梅雨の憂鬱と5月病を加速させる「気持ちが沈む」映画5選

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ゴールデンウィークも終わり現実世界へカムバック。

昨年は「5月病に利く」的な感じで、ポジティブな記事をシネマズでは展開。
五月病を映画でぶっ飛ばせ!真っ直ぐに生きる刑事の背中に男を見る『刑事物語』

今年はあえて真逆を言って、「もうこの際無理せず、とことん気持ちが落ちる映画を見ることで感覚を麻痺させて楽になりましょう」的な記事でゴールデンウィーク明けのご挨拶。

救われない結末の気持ちが沈む映画ばかり5つ選んでみました。効果・効用は人ぞれぞれになりますが、ご査収ください

※どの映画も、映画としてとても素晴らしい作品であるが故のご紹介でもあります。予めご了承ください。

1:定番の3作品

まず、「バッドエンド映画といえば?」でよく紹介される3作品をご紹介。全世界的にそういう類の記事で選ばれることが非常に多い、安心と信頼の3作品です。

二度と見たくないと思っても二度以上見た
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』

ダンサー・イン・ザ・ダーク(字幕版)

まずはド定番の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。

物語はこんな感じ。

60年代のアメリカ。セルマは女手ひとつで息子のジーンを育てながら工場で働いている。彼女に対して理解と愛情を持つ人々に囲まれ満ち足りた生活を送っていた。ただ一つを除いて。彼女は遺伝性の病のため視力が失われつつあり、ジーンも手術を受けない限り同じ運命を辿ってしまうのだった。そのために、内職もしてジーンの手術費用を貯えていた。が、ある日工場を解雇されてしまい、貯めていたお金まで盗まれていた……。

これ以上悪い境遇はあるのかという状況へと追い込まれていく主人公。どんどん悪い方向へと追い込まれる主人公。とにかく不幸な物語で、この映画を見て気持ちを高揚させるのはお酒の力を借りても難しいでしょう。

物語も結末も「もう、ちょっと、それ、勘弁して・・・」というもの。

あまりに辛いクライマックスですが、だからこそ「今私たちが生きるこの世界は実は幸せなのでは?」と5月病の方も思えるかもしれません。

これ以上のバッドエンドは想像できない
『ミスト』

ミスト DVD

これもバッドエンド映画の代表格で、あちこちで紹介されています。

物語はこんな感じ。

ガラス窓を破るほどの嵐の翌日、スーパーへ買い出しに出掛けたデヴィッド。軍人やパトカーが慌ただしく街を往来し、あっという間に店の外は濃い霧に覆われた。設備点検のために外に出た店員のジムが不気味な物体に襲われると、店内の人々は次第に理性を失いはじめ……。

外が霧に覆われどうなっているかわからないが、外に出たら何かに襲われそう。そんな恐怖心理から人々の理性が崩壊していく映画です。映画の大半を占めるスーパーマーケットで起きる人間ドラマはもうカオス。

そして霧の中で何が起きているかがクライマックスに判明し、主人公たちがそれに対してどう行動するかが物語最大の山場。

もう、最悪の結末を迎えます。生きるか死ぬかを超えた最悪の結末です。予想がつかない方、まだ見ていない方、是非味わってください。この絶望感を。

殺人鬼に振り回されまくる
『セブン』

セブン (字幕版)
ブラッド・ピット×モーガン・フリーマン×鬼才デヴィッド・フィンチャー監督の『セブン』もバッドエンド映画として多く語られる作品です。

物語はこんな感じ。

キリスト教の“七つの大罪”になぞらえた奇怪な連続殺人事件を追う二人の刑事を描いたサイコ・サスペンス。2人の刑事が追うのは、怜悧な頭脳を持つしたたかな連続殺人鬼。男は七つの大罪のいずれかに該当する者を狙い、おぞましい殺人を繰り返していた。そして最後には観る者の心を食い破る、驚愕のクライマックスが待つ。

