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2018年08月18日

“負け芝居”を極めて第二のムロツヨシに!ドラマ版『銀魂2』戸塚純貴インタビュー

“負け芝居”を極めて第二のムロツヨシに!ドラマ版『銀魂2』戸塚純貴インタビュー




大ヒットコミック『銀魂』を映像化し、2017年度の実写邦画No.1という記録を打ち立てた前作から1年。脚本・監督を福田雄一さんが務め、主演の小栗旬さんら豪華キャストが出演する映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』が8月17日から全国公開されます。

そして、映画同様に福田監督が監督・脚本を手掛けるdTVオリジナルドラマも前作に続き、制作が決定! 『銀魂2 -世にも奇妙な銀魂ちゃん-』と題して、8月18日(土)から第1話「眠れないアル篇」、8月25日から第2話「土方禁煙篇」、9月1日「幾つになっても歯医者はイヤ篇」の3本が配信されることに。



(C)空知英秋/集英社 (C)2018映画「銀魂2」製作委員会 (C)2018 エイベックス通信放送




そこで、昨年配信されたdTVオリジナルドラマ『銀魂 -ミツバ篇』に出演し、今回は劇場作品にも登場する山崎退役の戸塚純貴さんにインタビュー。ご自身のことや作品の魅力、そして福田監督や“福田組”常連の佐藤二朗さん、ムロツヨシさん、主演の小栗さんについても語っていただきました。




──昨年、ドラマ版『銀魂 -ミツバ篇』の出演から、今回は映画版にも出演することに。ご出演が決まった時の印象はいかがでしたか?

戸塚純貴(以下、戸塚):

「いよいよか!」って思いました(笑)。僕自身、原作の漫画のファンだったので、前作の頃からずっと出たいと思っていたんです。

昨年、映画のスピンオフ作品となる『銀魂 -ミツバ篇』に武装警察・真選組の山崎退役で出演しましたが、山崎は原作のファンの方からも人気のあるキャラクター。お話の内容によっては映画の続編にも出られるんじゃないかなと、虎視眈々と狙っていました(笑)。それで、今回の映画が真選組にスポットがあたった「動乱篇」ということで、いい役どころで参加することができ、うれしかったです。



──『銀魂 -ミツバ篇』への出演は、なんでもご自身から福田監督にアプローチされたとか。



戸塚:そうなんです。福田さんが『銀魂』の映画を撮るぞ、という情報が入ってきて。元々、原作が大好きだったんで、ちょうど撮り始めの頃に、福田さんにLINEで「出してください! 『銀魂』大好きなんです!」と送ったら、銀さんが鼻ほじっているスタンプが返ってきて(笑)。

それで「ちくしょー!」って思ってたんですけど、その12時間後くらいに「撮影が入った」と連絡が来て。連絡した半日後の夜中2時から撮影に入りました(笑)

。




──急遽、真選組監察方の山崎役が追加されたということですか?



戸塚:もともと福田監督が、その役に関して、山崎にしようか、一般の真選組の一隊士にしようかと悩まれていたみたいで「お前の今後のスケジュール次第だ」みたいな感じで、決まっちゃいました(笑)。なので、結構、雑でしたけど(笑)、これもタイミングなんだなぁと感じて。本当に運がよかったなと思いますね。



──山崎は近藤勲や土方十四郎、沖田総悟ら真選組の主要メンバー3人に次いで出番は多いけど、自他ともに認める地味キャラ。役に関して、思い入れはありますか?



(C)空知英秋/集英社 (C)2018映画「銀魂2」製作委員会 (C)2018 エイベックス通信放送


戸塚:僕は『銀魂』のキャラクターの中でも山崎が一番好きだったんです。唯一共感できるキャラクターだったので、本当にうれしかったし、実写で演じるので不思議な気持ちというか、役者のお仕事って、改めて面白いなぁと感じました。



──福田監督の作品には、これまでもドラマ『アオイホノオ』『勇者ヨシヒコと導かれし七人』など様々な作品に出演されていますよね。他の現場と違うところはありますか?



