってもキュート。

“逃がし屋”稼業に従事している時とは違い、デラボと過ごす時のベイビーは等身大の恋する青年。その心の内を表現するかのように、映像も色彩にあふれています。

特にコインランドリーのシーンでは、ランドリーの中で回っている洗濯物の色がそれぞれ違うというこだわりっぷり。

シーンのちょっとした部分にエドガー・ライト監督ならではの遊びゴコロが散りばめられ、思わずニヤリ。

音楽、コメディ、アクション、カーチェイス、クライム、ラブロマンス。

あらゆる要素を集約させた、痛快なエンターテインメント作品です。

エドガー・ライト監督につづき、主演のアンセル・エルゴートも。来日イベントにファン熱狂!

制作費ウン十億円といったハリウッド超大作シリーズと比べると、グッと圧縮された予算規模でありながら、アメリカではすでに興行収入1億ドルを超えるメガヒット。

しかも観た人の満足度が非常に高く、口コミが口コミを呼び、世界でもすでに公開された47カ国でも大ヒットを記録している本作。

そんな『ベイビー・ドライバー』旋風が世界中で吹き荒れる中、エドガー・ライト監督が緊急来日。

Fan’s Voice独占試写会では、エドガー・ライト監督と大友啓史監督によるスペシャルトークセッションが実現しました。

気鋭クリエイターお二人によるディープな制作秘話、ファンの皆さんとのQ&Aタイムと濃密なひと時のなか、エドガー監督が目を付けたのが、客席に輝くキラキラうちわ。

「Edgar Wright」と書かれ、まるでアイドルのコンサートさながらの光景に、大友監督も「こんな(自作うちわ持参のファンがいるような)監督、日本にはいないよ」と驚きの表情。

ちなみにエドガー監督、プライベートタイムはフジロックに行ったりロボットレストランに出かけたりと、日本での時間を満喫されたとのことです。

そして公開初日の8月19日、なんと主演のアンセル・エルゴートも来日!

屈託のない愛くるしい笑顔は、まさに“ベイビー”!

フォトセッションタイムには、自らのスマートフォンでお客様との撮影に興じる無邪気な姿も。

日本滞在中の過ごし方について伺うと、「実は、この舞台挨拶が終わったらオフなんだ」とニッコリ。

日本でしか体験出来ないことを楽しみたいと話してらっしゃいましたよ。

トークセッション、初日舞台挨拶と限られた時間の中でもファンとの交流を大切にするお二人の姿に、司会を務めながら私も温かな気持ちに。

映画『ベイビー・ドライバー』が世界中で愛される底力は、「観客に楽しんでほしい」という作り手のアツい想いにあるのかもしれませんね。

作品情報

ベイビー・ドライバー
2017年8月19日から新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督・脚本:エドガー・ライト
出演:アンセル・エルゴート、ケヴィン・スペイシー、リリー・ジェームズ、エイザ・ゴンザレス、ジョン・ハム、ジェイミー・フォックス ほか
公式サイト http://www.babydriver.jp/

(文:八雲ふみね)

八雲ふみね fumine yakumo

八雲ふみね大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
「シネマズ by 松竹」では、ティーチイン試写会シリーズのナビゲーターも務めている。

八雲ふみね公式サイト yakumox.com

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