キリスト教の“七つの大罪”になぞらえた殺人事件を起こす犯人と刑事との攻防を描きます。映画では犯人の動機も素性も描かれません。何を考えているのかわからない恐ろしさが見るものに恐怖を与えます。

犯人は終盤で逮捕されるのですが、それはある種罠であることが最後にわかります。最後の最後で犯人が起こした行動・・・言葉を失う最悪の結末でした。

そして最後の台詞。結末を知ってから読み直すと本当に深いです。

ヘミングウェイが書いていた「この世は素晴らしい、戦う価値がある」と。後ろの部分は賛成だ。

あと2作品ご紹介

私が大学生の時に鑑賞して「とんでもねえ・・・」と思った作品をあと2つご紹介。片方は劇場で見て絶句しました・・・。

少女が旅するファンタジーかと思いきや・・・
『パンズ・ラビリンス』

パンズ・ラビリンス (字幕版)

大学生の時に「少女が旅するファンタジーみたいな感じかな?」とポスターと海外での賞レース善戦から劇場で鑑賞。そして打ちのめされて帰ってきました。

物語はこんな感じ。

1944年のスペイン内戦で父を亡くし、独裁主義の恐ろしい大尉と再婚してしまった母と暮らすオフェリア(イバナ・バケロ)は、この恐ろしい義父から逃れたいと願うばかり自分の中に新しい世界を創り出す。オフェリアが屋敷の近くに不思議な迷宮を見つけ出して足を踏み入れると、迷宮の守護神が現われ彼女に危険な試練を与える。

不遇な少女が自分の中で空想の世界を作り上げて足を踏み入れていく物語です。

かわいそうな少女は、現実世界でも空想の世界でも困難に直面し、最後も非常に報われないラストを迎えます。私たちが感じるのはただただ絶望感。

しかし、空想の世界、作られる物語は人間にとってどれだけ重要なものなのかも解く非常に深い作品です。物語的にも、ビジュアル的にもなかなかショッキングな作品ですが、なぜか定期的に見たくなります。年に何回も見てる気がします。

麻薬で狂っていく人々を描く
『レクイエム・フォー・ドリーム』

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『ダ・ヴィンチ・コード』の予告編でこの映画のサウンドトラックが使われていたことから作品を知りました。『ブラック・スワン』など衝撃作を数々生み出してきたダーレン・アロノフスキー監督の強烈な作品です。

物語はこんな感じ。

コニー・アイランドの寂れた海岸。古いアパートに住む孤独な未亡人サラは、ある日、大好きなTVのクイズ番組から出演依頼の電話を受け、ダイエットを決意する。一方その一人息子ハリーと恋人マリオンのもとに、友人のタイロンが麻薬密売の話を持ちかける。一時はそれぞれに人生がうまく回り始めたかに思えたのだが……。

監督の鮮烈な演出もあり、麻薬に狂っていく人間たちをかなり恐ろしく描いています。薬物中毒の恐ろしさを描きますが、本当に鮮烈で恐ろしさを見ていて感じるほどです。

狂っていったその先でそれぞれの登場人物たちが受ける仕打ち(結末)もまた後味が悪いもの。

「こんなんにはなりたくない・・・」と思うこと間違い無し。つまり、「今、この世界の方がマシかもしれない…。」と救いを感じることができるかもしれません。

まとめ

ということで、バッドエンドで気持ちが沈む映画をご紹介させて頂きました。

「5月病ならとことん落ちろ!」と逆張りで企画をしてみたものの、「こんなひどい境遇の人物たち見たら、逆に元気出るわ」となるのかなと書いていて思ったりもしました。

とは言うものの、本当に後味の悪い作品ばかり。名作ではありますが、連続鑑賞は確実に危険な効用となりますので、それぞれ別日に是非ご覧になってみてください。

(文:柳下修平)

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