戸塚:他の現場で出来ないことをできる現場だと思います。逆に、福田さんが「いい」と言ったことは、他の現場ではやっちゃダメなことなんです(笑)。



──どういうことでしょうか?

戸塚:

コメディラインですね。福田さんが笑ったところは、意外と他の人にはうけないことが…(笑)。

──そうなんですね。でもここ最近は『銀魂』など、いろんな作品がヒットしていて、世間が福田さんの作る笑いに魅了されていると思います。戸塚さん自身は、福田作品に対して、どんなところに魅力を感じられますか?

戸塚:僕は、低予算のチープっぽさをちゃんと感じさせるところが、福田作品の魅力の最たる部分だと思います。例えば、今回の劇中でも『勇者ヨシヒコ』にあったようなダンボールがセットで使われていたりするんですよ。あれって、監督主催の「ブラボーカンパニー」という劇団にいる“ダンボール職人”と呼ばれる人達が作っているんです。

そういう意味で、僕の中では、福田さんって本当はこんな大きな予算を使うような監督じゃないと思うんですけどね(笑)。それでも監督をするということは、ご自身が元々持たれている面白いと思う“軸”を、ずっとブレずにやり続けていらっしゃったからだと思います。すごくかっこいいですよね。






──福田さんのそういった演出は、『銀魂』でも活かされているように感じます。

戸塚:

そうですね。あと、福田さんってよくパロディをされるんですけど、原作漫画の『銀魂』でも、よくパロディをやっているんです。だからこそそういったところを、最大限に実写化で活かせるのは、福田さんしかいないんじゃないかなと思います。

──なるほど。dTVオリジナルドラマ『銀魂2 -世にも奇妙な銀魂ちゃん-』では、特にパロディが前面に出ていますよね。

『ドラゴンボール』とか、いろいろやってますよね。

戸塚:なかでも第2話「土方禁煙篇」に出てくる、山本美月さんが演じられているメーテル役に関しては、おそらく、福田さんがただ好きで見たいだけだったと思うんですよね(笑)。

あと、アニメでもマダオ役で声優を務めている立木文彦さんが、ドラマでも同じ役で出てるところも、注目してほしいです。アニメで聞いている声が実写に出てくるので、多分見ながら不思議な感じになると思いますよ。正直、一番現場でテンションが上がったかもしれないです(笑)。

そんなdTVオリジナルドラマは、完全に笑いだけの作品になっていると思います。そして、映画の方では、面白さにプラスして、ちょっとグッとくるところもあるので、そこの違う2色を、ドラマと映画で楽しんで欲しいなと思いますね。



──ところで、福田監督からかけられた言葉で、特に印象に残っていることはありますか?

戸塚:

「負け芝居が出来る役者」という言葉ですね。お芝居を始めたての頃で、はじめて一緒にお仕事させて頂いたときに言われたんです。

そこから「負け芝居」って何だろう?って考えるようになって。人がお芝居したのを受ける「受けの芝居」ということなんです。

自分から発信して取れる笑いはたくさんあるけど、自分が引いて「リアクションで取る面白さ」というのはなかなか少ないと思うんです。そして、それが決まった時は、カウンター攻撃みたいで気持ちいいです(笑)。




そういうお芝居が上手で面白かったりするのは、僕らの上の世代の“バイプレイヤー”と呼ばれる方々だと思うんですけど、福田さんからは「そういうことで生きようとする若手ってあんまりいないから、ポスト空いてるぞ」ということを言って頂いて。

それは自分でも気づいていなかったので、そこからそれを意識するようになりましたね。喜劇として演じることってどういうことなのか――。そういうのを細かく考えるようになったきっかけになり、僕がお芝居をしていく中で指針になっている言葉です。



──なるほどですね。ちなみに福田監督から「第二のムロツヨシ」と言わしめたと伺いましたが、意識はされていますか?

