2017年04月06日

映画で気付いた、アンチエイジングの“良し悪し”|映画で人生が動いた瞬間

映画で気付いた、アンチエイジングの“良し悪し”|映画で人生が動いた瞬間

「若くいること=美しくあること」のように思われることも多い昨今。では「アンチエイジングをすること=美しくあること」なのでしょうか。

30歳を目前に、アンチエイジングにかなり興味を持っていた私ですが、ある映画との出会いが「それが絶対ではない」ということを教えてくれました。

アデライン、100年目の恋 BD&DVD


(C)2015 LAKESHORE ENTERTAINMENT GROUP LLC, KIMMEL DISTRIBUTION, LLC AND LIONS GATE FILMS INC. All Rights Reserved



〜映画との出逢いで人生が動く瞬間がある。人生を動かす映画がある〜

誰にでも心のひだにひっかかり、ふとしたときに思い出す映画がある。理由も映画も人それぞれ。でも、その映画は誰かの人生の一部を、形成しているのかもしれない。
「映画で人生が動いた瞬間」では、そんな誰かの“人生の糧”となった映画を紹介します。それが、明日の誰かの新たな “人生の糧”なるかもしれない。そう思うと、少しわくわくします。

(松竹メディア事業部&シネマズby松竹編集部)


人物紹介:映画ソムリエ 東紗友美


東紗友美(ひがしさゆみ)、元広告代理店勤務。映画ソムリエとしてTV・雑誌・ラジオなどで活動中。

趣味は、映画ロケ地巡り。国内外問わず廻り、1年で100箇所以上ロケ地を訪れたことも。

また、Instagramでも毎日映画に関する写真やボヤキをほとんど毎日掲載中。甲賀流忍術免許皆伝、取得済。

シネマズby松竹でもコラムニストとして活躍し、映画ロケ地巡りの連載「〜映画ソムリエ東紗友美の食べて、祈って、ロケ地見て〜」を執筆中。




東紗友美の「映画で人生が動いた瞬間」は『アデライン、100年目の恋』


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『アデライン、100年目の恋』は2015年に製作されたアメリカ映画。日本でも同年に公開されました。

29歳の主人公の女性が雷に打たれ、奇跡的に生き残るも何と歳を取れなくなってしまいます。29歳の姿のまま100年以上を生きることになってしまった主人公。美貌を保ちながらも、愛する人と共に歳を取れないことから心からの恋をできずに長年を過ごすことに。一般的に「歳を取る=良くないこと」と思われる社会的風潮が本当に良くないことなのか。その問題提起を行いながら、「愛すること」の儚さと切なさを描く珠玉のラブストーリーです。

予告編


『アデライン、100年目の恋』詳細情報
http://www.shochiku-home-enta.com/shop/item_detail?item_id=1900314

「映画を観た時、たまたま29歳だった」


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東紗友美(以下、東) 『アデライン、100年目の恋』を見た時、私は主人公のアデラインと同じ29歳でした。29歳の私は目の前に迫る30歳(30代)が怖かった。美の意識は常にしながらも、アンチエイジングを意識し始めた歳でした。

舞台挨拶の司会などで人前に出ることも多く、徹底して今の状態を保つことを意識していました。今思えばかなり大げさで、日焼けを避けるためにバーベキューの誘いをひたすら断ったり、外には極力出ないで映画館や図書館に篭ったりもしていました。

そんな中この映画を観たのです。

そしてこう思ったのです。

「好きな人と歳を取ることはどれだけ素敵なことか。」

と。

普通に生きていれば歳を取ります。愛する人も歳を取ります。

その普通がどれだけ幸せなことかをこの映画は教えてくれたのです。世の中には当たり前だからこそ幸せなことだと気付かないことがたくさんあります。


例えば、夫婦喧嘩ばかりしていた相手がいきなり天国へ旅立ったら、その喧嘩のある日常がどれだけ幸せで贅沢だったのかと思うことでしょう。

例えば、趣味がなくぼーっとする休日を過ごしていて退屈な人生だと思っていたら、余命宣告を受ける大病を患ってしまったとしたら。退屈と思える日々がどれだけ大切だったかわかることでしょう。

当たり前で、いつもは不満と思っていることがどれだけ幸せなのか。どれだけ贅沢な思いを持って日々を生きているのか。

『アデライン、100年目の恋』は改めて教えてくれました。


「アンチエイジングの警鐘映画でもあると思う」


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東 この映画を観てからアンチエイジングへの意識が大きく変わりました。

化粧品売場にはそれが良きこととの認識で多くのアンチエイジンググッズが売られています。

“いつまでも美しくありたい”=“いつまでも若さを保つ”になってしまっている気がします。

「若く見えるね!」がほぼ100%褒め言葉となってしまっている風潮自体がもしかしたらおかしいのかもしれません。

美しくいること、綺麗でいることは、若作りすることではなく、年相応の美しさや輝きを持つことなのかもしれないとこの映画は教えてくれます。

もしみなさんの中で「若くいなきゃ!」と疑心暗鬼になっているならばこの映画を観てみると良いでしょう。肩の荷が軽くなるはずです。

「人生の選択全てが年相応で良いのかもしれない」


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東 映画の選び方一つ取っても、食事選び方一つ取っても、「流行っている」「若い人に人気」などの理由から結果的に流されて選択をしてしまっている方は多いと思います。

もちろん私も多くをそうしていたのではないかと思っています。

全てが全て「自分らしく」「年相応らしく」は難しいかもしれませんが、この映画は前向きにそう生きていきたいと思わせてくれる映画です。

人生何か停滞しているなという方、是非この映画で肩の荷を降ろして、明るい人生の道筋を見つけてください。

(取材・構成:シネマズ編集部)

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