滝口アキラの「週末こそ、動物映画で癒されたい!」第1回『白銀に燃えて』愛犬と挑む過酷なレースに涙!

会社や子育て、学校などで毎日忙しい中、やっと迎えた週末!そんな貴方の疲れた心と体を癒してくれる、様々な動物たちが登場する映画を毎回1本取り上げて紹介する連載が、今回からスタートします。

記念すべき第1回目の作品は、来年の干支である「犬」と主人公の絆が胸を打つ1994年のアメリカ映画、『アイアン・ウィル/白銀に燃えて』です!

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ストーリー

1917年の冬。17歳の少年ウィル(マッケンジー・アスティン)は、農場を営む父の突然の死によって大学進学の夢を断念しかけていた。そんなある日、ウィルは父が自分の将来の学費を稼ぐため、カナダからミネソタまで800キロを走る過酷な犬ぞりレースに応募しようとしていたことを知る。

ウィルは父の夢をかなえるために、優勝賞金1万ドルがかかったレースに出場することを決意、父と一緒に農場を経営していたネイティヴ・アメリカンのネッド(オーガスト・シェレンバーグ)のコーチを受けたのち、いよいよレースに出場する。

出場選手中最年少のウィルに、他の参加者の敵意と風当たりは強かった。特に、勝つためには手段を選ばないボルグ(ジョージ・ガーデス)は凶暴な犬を使ってウィルを妨害しようとする。

それにもめげずひたむきに走るウィルの姿は、レースに同行する新聞記者のハリーの書く記事によって伝えられ、人々はウィルを鋼鉄の意思(アイアン・ウィル)を持ったヒーローと称える。果たしてウィルはこの困難を乗り越えて、レースに勝つことが出来るのか?

レースの最後まで目が離せない!

主人公である17歳の男の子ウィルが挑戦するのは、気温ー40度の極寒の地で開催される、全長800キロを走覇する過酷な犬ぞりレース。何故彼は、屈強な男たちに混じって、こんなに過酷なレースに参加したのでしょう?実はそこには、家族への想いと自身の将来を賭けた決意が込められていたのです。

突然の死を迎えたウィルの父が、息子の大学進学資金のために挑戦しようとしていた、犬ぞりレース。
志半ばで亡くなった父の想いに応えるため、そして父が死んでからというもの、時間が止まった様になっていた家族をもう一度幸せにするため、彼は父が育てた犬たちと一緒に、この過酷過ぎるレースに出場することを決意します。

彼の決意を象徴するのが、劇中で母親にレースへの参加を訴えるシーンでの、「父さんの想いをを叶えたい、そして自分の将来をこの手で勝ち取りたい」というセリフ。
ちなみに本作の主演は、この当時売り出し中だったイケメン若手俳優、マッケンジー・アスティン。父の想いを知り、全てを賭けて過酷な犬ぞりレースに挑む主人公を、その真っ直ぐな瞳で見事に演じています。

体力や技術、経験に勝る他の参加選手に対して、ウィルが持つものは不屈の闘志と父の残した犬たちとの堅い絆、そして家族への想いだけです。

とにかくレースのライバルたちは、賞金の為なら相手への妨害や攻撃は当たり前の連中!参加選手中最年少のウィルは、当然標的にされ様々な妨害や脅迫を受けますが、持ち前の気力と根性で見る見るレースの首位争いに食い込んできます。

そんな彼に注目したのが一人の新聞記者。
「この少年が勝ち続ければ、世界の注目を集める記事になる!」

最初は打算から始まった彼の記事ですが、ウィルが優勝候補となるに連れ、彼の意識にも次第に変化が・・・。
この新聞記者を、今や話題の人となった感のある、ブレイク間近の頃のケビン・スペイシーが演じていると言う豪華さも、本作の見所!

そしてついに迎えたレース最終日。トップでゴールに向かうウィルと、彼を応援し見守る大勢の観客達!

しかしゴールを目前にして、極度の疲労からウィルは倒れこんでしまいます。不屈の精神でレースを勝ち抜いて来たウィルにも遂に限界が・・・。更にその後方には、猛然と追い上げてくるライバルたちの犬そりが迫る!

もうここまでか、と誰もが思ったその時、ウィルの愛犬たちが取った行動とは?そしてレースの勝敗はどうなるのか?

このラストは本当にギリギリまで勝敗が判らず、思わず主人公と犬達に向かって「ああーっ!」と声を上げてしまう程。

ここは是非ご自分の目でご確認を!

最後に

原題の「アイアン・ウィル」は主人公の名前を指すと同時に、文字通り主人公が持つ「鉄の意志」の意味も含んでいます。

協力して過酷なレースを続ける内に芽生える、犬たちとの強い絆。もちろん、犬たちには主人公が置かれた状況とか気持ちなんかは分からない訳です。しかも冷静に考えたら、レースに参加しても犬たちには何のメリットも無い訳です。でも、だからこそ大好きな主人のために極寒の中走り続けるその姿と健気さに、いつしか見る者の目には思わず涙が・・・。

ただ可愛いだけのペットでは無く、同じ目的に向かって協力しながら進む、人生の大事なパートナーとしての犬。ラスト、ゴール目前で倒れた主人公を見つめるその眼差しには、どんな名優もかなわない演技力を越えた何かがあります。

観終わった後、思わず愛犬を散歩に連れて行ってあげたくなるのは確実な、この『アイアン・ウィル/白銀に燃えて』。

もちろん可愛いワンちゃんにも癒されるのですが、共に協力して勇気付けてくれる「大切な友」としての犬も、また貴方の疲れた心に癒しを与えてくれることでしょう。

精悍な顔つきのハスキー犬たちの忠誠心と健気さに癒されながら、最後まで決してあきらめない主人公の精神力に、週明けからのやる気を貰える本作。この週末のお楽しみに是非!

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(文:滝口アキラ)

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    ライタープロフィール

    滝口アキラ

    滝口アキラ

    滝口アキラ 映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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