戸塚:

福田さんの作品では、基本的に福田さんの奥さんにキャスティング権限があるんです。奥さんの人選びのセンスが、本当に素晴らしくて。元々、その奥さんが「いい」と言って売れた人が、佐藤二朗さんとムロツヨシさんなんですよ。

そして、その奥さんが「この子面白いね」と言ってくれたのが僕だったんです。「佐藤二朗、ムロツヨシに次ぐ男だ」みたいなことを、最初に言って頂いたのがとてもうれしかったです。

お芝居をしていく上で、お二人は本当に尊敬している先輩なので、その人たちと同じ線に乗らせていただくには、すごく頑張らないといけないなと思いました。



──佐藤さんやムロさんと共演されていると、様々な影響を受けそうですね。



戸塚:二郎さんは、天才型というか、クレバーな方なんです。「もっとこうした方が、面白いかも?」など、お芝居的な面白さをやりながら教えてくださって。それは「俺がこうしてほしい」とかじゃなくて、「僕もこういう風にするから、そしたら面白いかも?」という風に、一緒に作ってくれるような話し方をして頂けるので、すごく刺激になります。

逆にムロさんは、僕に対してはあえて厳しく接してくれるんです。でも、これを言うとムロさんやめろって言うんですけど、初めてムロさんとご一緒させていただいた映画『変態仮面』のときに、最初僕がすごい緊張していて、テストが始まっても全然うまく出来なかったんです。「どうしよう…」と萎縮していたんですけど、本番の直前にムロさんが僕の耳元で「好きなことやっていいからな」とだけ言ってくださって。




「わー! この人、すごいカッコつけてる」って思ったんですけど(笑)、せっかくご一緒させていただいているのに、僕がいろいろやらないとムロさんも膨らまないと思うし、そうなったら本当に失礼だなと思って、そこから気合が入りました。なんかスイッチを押していただいたって感じですね。

「ヨシヒコ」のときもそうで、ムロさんと僕の掛け合いのシーンがあった時も「お前、好きなことなんでも言っていいからな。俺が全部拾ってやるから」って言ってくださったりして。そういう先輩たちに出会えたのもありがたいですし、それも元はといえば、福田さんがきっかけだったんで、そう思うと本当にありがたいです。

──では、主演の小栗さんと共演されて、刺激を受けたことは?

戸塚:

小栗さんは、やっぱりかっこいいんです。現場での在り方やスタッフさんへの接し方など、やっぱり人を惹きつける力は、現場にいながら感じますね。そんな中、小栗さんから「お前、華がないな」って言われました(笑)。

以前、「なかなか売れないんですけど、どうしたら売れるんですかね?」みたいな話をした時だったんですけど、それを言われて「華ってどうやったら出るんですかね?」って聞いたら、「いや、分かんねえな」って(笑)。

でもその後に『銀魂』の撮影で衣装を着てご一緒させていただいた時には、俺の方を見て「お前、衣装着ると華あんだな」って言われて、すごくうれしくなりましたね。またひとつ気合が入りました。






──褒めてくれたり、本気のアドバイスをしてくれたり、周りにそういう先輩方がいらっしゃると、役者的にいい影響を受けそうですね。



戸塚:すごく勉強になりますね。僕も7月で26歳になり、中間の年代になってきたので、先輩からしてもらった事や受け取った物を、後輩や下の世代にちゃんと伝えていかなければいけないなと感じています。



──『銀魂』という作品は、戸塚さんの役者人生でもターニングポイントになるかも?

戸塚:そうですね。いつもお世話になっている先輩の皆さん方と出られたのは、本当に福田組ならではだと思いますし、逆に、いつもご一緒させて頂いているからこそ、今までとは同じじゃいけないとも思わせてくれる現場でした。



(C)空知英秋/集英社 (C)2018映画「銀魂2」製作委員会 (C)2018 エイベックス通信放送


戸塚純貴さんは8月25日(土)配信の 『銀魂2 -世にも奇妙な銀魂ちゃん-』第2話「土方禁煙篇」から出演します。

https://video.dmkt-sp.jp/ft/s0007030

(写真・文:たかやまみほ)

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